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Geminiを使ったマニュアル作成方法|業務効率化と標準化の進め方を解説

情報システム部門(以下、情シス)や各業務部門において、業務手順をまとめたマニュアルの作成は、業務の標準化や属人化解消のために欠かせない取り組みです。しかし、「ゼロから文章を書くのに時間がかかる」「日々の業務が忙しくて更新作業が追いつかない」といった課題を抱え、マニュアル整備が後回しになっている企業も多いのではないでしょうか。

近年、ビジネスの現場で導入が進む生成AI「Gemini」を活用することで、煩雑なマニュアル作成の工程を効率化し、作成にかかる労力を削減することが可能です。

この記事では、Geminiを使ったマニュアル作成でできることや導入のメリットについて解説します。あわせて、全社展開に向けて情シスが整える運用ルールや、現場に定着させるための進め方についても紹介します。

※Geminiの名称およびロゴは、Google LLCの商標または登録商標です。

目次[非表示]

  1. 1.Geminiでマニュアル作成は何ができるのか
    1. 1.1.マニュアルのたたき台を作成できる
    2. 1.2.手順を分かりやすく整理できる
    3. 1.3.既存資料のリライトや要約にも使える
    4. 1.4.FAQやチェックリスト化にも活用できる
  2. 2.Geminiをマニュアル作成に活用する4つのメリット
    1. 2.1.1.作成時間を短縮しやすい
    2. 2.2.2.マニュアルの表現を標準化できる
    3. 2.3.3.更新作業の負荷を軽減できる
    4. 2.4.4.属人化した業務ノウハウを可視化できる
  3. 3.マニュアル作成で活用しやすい業務例
  4. 4.全社展開の前に情シスが決めたい運用ルール
  5. 5.Geminiマニュアル作成を定着させる進め方
    1. 5.1.1.一部門・一業務からスモールスタートで試す
    2. 5.2.2.プロンプト例やテンプレートを共有する
    3. 5.3.3.利用者向けレクチャーを行う
    4. 5.4.4.効果測定と改善を続ける
  6. 6.自社だけで進めにくい場合の考え方
    1. 6.1.情シスだけでは標準化と定着支援まで手が回りにくい
    2. 6.2.外部支援を活用すると進めやすい領域がある
    3. 6.3.大切なのは“作ること”より“使われ続けること”
  7. 7.まとめ

Geminiでマニュアル作成は何ができるのか

まずは、Geminiを使ってマニュアル作成のどの工程を効率化できるのか、具体的な機能とメリットを整理します。

マニュアルのたたき台を作成できる

マニュアルをゼロから書き始める作業は、構成を考えたり言葉を選んだりするのに労力と時間がかかります。しかし、Geminiを活用すれば、箇条書きの作業メモや乱雑に書き留めた手順を入力するだけで、目次や見出し、大まかな流れを整理した「たたき台」を短時間で作成しやすくなります。

手順を分かりやすく整理できる

Geminiは、入力されたテキスト情報を読み手が理解しやすい形式に整形することが得意です。

例えば、「この手順をステップ形式に直して」「重要な部分は箇条書きにして注意点としてまとめて」とプロンプト(指示文)で指定するだけで、視覚的に分かりやすい構成へ整えやすくなります。また、簡潔でスッキリとした文章に整えられるため、読み手に伝わるマニュアルを素早く仕上げることができます。

既存資料のリライトや要約にも使える

過去に作成された古いマニュアルや、文章が長すぎる社内規程などを読み込ませ、現在の業務内容に合った読みやすい表現へリライトしやすくなります。また、要点だけを短くまとめる用途にも優れています。

専門用語が多くて新人には理解しづらい業務手順書も、「新入社員向けに、専門用語を補足しながら分かりやすく書き直して」と指示することで、対象者に合わせた適切な資料へと生まれ変わります。

FAQやチェックリスト化にも活用できる

完成したマニュアルの本文を基にして、日々の業務で役立つ資料へ簡単に展開することも可能です。

Geminiに「このマニュアルを基に、よくある質問と回答(FAQ)を5つ作成して」「作業漏れを防ぐためのチェックリストを表形式で作って」と指示を出せば、実用的な資料のたたき台を作成しやすくなります。マニュアル本文だけでなく、現場の問い合わせ削減やミス防止につながる資料を同時に用意できるため、業務全体の品質向上に寄与します。

Geminiをマニュアル作成に活用する4つのメリット

Geminiを活用してマニュアルを作成することは、情シス部門とユーザ部門の双方に業務効率化をもたらします。主なメリットは以下の4点です。

1.作成時間を短縮しやすい

もっとも分かりやすいメリットは、マニュアルの作成にかかる時間を短縮できることです。

文章の構成案作成や言い回しの検討、誤字脱字の確認といった初稿作成の負担をGeminiで軽減できます。担当者は、出力されたたたき台を基に事実確認や自社特有のニュアンスを微調整する作業に集中でき、本来のコア業務を圧迫せずに資料化を進められます。 

