
ChatGPT議事録の作り方|会議メモを効率よく整理する手順と注意点
日々の業務において、会議のたびに発生する議事録作成は、多くの時間を費やす業務の一つです。「オンライン会議の文字起こしデータやメモがあっても、分かりやすくまとめるのに手間がかかる」と悩む方は多いのではないでしょうか。
近年、ビジネスの現場でも普及が進むChatGPT(※)を活用することで、雑多な会議メモや文字起こしデータを効率よく整理し、議事録作成にかかる時間を短縮できます。
この記事では、情報システム部門(情シス)やユーザ部門の担当者に向けて、ChatGPTを用いた議事録作成でできることや具体的な作成手順、使いやすいフォーマットを解説します。あわせて、情シスが全社展開する際に定める運用ルールや、現場に定着させるための進め方についても紹介します。
※ChatGPTの名称およびロゴは、OpenAI OpCo, LLCの商標または登録商標です。
目次[非表示]
ChatGPTで議事録作成は何ができるのか
ChatGPTを使って会議のメモや文字起こしデータをどのように議事録として形にできるのか、具体的な機能を解説します。
1.会議メモや文字起こしを要約できる
会議で記録された文字起こしデータは、膨大な文字数になります。これを人間が一から読み直して要約するのは大変な作業ですが、ChatGPTに入力することで、文脈を踏まえながら短時間で要点を抽出しやすくなります。
プロンプト(指示文)を工夫することで、会議の要点や決定事項、次のアクション(TODO)を抽出・分類しやすくなります。また、手書きや箇条書きのメモを入力しても、スピーディーに自然な文章にまとめ直すことができます。
2.議事録フォーマットに沿って整形できる
ChatGPTは要約するだけでなく、指定した形式に合わせて情報を整形することが得意です。プロンプトで「日時」「参加者」「議題」「決定事項」「担当者」「期限」といった項目を指定すれば、フォーマットに合わせて出力してくれます。
さらに「決定事項とTODOは表形式で出力して」と指示を出せば、Word(※)やメール、プロジェクト管理ツールに転記しやすい形で出力できるため、レイアウトを整える手間も省けます。
※Microsoft Word は、マイクロソフト グループの企業の商標です。
3.ゼロから作るのではなく、下書き作成に向いている
注意したいのは、ChatGPTが完璧な確定版を一度で作ってくれるわけではないという点です。
生成AIは、もっともらしいが事実と異なる回答を出す「ハルシネーション」や、ニュアンスの違いを起こす可能性があります。そのため、生成されたテキストをそのまま最終版にするのではなく、人間が最終確認・修正するための「下書き(たたき台)」として活用することが前提となります。
一定の完成度の下書きをAIで作成し、残りの微調整を人間が行うという使い方が効率的です。
ChatGPTで議事録を作成する基本手順
実際にどのような流れで議事録を作成するのか、ユーザ部門の方にも分かりやすい基本的な手順を紹介します。
1.会議メモや文字起こしを用意する
はじめに、議事録の材料となる情報(インプットデータ)を準備します。会議中に記録した箇条書きのテキストメモや、Microsoft TeamsやZoomなどのオンライン会議ツールで取得した文字起こし(トランスクリプト)ログなどが該当します。
また、チャットツールで議論したログをそのままコピーして材料にすることも可能です。インプットする情報が整理されているほど、議事録のたたき台を作成しやすくなります。
2.目的と出力形式をプロンプトで指定する
ChatGPTに指示を出すプロンプトで、用途と出力形式を明確に伝えます。単に「要約して」と指示するよりも、「あなたは優秀なアシスタントです。社内メンバーへの共有用に、以下の文字起こしデータを議事録としてまとめてください」と役割や目的を与えたほうが、適切なトーンで出力されます。
顧客への提出用であれば「丁寧なビジネス用語で」、タスク確認用であれば「TODOを中心に」といった具合に、用途に応じた指示を出すことがポイントです。
3.決定事項とタスクを分けて出力する
