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セキュリティ人材不足の対策とは?確保・育成・外部活用の進め方を解説

セキュリティ人材不足は、多くの企業で続く課題です。特に近年は、サイバー攻撃の高度化やクラウド利用の拡大によって、求められる対応範囲が広がり、単に担当者を増やすだけでは追いつきにくくなっています。

IPAも、中小企業では予算や人材が不足する中でセキュリティ対策を実践する必要があり、人材確保や支援策の強化が求められると整理しています。

また、セキュリティ人材と一口にいっても、必要なのは一種類ではありません。国家サイバー統括室の「サイバーセキュリティ人材フレームワーク2026」でも、役割ごとに求められるタスクや知識、スキルが体系化されており、企業側には“誰を何のために確保・育成するか”を見極める視点が必要になっています。

この記事では、セキュリティ人材不足の理由を「人数不足」と「スキル不足」に分けて整理し、採用・育成・外部活用の観点から現実的な対策を解説します。

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目次[非表示]

  1. 1.セキュリティ人材不足の現状
    1. 1.1.セキュリティ人材不足の背景
    2. 1.2.人数不足だけでなくスキル不足も問題になる理由
    3. 1.3.特に中小・中堅企業で不足感が生じやすい理由
  2. 2.セキュリティ人材を確保するための手順
    1. 2.1.必要な役割を先に定義する
    2. 2.2.採用条件を現実的に見直す
    3. 2.3.社内異動や兼務人材も候補に含める
    4. 2.4.外部専門家と組み合わせて不足を埋める
  3. 3.セキュリティ人材を育成するための施策
    1. 3.1.業務に必要なスキルを分解して育成する
    2. 3.2.OJTと演習を組み合わせる
    3. 3.3.属人化しないように手順と記録を残す
    4. 3.4.資格取得を目的化しない
  4. 4.人材不足を前提にした体制づくりの考え方
    1. 4.1.すべてを内製しない
    2. 4.2.情シス運用とセキュリティ運用を分断しない
    3. 4.3.平時のルール整備で負荷を下げる
    4. 4.4.外部パートナー選定で見るべき点
  5. 5.まとめ

セキュリティ人材不足の現状

セキュリティ人材不足を考える際は、単に人が足りないと捉えるのではなく、理由を把握することが重要です。

セキュリティ人材不足の背景

人材不足の背景にあるのは、守るべき領域が広がり、業務が複雑になっていることです。端末やネットワークだけでなく、クラウド、ID管理、委託先管理、インシデント対応まで視野に入れる必要があり、従来より幅広い知識と判断が求められやすくなっています。

「サイバーセキュリティ人材フレームワーク2026」のなかでも、サイバーセキュリティ業務にかかわる人材の役割は13に整理されており、求められる内容が多様化していることが分かります。

サイバーセキュリティ人材が担う役割の全体像

画像引用元:国家サイバー統括室ホームページ『サイバーセキュリティ人材フレームワーク2026

出典:国家サイバー統括室ホームページ『サイバーセキュリティ人材フレームワーク2026

人数不足だけでなくスキル不足も問題になる理由

セキュリティ人材不足は、人数だけの問題ではありません。担当者がいても、自社に必要な業務を回せるだけの知識や経験が不足していれば、実務上は“足りていない”状態になります。

つまり、採用人数を増やすだけでは解決しにくく、役割に合ったスキルをどう補うかまで考える必要があります。

特に中小・中堅企業で不足感が生じやすい理由

中小・中堅企業では、専任のセキュリティ担当を置きにくく、情シスやインフラ担当が兼務で対応するケースも少なくありません。

そのため、日常運用に追われる中で、教育やルール整備、インシデントに備えた準備まで手が回らず、不足感が強まりやすくなります。

セキュリティ人材を確保するための手順

セキュリティ人材の確保というと採用に目が向きがちですが、実際には「どんな役割を、どの形で担うのか」を先に整理することが重要です。

採用だけで解決しようとせず、育成や外部活用も含めて考えることで、現実的な体制を作りやすくなります。

必要な役割を先に定義する

まず必要なのは、何でもできる人材を探すことではなく、自社に必要な役割を切り分けることです。

例えば、監視やアラート確認が必要なのか、ルール整備や統制が課題なのか、端末やIDの運用管理を強化したいのかによって、求める人材は変わります。役割が曖昧なまま採用を進めると、入社後にミスマッチが起きやすくなります。

採用条件を現実的に見直す

採用条件を厳しくしすぎると、候補者が極端に少なくなり、採用そのものが進まなくなることがあります。

経験年数や資格の数だけで絞るのではなく、自社で必要な業務を担える素地があるか、入社後に育成できるかという視点も大切です。最初から完成形の人材を求めすぎないことで、採用の幅は広がります。

社内異動や兼務人材も候補に含める

人材確保は、外部から採用することだけではありません。情シスやインフラ運用、クラウド管理を担当している人材の中には、セキュリティ業務と親和性の高い人もいます。

業務の一部を担ってもらいながら段階的に役割を広げることで、社内で育てる形も取りやすくなります。中小・中堅企業では、この進め方のほうが現実的な場合も少なくありません。

外部専門家と組み合わせて不足を埋める

すべてを採用で補おうとすると、時間もコストもかかります。そのため、足りない部分は外部の専門家や支援サービスと組み合わせる考え方も有効です。

特に、ルール整備、運用見直し、端末管理やID管理の整理などは、外部の知見を取り入れながら進めやすい領域です。人材不足を無理に社内だけで抱え込まず、必要な機能をどう確保するかで考えることが大切です。