2.マニュアルの表現を標準化できる

複数の担当者や異なる部門でマニュアルを作成すると、表記揺れが発生したり、説明の粒度にばらつきが出たりします。

Geminiを活用する際に、「社内の標準フォーマットに合わせて出力して」「文末は『です・ます調』で統一して」といった共通のプロンプトを使用することで、会社全体でマニュアルの品質やトーン&マナーを標準化しやすくなります。読み手にとっても、統一感のあるマニュアルは理解しやすく、スムーズな業務の遂行につながります。

3.更新作業の負荷を軽減できる

業務フローの変更や新しいシステムの導入があった際、マニュアルの更新作業は面倒になりがちです。

Geminiを使えば、「既存の手順書のステップ3に、この新しいシステム画面での承認作業を追記して全体を整えて」と指示するだけで、変更点を取り込んだ新しい手順書のたたき台を作成しやすくなります。

また、新旧の差分を抽出して「変更のお知らせ」を作成することも容易になるため、マニュアルを常に最新の状態に保つハードルが下がります。

4.属人化した業務ノウハウを可視化できる

長年同じ担当者が行っている業務は、「その人に聞かないと分からない」という属人化の状態に陥りやすい傾向にあります。こうした業務の手順を文書化しようとしても、どこから説明すればよいか分からないことも少なくありません。

Geminiを活用すれば、担当者が書き出した箇条書きのメモから、論理的な手順書のたたき台を作成しやすくなります。これにより、暗黙知となっていた業務ノウハウを見える化し、スムーズな引き継ぎや新人教育に生かすことができます。

マニュアル作成で活用しやすい業務例

ここからは、どのようなマニュアルからGeminiの活用を始めやすいか、実務に即した具体的な業務一覧を紹介します。

▼ Geminiを活用しやすい業務領域とポイント

対象領域

具体的な業務例

Geminiの活用ポイント

社内システムの操作

勤怠管理、経費精算、ワークフロー

画面遷移や入力項目を箇条書きで読み込ませ、ステップ形式の操作手順書を作成。エラー時の対処法も補足可能。

情シス向け運用手順

アカウント発行、キッティング、障害時の一次対応

技術用語を含む手順を整理し、チーム共有用のナレッジベースとしてテキスト化。

ユーザ部門向け手順

請求書発行、契約書の押印、定型的な問い合わせ回答

乱雑な業務メモや下書きから、標準的な手順書の形式に整えやすい。現場主導で業務プロセスを可視化し、作業ミスを防止。

FAQ・社内ナレッジ

ヘルプデスクや総務への「よくある質問」の集約

個人情報を除いた過去の対応履歴をもとに、Q&A形式へ分類し、社内ポータル用のFAQ作成を支援。

全社展開の前に情シスが決めたい運用ルール

Geminiを活用したマニュアル作成は便利ですが、全社へ安全に展開するには、事前に入力情報や確認フローに関する運用ルールを情シス部門が中心となって整える必要があります。

  • 入力してよい情報・入力してはいけない情報を分ける(セキュリティ)
    社員の個人情報、顧客データ、未公開の契約情報、システムの認証情報などを安易に入力しないよう、社内ガイドラインを定めます。あわせて、入力データの取り扱いやデータ保護の条件を確認したうえで、企業向けプラン(Gemini for Google Workspaceなど)の導入を検討し、セキュアな環境を整えます。

  • マニュアルの標準フォーマットを決める
    「目的」「対象者」「事前準備」「具体的な手順」「注意点」「更新日」といった標準フォーマットを定め、プロンプトのテンプレートに組み込んでおくことで、作成者によらず一定の品質を保てます。

  • 確認・承認フローを明確化する
    AIが事実と異なる誤り(ハルシネーション)を出力する可能性を考慮し、「誰が内容の正確性を確認し、どの段階のレビューを経て公開するか」という承認フローを明確にします。最終的な内容責任は、AIではなく作成者や承認者が担うことを明確にすることが重要です。

  • 更新ルールの策定
    マニュアルは常に最新の情報へ更新し続ける必要があります。システム変更時や定期的な棚卸し(半年に一度など)の際に、誰が責任を持って更新を行うかという運用ルールを定めます。

Geminiマニュアル作成を定着させる進め方

運用ルールの制定やツールの導入だけでは、現場の業務改善には至りません。実際に現場で活用されるマニュアルとして定着させるためには、以下の4つのステップで進めることが効果的です。 

