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テレワーク中の業務を監視する手段とは。ツールを使用する際の注意点

近年、働き方改革や新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって、テレワークの普及が進みました。

しかし、テレワークにおいては従業員の業務状況を直接確認できないことから労務管理が難しく、従業員の業務が疎かになったり、隠れ残業が生じたりするリスクもあります。

企業の情報システム部門においては、このようなリスクを軽減するために、テレワーク中の作業監視を行いたいと要望されるケースがあります。

この記事では、テレワーク中における作業監視の目的や一般的な手段、作業監視ツールの利用について解説します。


なお、企業のITインフラに求められるセキュリティ対策についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

  企業のITインフラに求められるセキュリティ対策。5つの領域で取り組むことが重要 情シス部門や管理部門においては、安定かつ持続的なITインフラを運用するために、セキュリティ対策を徹底することが求められます。この記事では、セキュリティ対策の重要性や具体的な対策方法、セキュリティ対策を強化するポイントについて解説します。 株式会社FGLテクノソリューションズ


目次[非表示]

  1. 1.企業がテレワークを監視する目的
  2. 2.テレワーク中の業務を監視する一般的な手段
  3. 3.PCの情報を取得できる作業監視ツール
  4. 4.テレワーク中に作業監視ツールを使用する際の注意点
    1. 4.1.過度な監視は避ける
    2. 4.2.柔軟な働き方を妨げないようにする
    3. 4.3.プライバシーを守って運用する
    4. 4.4.セキュリティ対策を行う
  5. 5.まとめ


企業がテレワークを監視する目的

企業がテレワークを監視する目的としては、業務効率の維持や隠れ残業の抑制が挙げられます。


▼企業がテレワークを監視する目的

  • 作業に集中できる環境を構築して、業務効率の低下を防ぐ
  • 労働時間を正確に把握して、隠れ残業を抑制する など


テレワーク中の従業員は、周囲の目がないことから作業に集中できなくなることが懸念されます。企業側で監視を行うことで、従業員の緊張感を保ちやすくなり、業務効率の低下を防げると考えられます。

また、監視によって労働時間を正確に把握すると、従業員による隠れ残業を抑制できるようになります。これにより、労働時間に関する法令を遵守しやすくなるほか、長時間労働による従業員の心身への負担も軽減できます。



テレワーク中の業務を監視する一般的な手段

テレワーク中の業務を監視する一般的な手段として、勤怠システムの利用や定時連絡のルール化などがあります。Webカメラを活用する手法も有効です。


▼テレワークでの業務を監視する手段

  • 勤怠管理システムによる出勤・退勤時刻の管理
  • 日報提出や定時連絡に関するルールの整備
  • Webカメラを活用したログの記録による行動監視


Web上で勤怠管理を行えるシステムを導入すると、テレワーク中の従業員に正確な出退勤時刻を打刻してもらえるようになります。

また、タスクの進捗状況をメールやチャットなどで報告してもらうことで、一日の業務状況を確認できます。

さらに、Webカメラを活用してモニタの前から従業員が離れたタイミングでログが出力されるようにしておくと、従業員の在席・離席状況を把握することが可能です。



PCの情報を取得できる作業監視ツール

テレワーク中の業務を監視するには、専用の作業監視ツールを使用する方法もあります。

作業監視ツールを使用すると、テレワークに使用しているPCからログやアプリケーション(以下、アプリ)の利用状態などの情報をリアルタイムで取得することができ、従業員の作業状況が明確になります。


▼作業監視ツールで確認できる情報

取得できる情報
目的
起動ログ・操作ログ
PCの起動や操作のログを取得することで、業務外のことをしていないかを確認する
ブラウザのアクセス履歴
業務に関係ないWebサイトやセキュリティリスクのあるWebサイトへのアクセスがないかを確認する
画面キャプチャ
PCの画面を定期的に撮影して取得することで、在籍状況や作業内容を確認する
アプリの利用状態
業務に使用するアプリの起動や稼働状況を取得して、従業員の作業状況を把握する



テレワーク中に作業監視ツールを使用する際の注意点

作業監視ツールはテレワーク中の業務を正確に確認するために有効ですが、運用の仕方によっては従業員の負担になる可能性もあります。


過度な監視は避ける

作業監視ツールを用いる際は、過度な監視とならないようにすることが必要です。

過度な監視は、従業員のストレスになります。また、従業員に「会社から信頼されていない」と感じさせてしまい、信頼関係を悪化させる可能性もあります。

従業員のストレスや信頼関係の悪化は、業務における生産性の低下につながります。さらに、従業員が監視への対策を図ることで、かえって管理が行き届かなくなるリスクも考えられます。


柔軟な働き方を妨げないようにする

テレワークの監視においては、柔軟な働き方を妨げない監視方法の策定が重要です。

テレワークでは本来、育児・介護などを理由とした従業員の離職を、柔軟な働き方の実現によって防止する効果が期待できます。しかし、監視の方法次第では、一時退席による育児・介護への対応が難しくなってしまいます。

育児・介護を行う従業員にテレワークで仕事を続けてもらうには、監視でそれらを妨げないようにすることが欠かせません。


プライバシーを守って運用する

作業監視ツールを使用する際は、従業員のプライバシーへの配慮が必要です。

PCの監視は業務に必要と社会通念上で認められる範囲であれば問題ないものの、業務時間外の監視や個人情報の取得などはプライバシーの侵害となる場合があります。

また、Webカメラの情報から私室に関する感想を述べたり、Webカメラに私室をもっと映すように求めたりすることはハラスメントに当たると考えられます。


セキュリティ対策を行う

作業監視に限らずテレワーク全般において重要な課題として、セキュリティの安全性を確保することが挙げられます。

従業員の自宅のネットワークを使用する場合にはセキュリティ対策が十分でない可能性もあるため、強固な利用者認証や厳密なアクセス管理によってセキュリティを強化することが欠かせません。



まとめ

この記事では、テレワーク中の作業監視について以下の内容を解説しました。


  • 企業がテレワークを監視する目的
  • テレワーク中の業務を監視する一般的な手段
  • PCの情報を取得できる作業監視ツール
  • テレワーク中に作業監視ツールを使用する際の注意点


企業側でテレワークを監視することで、業務効率の維持や隠れ残業の抑制につながります。

テレワーク中の監視を行う手段としては、勤怠管理システムの活用や日報の提出、Webカメラの活用などがあります。また、PCから情報を直接取得できる作業監視ツールの導入も有効です。

テレワークの作業監視においては、過度な監視を避けて柔軟な働き方を阻害しないことや、従業員のプライバシーを侵害しないようにすることが重要です。また、セキュリティの安全性を確保することも欠かせません。

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山根 佐利
山根 佐利
1998年に入社し、インフラエンジニアとしてシステム導入から運用を担当しました。 2000年には社内情シス業務のアウトソーシングサービスを立ち上げ、現在はマーケティング兼プリセールスを担当し、サービス事業部と共に自社の社内情シス担当も兼務してノウハウを習得しています。

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