社内システムのID管理によくある課題と解決して効率化するための方法
近年、企業におけるクラウドサービスの活用が広がっており、業務の効率化や情報共有の円滑化に貢献しています。
その一方で、社内で管理するユーザーのID・パスワードの数が増えたことで、アカウント情報の管理不備が発生して、不正アクセスによる情報漏洩が起きたケースも見られています。
セキュリティ上の脅威から企業の情報資産を守るためには、ログイン時にユーザー認証をするための“ID管理”を適切に行う必要があります。しかし、情報システム部門(以下、情シス)や管理部門の担当者のなかには、以下のような課題を持つ方もいるのではないでしょうか。
「使用しているシステムやクラウドサービスが多く、ID管理業務に負担がかかる」「入退社や人事異動が多く、タイムリーなID管理ができていない」
この記事では、ID管理における課題を踏まえつつ、効率化するための方法について解説します。
目次[非表示]
- 1.ID管理でよくある課題
- 2.ID管理を効率的に行う方法
- 2.1.ID管理システムを導入する
- 2.2.ITアウトソーシング(業務代行)を活用する
- 3.まとめ
ID管理でよくある課題
ID管理を行うにあたっては、ユーザー側とID管理担当者(情シスや管理部門)の双方において、以下のような課題があります。
ユーザー側
ID管理におけるユーザー側の課題には、以下が挙げられます。
▼ユーザー側の課題
- アカウントが多く、ログインのたびに異なるIDを使い分ける必要がある
- サービスごとにID・パスワードが異なり、ログイン時に忘れてしまう
- 複数のサービスでパスワードを使いまわしている
サービスごとに異なるID・パスワードで管理している場合、ログイン時に使い分ける必要があります。また、ID・パスワードを忘れたり、複数回の入力ミスによってロックがかけられたりすると、パスワード変更やロック解除の申請が必要です。
ログインやパスワード変更などに時間がかかることで、作業が一時的にストップしてしまい、業務効率の低下につながりやすくなります。
ほかにも、パスワードをメモ書きや付箋で個別管理していると、紛失または盗み見によって不正ログインが行われるリスクもあります。
管理者側
管理者側の課題には、以下が挙げられます。
▼管理者側の課題
- 入退社や人事異動時のID登録・変更作業の負担が大きい
- 部門単位で使用しているサービスが多くID管理が煩雑になる
- 人の手による作業でミス・漏れが発生しやすい
- 内部監査への対応に負担がかかる
管理者は、入退社や人事異動のタイミングで、個々の従業員に合わせたID・パスワードの登録・権限変更・削除などを一斉に行う必要があります。利用するサービスや従業員数が多くなるほど、登録・変更作業に時間がかかり、管理者の負担が増えやすくなります。
また、人の手でID管理を行っている場合、タイムリーにアカウント情報を更新できないほか、退職者のアカウント削除が遅れる・漏れるといった問題につながりやすくなります。
定期的にサービスの内部監査が行われる場合には、一つひとつのアカウント情報を精査する必要があるため、時間・労力がかかってしまいます。ID管理を行う際は、特権管理(管理者権限)IDの管理が疎かにならないようにすることも求められます。
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ID管理を効率的に行う方法
情シスや管理部門がID管理を効率的に行うには、システムを導入したり、外部のリソースを活用したりすることがポイントです。
ID管理システムを導入する
ID管理の効率化を図るには、サービスごとに個別管理していたID情報を統合して、一元管理できるシステムを導入することが有効です。
これまで個別管理していたIDを一元管理して、手動で行っていた作業を自動化することで、アカウントの作成・変更・削除などの作業負担を軽減できます。また、ID管理の不備を防げるため、セキュリティリスクを低減できます。
また、ユーザー側では、パスワードの設定・変更やアクセス申請などを自身で行えるようになり、利便性が向上します。
ID管理システムによって機能は異なりますが、一般的な内容としては以下が挙げられます。
▼ID管理システムでできること
機能 |
できること |
ユーザー情報の一元管理 |
従業員名・入社日・役職・所属部署などを登録して一元管理できる |
アカウントの一元管理 |
各サービスのアカウントを個別に管理することなく、1つのシステム上でアカウント作成・変更・削除を行える |
パスワードの設定・変更の |
管理者への申請手続きをせずに、ユーザー自身でパスワードの設定・変更ができる |
アカウント管理の自動化 |
サービスにリストを追加すると、連携したサービスにもユーザー情報が自動反映されて、個別のアカウント管理が不要になる |
シングルサインオン(SSO) |
ユーザーがID・パスワードを一度入力すると、各種サービスにもログインできる状態になる |
管理者権限のIDの |
ユーザーが申請するたびに管理者権限IDが付与されるため、安全な運用ができる |
なお、クラウドサービスを利用している現場では、オンプレミスとクラウドの両方をまとめて管理できるシステムを導入する必要があります。
ITアウトソーシング(業務代行)を活用する
ID管理を効率化して、社内のリソース負担を減らすために、ITアウトソーシングを活用することも一つの方法です。
ID管理のワークフローを一本化することで、管理者の業務負担を軽減して、コア業務に注力できるようになります。また、アカウント作成・削除、権限付与などをタイムリーに行えるため、業務の停滞をなくせるほか、不正アクセスのリスクを防げます。
FGLテクノソリューションズでは、社内のID管理を代行する『社内システム運用管理サービス』を提供しております。ID管理に関するサービスでは、アクセス権限の設定変更やIDの削除などを代行いたします。
▼ID管理サービスの特徴
- ID管理に関する連絡窓口を当社に設けて、対応フローを一本化できる
- チームによるID管理の対応フローを構築して、一定品質を維持できる
- ID管理に関する業務を可視化して、システム改善や効率化に役立てられる
情シスや管理部門におけるID管理の負担を軽減するとともに、管理品質の確保、属人化の解消に貢献します。
詳しくは、こちらをご確認ください。
まとめ
この記事では、社内システムのID管理について以下の内容を解説しました。
- ID管理でよくある課題
- ID管理を効率的に行う方法
社内でさまざまなシステムを利用していると、ID管理が煩雑になり、担当者の業務負担が増加しやすくなるほか、セキュリティリスクにつながる可能性があります。
ID管理を効率化に行い、作業ミス・漏れを防ぐためには、ID管理システムを導入したり、ITアウトソーシングを活用したりする方法が有効です。
『FGLテクノソリューションズ』の社内システム運用管理サービスでは、入社・退職・人事異動の際に必要なIDの作成や削除、権限付与をタイムリーに実行します。
社内のさまざまなシステムに関するアカウントの作成・削除や、パスワードの初期化、ユーザーへのご案内などに広く対応しております。
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