1.一部門・一業務からスモールスタートで試す

いきなり全社一斉に導入を展開すると、想定外のトラブルや情シスへの問い合わせが殺到し、対応が追いつかなくなる可能性があります。まずは情シス部門自身の業務マニュアルや、特定の部署で問い合わせが多い定型業務など、影響範囲が小さく成果を実感しやすい領域から検証を開始します。そこで得た知見や成功事例を基に、段階的に他部門へ展開します。

2.プロンプト例やテンプレートを共有する

現場の利用者が、毎回ゼロからプロンプトを考えるのは非効率です。情シス部門があらかじめ、「操作マニュアル作成用」「FAQ作成用」といった標準のテンプレートを用意し、社内ポータルなどで共有します。これにより、AI操作に不慣れな担当者でも迷わず活用でき、出力されるマニュアルの品質も安定します。

3.利用者向けレクチャーを行う

画面操作の説明だけでなく「業務手順をどうテキスト化し、どう指示を出すか」といった実践的なレクチャーを実施します。 

また、「機密情報は入力しない」「必ず人が事実確認をする」といったセキュリティ上の注意点やコンプライアンスルールの周知もあわせて行い、安全に利用するためのリテラシーを高めることが大切です。

4.効果測定と改善を続ける

導入によって本当に業務効率化につながっているかを測定し、運用を見直すプロセスを設けます。

「マニュアル作成時間の変化」「ヘルプデスクへの問い合わせ件数の減少」といった指標から効果を検証し、現場の声を取り入れながらプロンプトやルールの見直しを継続的に行います。 

自社だけで進めにくい場合の考え方

全社展開を進める際に、自社の情シス部門のリソースだけでルールの整備や定着支援を対応するのは容易ではありません。 

情シスだけでは標準化と定着支援まで手が回りにくい

新しいAIツールを展開する場合、利用ルールの策定からセキュリティ担保、フォーマット整備、使い方レクチャー、日々のヘルプデスク対応まで、情シスが担う負担は多岐にわたります。

少人数体制の情シスでは本来のコア業務を圧迫し、結果として試験導入の段階で停滞する原因となります。

外部支援を活用すると進めやすい領域がある

自社のリソースのみで推進するのが難しい場合は、IT運用の専門ノウハウを持つ外部支援サービス(BPO)を活用するのも有効な選択肢です。

マニュアルの標準フォーマット整備やFAQ化の代行、運用ルールの策定サポートなどを外部へ委託することで、情シス部門の負担を抑えつつ、安全でスムーズな全社展開を実現できます。 

大切なのは“作ること”より“使われ続けること”

Geminiを使ってマニュアルを短時間で作成すること自体は難しくありません。しかし企業にとって真に重要なのは、作成されたマニュアルが現場の業務改善に貢献し、状況の変化に合わせて活用され、更新され続ける状態を維持することです。継続的な運用を見据えた体制づくりが、DX推進を成功させる鍵となります。 

FGLテクノソリューションズ』では、ITインフラの整備から日々の運用管理までを幅広く支援する「社内システム運用管理サービス」や「ITアドバイザリーサービス」を提供しています。生成AIを活用した業務効率化においても、安全な運用ルールの策定や社内への定着支援、ヘルプデスク業務の代行などを通じて、情シス部門の課題解決と企業の持続的な成長をサポートします。 

まとめ

この記事では、Geminiを活用したマニュアル作成について以下の内容を解説しました。

  • Geminiでマニュアル作成は何ができるのか

  • Geminiをマニュアル作成に活用する4つのメリット

  • マニュアル作成で活用しやすい業務例

  • 全社展開の前に情シスが決めたい運用ルール

  • Geminiマニュアル作成を定着させる進め方

  • 自社だけで進めにくい場合の考え方

Geminiは、マニュアル作成において多岐にわたる工程の効率化に活用できます。安全かつ効果的に全社展開するためには、情シス部門が中心となって入力ルール、標準フォーマット、確認・承認フロー、更新ルールを事前に整える必要があります。

しかし実際には、入力ルールや承認フローを整備しきれず、PoCや一部門での試験導入の段階で止まってしまう企業も少なくありません。

自社だけで定着支援を行うのが難しい場合は、FGLテクノソリューションズなどの外部支援サービスを含めて、無理なくマニュアル作成と運用改善を進めることをおすすめします。

生成AIの活用は、マニュアル作成にとどまらず、社内全体の生産性を大きく引き上げる可能性を秘めています。まずは身近な業務からGeminiの活用をスタートし、自社に合った形で業務の標準化と効率化を実現してみてはいかがでしょうか。



霜島 裕也
霜島 裕也
2022年にFTSへ入社。社内情シス業務アウトソーシングサービスのマーケティング兼プリセールスを担当している。最近は法務関連の事務局にも従事。IT関連資格としてPMP、ITコーディネータを保有し、現在も維持している。 入社前の1991年~2015年は総合電機メーカーにて、総務、販売企画、営業、SE、プロジェクトマネジメントなど幅広い業務を経験。

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