議事録として使いやすくするためには、議論の経緯だけでなく、最終的な「結論」と「誰がいつまでに何をするのか(担当者と期限)」を分けて出力するよう指示します。
例えば、「1. 会議の目的、2. 決定事項、3. TODO(担当者と期限を明記)、4. 次回持ち越し事項」というように構成をプロンプト内で指定します。これにより、会議後のアクション漏れを防ぎ、業務をスムーズに次のステップへ進めることができます。
4.最後に人が事実確認する
出力された議事録は、必ず会議に参加した担当者が目を通し、事実確認を行ってください。
発言者の取り違えがないか、重要な数値や日付、決定事項のニュアンスに誤りがないかを入念にチェックします。また、AI特有の不自然な言い回しがあれば、社内の文化に合った表現に手作業で修正をしてから、関係者へ共有するようにします。
議事録作成で使いやすいフォーマットのコツ
議事録は、用途によって求められるフォーマットが異なります。社内の備忘録であればスピードと簡潔さが重視されますが、顧客向けであれば正確な合意形成の記録が不可欠です。あらかじめ用途別のプロンプトを用意しておくことで、ChatGPTで目的に合ったレイアウトへ整えやすくなります。
ここでは、用途・会議種別フォーマットと指示のコツをまとめました。
用途・会議種別 | 求められるポイント | 推奨する構成項目 | プロンプト指示のコツ |
|---|---|---|---|
社内会議向け | 迅速な情報把握・簡潔さ | 議題、決定事項、TODO、次回確認事項 | 「各項目3行以内でまとめて」と制限を加えます。 |
顧客・取引先向け | 認識相違の防止・正確さ | 合意事項、未決定事項、双方のタスク、期限 | 「外部提出用の丁寧なビジネス用語で」と指定します。 |
プロジェクト会議向け | 全体進捗・リスク管理 | 進捗状況、課題、リスク、次回担当と期限 | 「TODOリストは表形式で出力して」と指定します。 |
情シスが全社展開前に決めたいルール
ChatGPTによる議事録作成は便利ですが、機密情報の漏えいや不適切なデータ利用といったセキュリティリスクと常に隣り合わせです。
そのため全社展開にあたっては、ツールの導入だけでなく、情シス部門が主導して「安全かつ一定の品質で使いこなすための運用ルール」を策定することが重要です。
なお、ChatGPTにどこまで会議情報を入力してよいかは、企業のセキュリティ方針や契約形態、会議の内容によって判断が分かれます。社内会議であっても機密性の高い経営情報や人事情報を含む場合は利用を制限し、顧客会議では相手先の方針や契約上の取り決めを確認したうえで利用可否を判断しましょう。
現場の混乱を防ぎ、企業の大切な情報資産を守るために、最低限整備しておきたい4つのルールは以下のとおりです。
入力してよい情報・入力してはいけない情報を分ける
機密情報、個人情報、顧客情報、未公開情報など、どこまでを入力対象とするか、入力してはいけない情報の基準を明確に定めます。利用できる会議の範囲を決める
社内会議、顧客会議、採用面接、評価面談など、利用可否を分けます。顧客会議では企業ごとに考えが異なるため、利用の可否を事前にすり合わせます。確認・承認フローを決める
AI生成物をそのまま外部へ共有せず、必ず人間が事実確認を行います。社外共有前に誰が確認するのか、責任者を明確にします。社内向けのプロンプト例やテンプレートを用意する
誰もが一定の品質で効率よく出力できるよう、用途別のプロンプトテンプレートを作成し、社内ポータルなどで共有します。
ChatGPT議事録を定着させるための進め方
ルールを決めてツールを導入して終わりではなく、現場で日常的に使われる状態にするための具体的な進め方を解説します。
まずは一部門・一用途から試す
いきなり全社一斉に展開すると、想定外のエラーや「使い方が分からない」といった問い合わせが殺到し、情シスの対応が追い付かなくなる可能性があります。
まずは情シス部門内の会議や、ITリテラシーの高い特定の部署の定例会議など、影響範囲の小さいところからスモールスタートで始めるのが効果的です。そこで出た課題を運用ルールにフィードバックしてから全社へ広げます。
利用者向けのレクチャーを行う
