
IT情報を収集する手段とは? 効率的に収集・活用するためには
情報システム(以下、情シス)部門では、社内のITインフラを安定稼働させるための保守管理に加えて、経営層の要請、現場の課題などを踏まえたうえでIT戦略を立てる重要な役割を担います。
ITを活用して業務プロセスや働き方の改善に取り組むには、日々更新される新たな知識を習得して知見を深めることが求められます。
情シス部門の担当者のなかには「ITに関する情報はどのように収集できるのか」「収集した情報を業務改善に活用するにはどうすればよいか」など気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、IT情報を収集する主な手段や情シス部門が効率的に収集・活用するポイントについて解説します。
目次[非表示]
- 1.IT情報を収集する手段
- 1.1.Webサイト
- 1.2.書籍・雑誌
- 1.3.勉強会・セミナー
- 1.4.情シス向けのコミュニティ
- 2.情シス部門がIT情報を効率的に収集・活用するポイント
- 2.1.①情報収集の目的を設定する
- 2.2.②ナレッジを蓄積できる仕組みを構築する
- 2.3.③IT情報を整理・精査してブラッシュアップする
- 3.まとめ
IT情報を収集する手段
近年、IT技術は目まぐるしく進化しており、あらゆる分野において新たなビジネスやサービスが次々と登場しています。
企業が新たな技術・知見を用いて、経営課題の解決やイノベーションの創出につなげるには、その手がかりとなる情報をこまめに収集することが重要です。
Webサイト
インターネット上のWebサイトでは、最新のIT情報に関するニュースや、IT分野に携わる事業者が掲載している記事などを閲覧できます。業界のトレンドや最新技術などを確認するのに役立ちます。
▼Webサイトの種類と特徴
種類 |
特徴 |
IT系ニュースサイト |
世界中の最先端技術に関する情報を迅速に収集できる |
IT系コミュニティサイト |
Webサイト内でIT分野に携わる人たちと相談や情報共有を行える |
IT系ブログサイト |
同じ業種・職種に携わる人の技術や情報を収集できる |
書籍・雑誌
IT業界や技術に関する書籍・雑誌は、最新の動向を調べたり、あるテーマを深掘りした詳細な知識を身につけたりする際に役立ちます。
▼書籍・雑誌の主なジャンル
- 国内・海外におけるIT技術の動向やニュースをまとめた雑誌
- ITに関する技術的な手順やノウハウをまとめたガイドブック
- 最先端技術をまとめた論文やレポート
- ITリテラシー・情報セキュリティに関する書籍 など
勉強会・セミナー
IT分野の勉強会・セミナーに参加して、IT業界や情シス業務に関する知識・ノウハウに関する情報を得る方法があります。
技術者や専門家の話を直接聞くことで、理解の促進につながると期待できます。また、勉強会・セミナーを通して情シス部門で働く担当者同士のコネクションを得られることも考えられます。
▼勉強会・セミナーのプログラム例
- 情報セキュリティの基礎・応用研修
- AIやIoTに関する最新技術の動向
- DX(※)の基礎研修
- システム開発の入門・実践教室
- 業務自動化やクラウド活用に関する研修
- IT関連の資格対策セミナー など
※デジタルトランスフォーメーションの略。デジタル技術やビッグデータを活用して、ビジネスモデルを変革させること。
情シス向けのコミュニティ
さまざまな企業における情シス部門の担当者を対象としたコミュニティに参加して、知識・ノウハウを共有し合う方法も有効です。
コミュニティサイトに登録して情報交換を行うほかにも、オフラインのイベントや交流会を定期的に実施しているコミュニティもあります。
情シス担当者が集まるコミュニティに参加すると、業務特有の悩みや課題について解決策のヒントを得られる可能性が期待できます。
なお、深めたい知識・ノウハウが明確な場合には、メーカーやSIベンダーが主催するセミナー・コミュニティに参加することもおすすめです。
