生成AIで何ができる? ビジネスでの活用方法と運用の注意点
近年、生成AIの技術が急速に発展しており、世界各国で注目を集めています。
生成AIは、既に社会で広く普及している従来のAIと比べて、より人間が得意とする創造的なアウトプットを得意としていることから、企業価値の向上が期待できる技術としてビジネスの分野での活用が期待されています。
情報システム部門や管理部門の担当者のなかには、「生成AIで具体的に何ができるのか」「生成AIをどのようにビジネスで活用できるのか」などと疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、生成AIの基礎知識やビジネスでの活用方法、運用の注意点について解説します。
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新しいコンテンツを生み出す“生成AI”
生成AIとは、事前に膨大なデータを学習して、ユーザーの指示に基づいた新たなコンテンツを生成できる人工知能の一種です。ジェネレーティブAI(Generative AI)ともいわれます。
従来のAIは、あらかじめ決められたデータの処理を自動化するのに対して、生成AIはデータのパターンと関係を学習して新たなコンテンツを生成できることが特徴です。
▼従来のAIと生成AIの比較
従来のAI |
生成AI |
|
|
生成AIがアウトプットできるコンテンツには、テキストや画像、動画、プログラミングコードなどがあります。
代表的な生成AIのサービスには、以下が挙げられます。
▼代表的な生成AI
サービス |
概要 |
ChatGPT |
OpenAIが開発した言語モデル“GPT3.5”をベースとしたチャットボット |
Bing AI |
Microsoftが提供する検索エンジンのBingに、OpenAIが開発した言語モデル“GPT-4”を組み込んだチャット機能 |
DALL・E2 |
OpenAIが開発した画像生成のAIツール |
生成AIをビジネスで活用する4つの方法
生成AIを活用すると、人が行ってきたコンテンツの生成にかかる時間を短縮して業務の効率化を図れるほか、新たなアイデアやアドバイスを得ることが可能です。
業務部門だけでなく、ITに関する管理業務を担う情報システム部門または管理部門での活用も期待できます。
①ビジネス文書を作成する
文章生成に対応した生成AIを活用すると、学習した膨大なテキストデータを活用して、ユーザーが入力したタスクの指示に応じた文書を自動で作成できます。
人がテキストを読み込んで要約したり、必要な情報を検索してから文字に起こしたりする時間を削減することが可能です。
▼活用例
- レポートを作成する際に膨大な文献を要約する
- 製品の資料やキーワードを基にプレゼンテーション資料を作成する
- 業務や製品に関するマニュアルを作成する
- 契約書の草案を作成する など
②販促やマーケティングに関するアイデアを得る
販促やマーケティングを行う際に生成AIを活用すると、目的・テーマに合った複数のアイデアを短時間で得られます。
マーケティング活動の効率化やクリエイティブな作業のアシスタントとして活用することが可能です。
▼活用例
- Webサイトに掲載する文章やブログの原案を作成する
- 商品・サービスのキャッチコピーを作成する
- ペルソナや企業ストーリーを作成する
- 広告のデザイン案を作成する など
③プログラム開発を効率化する
生成AIを活用して、プログラム開発における開発者の作業を効率化することも可能です。システムやソフトウェアの開発において基礎となる作業に生成AIを活用して、開発者による調整・修正を行うことで作業時間の短縮につながります。
▼活用例
- システム仕様書の作成や要約・検証を行う
- プログラムの仕様を入力して基礎となるコードを生成する
- 既存のプログラムを新たなシステムに移行する際に、コードを書き換える など
④ナレッジベースやヘルプデスクの運用を行う
ナレッジベースやヘルプデスクの運用に生成AIを活用できます。
生成AIには、人間の言葉を意味として理解する“自然言語処理”の技術があります。生成AIを社内のナレッジベースやヘルプデスクに活用することで、情報検索の正確性とスピードの向上を図れます。
また、情報システム部門または管理部門の担当者による問い合わせの個別対応を減らせるため、業務負担の軽減にもつながります。
▼活用例
- 従業員が持つ業務資料や報告書などを生成AIが読み込み、一定のフォーマットに揃えてナレッジベースに登録する
- ヘルプデスクの検索フォームに知りたいことを入力して、生成AIがデータベースのなかから対象の情報を表示する など
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ビジネスに生成AIを活用する際の注意点
ビジネスで生成AIを活用する際には、以下の注意点があります。
▼生成AIを活用する際の注意点
- 著作権を侵害するリスクがある
- 事実とは異なる内容が含まれている可能性がある
- 情報の根拠が分からないため信憑性に欠ける
- 情報漏えいが起こる可能性がある
生成AIでは、学習した情報を基にアウトプットを行います。学習元となるデータや文章などがコンテンツに反映されることによって、著作権を侵害する可能性があります。
また、コンテンツを生成する際の過程や根拠が不明のため、事実と異なる内容が含まれていたり、情報の出所が分からず信憑性に欠けたりする場合も考えられます。
生成AIに作業指示を行う際に、業務で使用する資料やデータを入力することによって、外部に情報漏えいが起きてしまうリスクも懸念されます。
生成されたコンテンツの正確性・信頼性を担保するために、根拠となる情報や著作権などを確認して、必要に応じて人の手による修正・補足を行うことが必要です。
情報システムまたは管理部門においては、生成AIを使用する業務の範囲や入力する情報についてのルールを定めて周知するとともに、利用する生成AIサービスの制限・管理を行うことが重要です。
まとめ
この記事では、生成AIについて以下の内容を解説しました。
- 生成AIの特徴と代表的なサービス
- 生成AIをビジネスで活用する4つの方法
- ビジネスに生成AIを活用する際の注意点
生成AIを活用すると、ユーザーの指示に基づいて文章や画像、プログラミングコードなどのコンテンツを新たに作成することが可能です。
ビジネス文書の作成をはじめ、販促・マーケティングに関するアイデアの考案、プログラム開発、ナレッジベース・ヘルプデスクの運用などに活用できます。
ただし、著作権の侵害や誤情報の使用、情報漏えいなどの問題につながるリスクがあります。業務に生成AIを活用する際は、情報システム部門または管理部門が使用上のルール策定やサービスの制限・管理を行うことが求められます。
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