キッティング代行サービスとは。選定ポイントと利用時の注意点
※2024年7月9日更新
企業の情報システム部門(以下、情シス)が対応する業務の一つに、キッティングがあります。
キッティングとは、社内で使用する複数台の新しいパソコンやスマートフォンなどの端末をすぐに使用できる状態にセットアップする作業のことです。従業員が円滑に業務を遂行できるように、利用を開始するまでにキッティングを完了させておく必要があります。
しかし、端末数が多くなるほど情シス部門の作業時間が増えてしまうほか、対応が属人化したり、人的ミスが発生したりする課題もあります。このようなキッティング業務の負担を削減するために有効なのが、キッティング代行サービスです。
この記事では、キッティング代行サービスを利用するメリット・デメリットや事業者の選ぶ際のポイント、注意点について解説します。
目次[非表示]
- 1.キッティング代行サービスとは
- 2.キッティング代行サービスを活用するメリット
- 2.1.➀情シス担当者の業務負担を削減できる
- 2.2.②設定ミス・漏れを防止できる
- 2.3.③従業員の待機時間を短縮できる
- 3.キッティング代行サービスを活用するデメリット
- 3.1.➀自社で対応するよりも費用がかかる
- 3.2.②スケジュールの管理・調整が必要になる
- 3.3.③キッティング業務が外部に依存してしまう
- 4.キッティング代行サービスの選定ポイント
- 4.1.①対応可能な端末の種類・台数
- 4.2.②作業内容の範囲
- 4.3.③作業拠点と対応エリア
- 4.4.④納品期間
- 4.5.⑤料金形態・プラン
- 5.キッティングの代行サービスを利用する際の注意点
- 6.まとめ
キッティング代行サービスとは
キッティング代行サービスとは、情シス部門や管理部門が行っていたキッティング業務を代わりに行ってくれるサービスです。
▼キッティング業務の例
- PCやタブレット、社用携帯の初期設定
- ソフトウェアのインストール
- アカウントの取得・設定
- セキュリティ設定
- ネットワーク設定
- 現地での設置・接続作業
- 管理シールの貼付 など
IT機器のベンダーサポートが切れるタイミングや、多くの従業員が同時に入社する時期などでは、新しい端末を付与するために数十台のキッティングが必要になるケースがあります。
キッティング代行サービスを活用することで、情シス部門の負担を削減できるほか、従業員がスムーズに業務を始められるようになります。
なお、キッティングの作業内容や手順については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
キッティング代行サービスを活用するメリット
キッティング代行サービスを活用すると、情シス担当者のリソースをほかの業務に充てられるほか、安定した品質で迅速にセットアップを行うことが可能です。
➀情シス担当者の業務負担を削減できる
情シス担当者が対応していたキッティング業務を外部に委託することにより、業務負担を削減できます。
キッティング代行サービスによっては、端末のセットアップだけでなくIT機器の調達や開梱、設置作業、ネットワークの接続設定などといった一連の業務を任せられる場合があります。
端末数が数十台に及ぶときでも、情シス担当者がキッティング業務に時間を割くことなく、ほかのコア業務に注力できるようになります。
②設定ミス・漏れを防止できる
端末の初期設定やネットワーク設定などのミス・漏れを防止できることも、キッティング代行サービスを活用するメリットの一つです。
少ない情シス担当者でキッティング業務を行う場合、端末数が多くなるほど作業が煩雑化して、設定のミスや漏れが発生しやすくなります。また、セキュリティ設定やほかのIT関連機器との接続設定などには専門的な知識・技術も求められます。
キッティング代行サービスを活用すれば、専門的かつ豊富な知識・技術を有するスタッフが作業を行ってくれるため、一定の品質を確保することが可能です。
③従業員の待機時間を短縮できる
キッティング代行サービスを活用すると、従業員の待機時間を短縮できるメリットがあります。
情シス部門でキッティング業務を行う場合には、担当者によって手順や工数が異なることから作業時間を要してしまうケースがあります。
キッティング代行サービスを行っている事業者であれば、専門的な知識・技術を持つスタッフや十分な作業場所が確保されているため、短期間で数十台のセットアップに対応してもらうことも可能です。
業務を開始するスケジュールを踏まえて事業者に依頼することで、従業員の待ち時間が発生することなくスムーズに着手できます。
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キッティング代行サービスを活用するデメリット
キッティング代行サービスを活用する際には、デメリットについても理解しておく必要があります。
➀自社で対応するよりも費用がかかる
キッティング代行サービスの利用には委託費用が発生します。
設定台数や依頼する業務の範囲、現地対応の要否などによって委託費用が異なるため、事業者に確認しておく必要があります。
また、自社で対応する場合と比較してどれくらいの費用対効果が期待できるかについても考慮しておくことが重要です。設定台数が多く情シス部門の負担が大きくコア業務に支障が出る場合には、外部に委託したほうがコストを抑えられる場合もあります。
②スケジュールの管理・調整が必要になる
新しい端末を利用する期日までにキッティングが完了するように、事業者との間でスケジュールの管理・調整を行う必要があります。
事業者によって一度に対応できる端末数や納品までの最短期間などが異なります。特に短期間で数十台の端末を一度に依頼する場合には、「いつまでにキッティングを完了する必要があるか」を明確にして、事業者とスケジュールを調整しておくことが重要です。
スケジュールを組む際には、現地での設置作業や動作検証なども含めて、不測の事態が発生した際にも対応できる期間を確保しておく必要があります。