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情シス部門がIT情報を効率的に収集・活用するポイント
情シス部門が対応する業務は多岐にわたるため、情報収集に充てられる時間は限られています。IT情報を効率よく収集して、情シス部門や社内全体で効果的に活用できる体制を整えることがポイントです。
①情報収集の目的を設定する
IT情報を収集する際は、「何のためにどのような情報を得たいのか」といった目的を明確にしておくことがポイントです。目的に応じた手段を選ぶことで、知りたい情報を効率的に収集できるようになります。
▼情報収集の目的と方法の例
目的 |
方法 |
知識の幅を広げる |
ニュースサイト、入門書・雑誌 など |
専門分野の知識を深める |
専門書、論文、勉強会・セミナー など |
自社課題を解決する |
IT全般のコミュニティサイト、情シス向けのコミュニティ など |
ただし、目的を絞りすぎると、収集する情報が限定的になってしまうことがあります。今までと違ったアプローチや発想を発見するためにも、目的に合った情報収集と並行して、興味がある分野の情報に触れることも重要です。
②ナレッジを蓄積できる仕組みを構築する
収集したIT情報を現場で有効活用するには、企業のナレッジとして蓄積できる仕組みを構築することが重要です。
情シス担当者が情報収集を行って終わるのではなく、情シス部門内や組織全体で共有・閲覧できるようにする必要があります。
▼ナレッジを蓄積する仕組み
- 収集したIT情報をまとめてマニュアルを作成する
- 社内FAQを作成してIT情報の登録・検索ができるようにする
- ナレッジ共有ツールを導入してIT情報を蓄積する など
社内FAQやナレッジ共有ツールを導入してIT情報を蓄積・共有できる仕組みをつくると、情シス担当者のスキルアップに役立てたり、ほかの部門からの問い合わせ対応を減らしたりすることも期待できます。
③IT情報を整理・精査してブラッシュアップする
Webサイトや勉強会、コミュニティなどで収集したIT情報は、整理・精査するとともに定期的にブラッシュアップすることがポイントです。
▼情報を整理・精査する方法
- 複数の情報源から収集して内容を分かりやすくまとめる
- 一次情報や発信日を確認・記録する
- 定期的にIT情報の棚卸と更新を行う など
情シス担当者が収集したIT情報を業務種別やジャンルに分けて整理しておくことで、ほかの担当者が検索・閲覧しやすくなります。
また、IT情報について「正確性や信頼性があるか」「最新のものか」などを複数の情報源や一次情報を確認したうえで精査を行い、信憑性のある情報のみを社内で蓄積・共有する必要があります。
さらに、IT情報は日々更新されています。定期的に収集したIT情報の棚卸を行い、最新の情報に更新したり、社内で必要としない情報を削除したりしてブラッシュアップすることも重要です。
まとめ
この記事では、IT情報の収集について以下の内容を解説しました。
- IT情報を収集する手段
- 情シス部門がIT情報を効率的に収集・活用するポイント
IT情報は、Webサイトや書籍・雑誌といったメディアを活用するほか、勉強会・セミナー、コミュニティへの参加などの方法で収集することが可能です。
情シス部門が収集したい知識・ノウハウや活用目的を明確にして、効率的に情報収集を行える手段を選ぶとともに、社内全体で活用できる仕組みを整えることがポイントです。また、社内に蓄積したIT情報は定期的に棚卸を行い、常にブラッシュアップしていくことも重要といえます。
情シス部門が日々の業務に追われており、「情報収集や現場での活用まで手が回らない」という場合には、ITアウトソーシング(業務代行)を活用することも一つの方法です。
『FGLテクノソリューションズ』の社内システム運用管理サービスでは、ITインフラの構築や保守運用、社内ヘルプデスク対応まで幅広いIT業務をサポートしております。情シス部門がコア業務に専念できる環境を整えることで、IT戦略のための情報収集やノウハウの蓄積に時間を充てられます。
詳しくは、こちらの資料をご確認ください。