現場の担当者に向けて、単なるツールの使い方だけでなく、セキュリティに関するリテラシー教育を含めたレクチャーを実施します。
「必ず人が事実確認する」「機密情報は入力しない」といった重要ルールを周知するとともに、用意したプロンプトテンプレートの活用方法を実演を交えて伝えることで、利用のハードルを下げることができます。
効果測定の観点を決める
導入によって本当に業務効率化につながっているかを測定し、経営層へ報告するための観点を定めます。
議事録作成にかかっていた時間、修正回数、会議終了から共有されるまでの時間、タスク漏れの件数といった指標から効果を検証し、 定期的に運用方法を見直して改善を図ります。
問い合わせ対応や運用改善の窓口を用意する
現場が実際に使い始めると、「このプロンプトでエラーが出る」「この情報を入力してよいか判断に迷う」といった疑問が必ず出てきます。
現場が迷ったときにすぐ相談できる体制を作ることで、定着しやすくなります。情シス部門内にヘルプデスクを設けたり、Teamsなどのチャットツールに「生成AI活用相談チャネル」を用意したりといった工夫が大切です。
自社だけで進めにくい場合の考え方
全社展開を進めるにあたり、情シス部門の体制によっては、社内ですべてを抱え込むのが難しいケースもあります。
情シスだけでは全社展開の負荷が大きくなりやすい
新しいAIツールを全社展開する場合、利用ルールの策定からプロンプトテンプレートの作成、従業員への教育・レクチャー、そして日常的な問い合わせ対応(ヘルプデスク)まで、情シス部門にかかる負荷は重くなります。
特に「ひとり情シス」や少人数体制の企業では、本来のインフラ管理やセキュリティ対策といったコア業務を圧迫しかねません。
外部支援を活用すると進めやすい領域がある
自社のリソースだけで安全な全社展開を推進するのが難しい場合は、IT運用のプロフェッショナルである外部の支援サービスを活用するのも有効な手段です。
従業員向けレクチャーの実施、安全な運用ルールの策定、ガイドライン・テンプレートの整備、導入後のヘルプデスク対応などを外部に切り分けることで、情シス部門の運用負担を抑えられます。
大切なのは“作れること”より“安全に使い続けられること”
議事録をAIで作成できる仕組みを導入すること自体がゴールではありません。企業にとって最も重要なのは、セキュリティとコンプライアンスのルールを守りながら、現場の従業員が安全かつ効果的に使い続けられる運用体制を構築することです。
『FGLテクノソリューションズ』では、Microsoft 365の導入・運用支援サービスや、情シス業務全般をサポートする「社内システム運用管理サービス」を提供しています。教育・操作支援からヘルプデスク対応、IT資産管理までを一貫して提供しており、生成AI機能(Microsoft 365 Copilotなど)を全社展開する際のルール整備や定着支援においても、情シスのパートナーとして課題解決をサポートします。
まとめ
この記事では、ChatGPTを活用した議事録作成について以下の内容を解説しました。
ChatGPTで議事録作成は何ができるのか
ChatGPTで議事録を作成する基本手順
議事録作成で使いやすいフォーマットのコツ
情シスが全社展開前に決めたいルール
ChatGPT議事録を定着させるための進め方
自社だけで進めにくい場合の考え方
ChatGPTは会議メモの要約や整形など、議事録の下書き作成において業務効率化の助けとなりますが、安全に使うには入力制限や人間による最終確認ルールの徹底が不可欠です。情シス部門としては、標準プロンプトの共有や利用者教育、相談窓口の設置など、全社で定着させるための仕組みを整えることが重要となります。
自社だけでルールの策定や運用の定着、セキュリティ管理までを担うのが難しい場合は、専門的なノウハウを持つ外部ITアウトソーシングの活用も有効な手段です。
『FGLテクノソリューションズ』では、情シス部門の運用負担を軽減する社内システム運用管理サービスを提供しています。生成AI運用のルール整備やガイドライン作成をはじめ、従業員向けの操作レクチャー、日常的な問い合わせ対応(ヘルプデスク)まで一貫してサポートし、安全で効果的なDX推進を実現します。