③キッティング業務が外部に依存してしまう
キッティング業務をすべて依頼する場合には、社内に知識やノウハウが蓄積されなくなり、外部に運用が依存してしまうことがあります。
端末の故障によって緊急のキッティングが必要になった場合に、自社での対応が難しくなり業務の停滞を招く可能性が考えられます。
自社でキッティングを行える知識・技術の確保に取り組みながら、リソースの状況や設定台数に応じて外部への委託を検討することが必要です。
キッティング代行サービスの選定ポイント
キッティング代行サービスは、事業者によって依頼できる業務の内容や範囲、対応エリアなどが異なります。以下に挙げる5つの項目を確認して、自社の課題・ニーズに合った事業者を選ぶことがポイントです。
①対応可能な端末の種類・台数
キッティング代行サービスによって、対応できる端末の種類・台数は異なります。
社内に多種多様な端末がある場合や台数が多い場合には、依頼できないケースがあります。そのため、キッティングを依頼できる端末の種類・台数を確認したうえで、対応してもらえる代行サービスを選ぶことが重要です。
②作業内容の範囲
キッティングに関する業務内容は多岐にわたるため、どの範囲まで代行を依頼できるかを確認しておくことが重要です。
▼代行を依頼できる作業内容の例
- 開梱・通電
- OS・アプリケーションのインストール
- セキュリティ設
- 使用制限設定
- 機器設置
- ネットワーク設定・動作検証
- IT機器の購買代行、レンタル・リース対応
- アフターフォロー
- 在庫保管
- セキュリティパッチ(Windows Update)の最新化
- 旧パソコンからのデータ移行
- 旧パソコンの回収、廃棄 など
基本的な端末のセットアップに加えて、付帯作業やアフターフォローに対応してもらえる代行サービスを選ぶと情シス担当者と従業員の作業負担を削減できます。
サービスを選定する際は、特に端末の設定内容・インストール手順・オンサイト作業の可否・進捗確認方法・納品後の旧端末からの移行対応などに対応しているか確認することがポイントです。
③作業拠点と対応エリア
事業者の作業拠点と対応エリアを確認しておく必要があります。
キッティングの代行を依頼する際、事業者に端末・機器を受け渡して、キッティング後に納品してもらうことが一般的です。設置作業や動作検証まで依頼する場合には、企業が指定した場所に作業員を派遣してもらう必要があります。
代行サービスによって、作業拠点やエリアが限られている場合があるため、自社のエリアに対応している事業者を選ぶことが重要です。
④納品期間
キッティングした端末を迅速に納品してもらいたい場合には、短納期の代行サービスを選ぶことがポイントです。
急なセットアップや仕様変更が必要になる場合もあります。依頼台数別の納期を把握するとともに、支店ごとの分納・納期調整などを柔軟に対応してもらえるかどうかも確認しておくと安心です。
FGLテクノソリューションズでは、訪問ヒアリングから納品まで1~2ヶ月で対応いたします。お急ぎの場合は最短2営業日での納品も可能です。早急にキッティングが必要な方はお気軽にご相談ください。
⑤料金形態・プラン
キッティング代行サービスによって料金形態やプランは異なります。
不要なコスト負担をなくすために、依頼台数や作業内容に合わせて予算を調整してもらえる代行サービスを選ぶことがポイントです。また、選定する際は、複数の代行サービスとの費用比較を行うことも重要です。
弊社サービスでは、適切な環境を整備するために以下の流れで対応いたします。
▼キッティング代行サービスをご利用いただく流れ
- 訪問ヒアリング
- プランご提案見積もり
- テスト機器の確認
- キッティングクローニング
- 納品
キッティングの代行サービスを利用する際の注意点
キッティングを依頼するうえで、対応業務や納期など柔軟に対応してもらえるサービスかを事前に確認しておく必要があります。
品質チェックや急な仕様変更などが必要になるケースもあります。現場に管理者がいる、または機器の受入れから在庫保管、セットアップ、納品までを同一作業場で行っているサービスを選ぶと、柔軟に対応してもらいやすいです。
また、キッティングでは企業の機密情報が取り扱われるケースもあります。代行サービスを利用する際は、情報漏洩のトラブルを防ぐために、セキュリティ対策が適切に行われているかの確認も重要です。
確認するポイントには、以下が挙げられます。
▼確認するポイント
- 作業場所の監視体制が整備されている
- 情報の取り扱いルールや守秘義務が定められている
- 自社のセキュリティポリシーを満たしている
弊社では、セキュリティ対策としてISO27001(ISMS)を取得しており、規格に則った対策を施すことで情報セキュリティ対策・維持管理を実施しております。
まとめ
この記事では、キッティング代行サービスについて以下の内容を解説しました。
キッティング代行サービスの概要
キッティング代行サービスを活用するメリット・デメリット
キッティング代行サービスを選定するポイントと注意点
情シス部門で対応するキッティングにはさまざまな業務が発生するため、端末数が多くなるほど担当者の業務負担が増えたり、人的ミスが発生したりします。
キッティング代行サービスを活用すれば、IT機器のセットアップやそれに付帯する業務を委託することが可能です。情シス担当者の負担軽減や設定ミス・漏れの防止につながるほか、迅速な対応によってスムーズにIT機器を利用できるようになります。
ただし、事業者によって依頼できる端末の種類・台数・業務範囲・対応エリア・納品期間・料金形態などが異なるため、自社のニーズに合わせて選ぶことがポイントです。
『FGLテクノソリューションズ』の社内システム運用管理サービスでは、クライアント端末から基幹系機器まで幅広いキッティング代行に対応しております。最短2営業日の納品や現地対応、付帯作業のサポートまで行っていることが特徴です。
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