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セキュリティ人材を育成するための施策

採用だけで必要な人材をそろえるのが難しい以上、社内で育てる前提で仕組みを整えることが重要です。

育成を場当たり的に進めるのではなく、実務に必要な役割やレベルに合わせて考えることで、無理なく育成を進めることができます。

業務に必要なスキルを分解して育成する

育成を進めるときは、「セキュリティを学ぶ」といった抽象的なテーマではなく、実務に必要なスキルに分けて考えることが大切です。

例えば、アラートの見方、端末やIDの管理、設定変更時の確認ポイント、インシデント発生時の報告判断などに分けると、何をどこまで身につけるべきかが見えやすくなります。

役割ごとに必要な知識や判断を整理しておくと、育成の優先順位も付けやすくなります。

OJTと演習を組み合わせる

座学だけでは、実際の運用や対応力は身につきにくいものです。日常業務の中で先輩社員と一緒に確認や設定作業を行うOJTに加え、インシデント対応や設定変更時の確認を想定した演習も組み合わせることで、実務に近い形で学びやすくなります。

知識を覚えるだけで終わらせず、実際に判断し、動ける状態を目指すことが重要です。

属人化しないように手順と記録を残す

人材育成では、個人の経験に頼りすぎない環境づくりも欠かせません。対応手順や確認項目、判断時のポイントを記録として残しておくことで、教える側と教わる側の認識をそろえやすくなります。

これは人を育てるだけでなく、特定の担当者しか分からない状態、いわゆる属人化を防ぐことにもつながります。育成と運用整備は、切り分けずに進めるほうが効果的です。

資格取得を目的化しない

資格取得は、学習のきっかけとして有効です。ただし、資格を取ること自体が目的になると、現場で必要な判断力や運用力につながりにくくなります。

重要なのは、学んだ内容を実務にどう活かすかです。資格取得を入口にしつつ、実際の業務に結びつけて経験を積めるようにすると、育成の効果が出やすくなります。

人材不足を前提にした体制づくりの考え方

人材が十分にそろうまで待つのではなく、足りない前提でも回る体制を作ることが現実的です。重要なのは、限られた人数で何を担い、どこを外部と組み合わせるかを整理することです。

すべてを内製しない

人材不足の中で、監視、端末管理、ヘルプデスク、運用管理までをすべて社内で賄うのは負担が大きくなりがちです。

そのため、日常的な運用や定型業務など、委託しやすい領域を切り分けて考えることが大切です。すべてを内製することにこだわるより、自社で持つべき判断機能と、外部に任せやすい実務を分けて考えるほうが体制を作りやすくなります。

情シス運用とセキュリティ運用を分断しない

セキュリティ業務は、情シス運用と切り離して考えにくいものです。ID管理、端末運用、クラウド管理、ネットワーク管理が整っていなければ、セキュリティ対策も機能しにくくなります。

だからこそ、人材不足への対応でも、セキュリティだけを別枠で考えるのではなく、日常の情シス業務と一体で整理していく視点が重要です。

平時のルール整備で負荷を下げる

少人数でも回る体制を作るには、手順、判断基準、連絡フローを平時から整えておくことが欠かせません。

担当者ごとに進め方が違う状態だと、確認や判断に時間がかかり、人が少ないほど負荷が集中しやすくなります。

あらかじめルールをそろえておくことで、対応の迷いを減らし、限られた人数でも動きやすくなります。

外部パートナー選定で見るべき点

外部パートナーを選ぶ際は、緊急時の支援だけでなく、日常運用や改善まで一緒に考えられるかを見ることが大切です。

人材不足の課題は、有事対応だけでなく、平時の管理や運用負荷にも関わるためです。起きた後の対応だけでなく、起きにくい状態をどう作るかまで相談できる相手のほうが、長期的には使いやすい支援先になりやすいです。

まとめ

この記事では、セキュリティ人材不足について以下の内容を解説しました。

  • セキュリティ人材不足の現状と背景

  • 人数不足だけでなくスキル不足が問題となる理由

  • 中小・中堅企業で不足感が強まりやすい要因

  • セキュリティ人材を確保するための対策(採用・社内活用・外部活用)

  • セキュリティ人材を育成するための実践的な施策

  • 人材不足を前提にした体制づくりの考え方

セキュリティ人材不足は、単に採用で人を増やすだけでは解決しにくい課題です。役割を整理し、社内での育成と外部リソースの活用を組み合わせることで、限られた人数でも実務が回る体制を構築することが重要です。

まずは、自社のセキュリティ対応において「どの役割が不足しているのか」「内製すべき業務と外部に任せられる業務は何か」を整理することから始めてみてはいかがでしょうか。

FGLテクノソリューションズ』では、日常の情シス運用や体制整備の支援を通じて、セキュリティ対策を進めやすい環境づくりをサポートしています。貴社の状況に応じて、必要な対策をご提案いたします。

情シス業務こそアウトソーシングが重要! 【失敗しない業者選びのポイントも解説】

霜島 裕也
霜島 裕也
2022年にFTSへ入社。社内情シス業務アウトソーシングサービスのマーケティング兼プリセールスを担当している。最近は法務関連の事務局にも従事。IT関連資格としてPMP、ITコーディネータを保有し、現在も維持している。 入社前の1991年~2015年は総合電機メーカーにて、総務、販売企画、営業、SE、プロジェクトマネジメントなど幅広い業務を経験。

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