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BPOとアウトソーシングとの違いとは。情シス部門が活用する際の選び方

情報システム(以下、情シス)部門では、ITインフラの構築やシステムの運用保守、セキュリティ管理などのさまざまな業務に対応する必要があります。

多くの企業でIT人材の不足が見られる今、「社内の情シス部門だけでは業務負担が大きい」「人手が不足しており、コア業務まで手が回らない」などの課題を持つ現場も少なくありません。

外部のリソースを活用して情シス部門の業務を委託する方法に、“BPO(Business Process Outsourcing)”と“アウトソーシング”の2つがあります。

BPOもアウトソーシングに含まれるため、同じ解決方法に見えますが、比較してみると違いがあります。外部委託を検討する際に、この違いを理解していると業者選定に役立ちます。

この記事では、BPOとアウトソーシングの違いや、情シス部門がこれらのサービスを利用する際の選び方について解説します。


目次[非表示]

  1. 1.BPOとアウトソーシングの違いとは
    1. 1.1.①委託する目的
    2. 1.2.②委託範囲
    3. 1.3.③委託期間
    4. 1.4.④業務の専門性
    5. 1.5.⑤委託費用
  2. 2.BPOと混同されやすい用語
  3. 3.情シス部門がBPOやITアウトソーシングを活用する際の選び方
    1. 3.1.BPOが適しているケース
    2. 3.2.ITアウトソーシングが適しているケース
  4. 4.まとめ


BPOとアウトソーシングの違いとは

BPOとアウトソーシングは、自社の業務を外部に委託するという点で同じ意味を指しますが、目的や委託範囲、委託期間、業務の専門性、費用に違いがあります。


①委託する目的

BPOとアウトソーシングでは、委託する目的に違いがあります。


▼委託する目的の違い

BPO
アウトソーシング
業務改善による経営課題の解決
人手不足の解消、スキルの獲得


業務プロセス全体を一括で委託するBPOでは、経営戦略・IT戦略を踏まえたうえで、現場の課題解決を図ることを目的としています。

一方、一部の業務を委託するアウトソーシングは、外部のリソースで業務を遂行して、コア業務に注力できる体制を整える目的で活用されることが一般的です。


②委託範囲

BPOは、幅広い業務を一括で委託するのに対して、アウトソーシングでは一部の業務を委託することが一般的です。


▼委託範囲の違い

BPO
アウトソーシング
業務プロセスの全体を委託する
業務単位で委託する

※企業によっては幅広く委託できる


例えば、情シス部門においては、システム運用管理に関わる一連の業務を一括で依頼することをBPO、端末のキッティング作業のみを委託することをアウトソーシングと切り分けられます。


③委託期間

外部の事業者に委託する期間については、アウトソーシングよりもBPOのほうが長くなりやすいといわれています。


▼委託期間の違い

BPO
アウトソーシング
中長期間(継続的な活用)
短期間~中長期間


BPOは、業務プロセスの全体を外部の事業者に委託することから、中長期間にわたる継続的な利用が想定されます。

これに対してアウトソーシングは、一時的に人員補充が必要な場合や、特定の時期に発生する業務のみを委託する場合などに活用されることがあります。ただし、企業によっては業務全体を委託できる場合もあるため、その際は中長期間になります。


④業務の専門性

委託する業務の専門性は、BPOのほうが高くなりやすいといえます。例えば、情シス部門が対応する業務においては、以下の違いがあります。


▼業務の専門性に関する違い

BPO
アウトソーシング
業務改善ありきの業務を受託する
現状の手順を引き継いで受託する


BPOでは、経営戦略の実現や課題の解決を図ることを目的とするため、幅広く専門性の高い情シス業務を委託できます。

一方のアウトソーシングは、現場の負担を削減することを目的としており、委託できる情シス業務は基本的な内容のみにとどまる場合もあります。


⑤委託費用

BPOとアウトソーシングでは委託にかかる費用にも違いがあります。BPOは業務範囲が広く、委託期間が中長期間になりやすいため、アウトソーシングに比べて費用が高くなりやすいといえます。


▼委託費用の違い

違い

BPO

アウトソーシング

料金体系

  • 月額制
  • 成功報酬制
  • ハイブリット(月額+成功報酬)制
  • 月額制

費用

数十万円程度(月額制)

数万~数十万程度


BPOでは、月額制、成功報酬制、ハイブリット制などで掲載されます。一方アウトソーシングの場合は、月額制が基本で、なかにはPC1台あたり数千円で計算されることもあります。

費用対効果がどのくらい得られるか分からないため、不安な場合は一部の業務をアウトソーシングして様子を見るのも一つの方法です。

※費用は目安です。業務範囲や時間、PCの台数などによって変動します。



BPOと混同されやすい用語

情シス部門が業務の改善を図るうえで、BPOとよく混同されやすい用語があります。どのような意味があるのか理解しておくことが重要です。


▼BPOと混同されやすい用語

用語
意味
BPR(Business Process Re-engineering)
業務プロセスや手法をゼロから見直して業務改革を図ること
RPA(Robotic Process Automation)
手動で行っていた作業をプログラムの活用によって自動化すること
ITO(Information Technology Outsourcing)
ITに関する業務を外部に委託すること


上記のうちITOは、IT分野に特化したアウトソーシングを指します。情シス部門において、サーバ・システムの運用保守やセキュリティ管理、IT資産管理などを外部に委託する場合には、ITO(ITアウトソーシング)を活用できます。



情シス部門がBPOやITアウトソーシングを活用する際の選び方

情シス部門がBPOやITアウトソーシングを活用する際は、自社の目的と課題に合わせてサービスを選ぶことがポイントです。


BPOが適しているケース

BPOは、幅広く専門的な情シス業務を一括で委託できるため、自社のみでIT人材の確保・育成が難しい場合でもリソースを補うことが可能です。また、ITそのものだけではなく、ITの手段の一つとして考えて業務改善・業務改革を進めていく場合にも活用できます。

ただし、運用を外部に依存しやすくなることから、自社で新たに運用体制を構築する必要が生じた際には、IT人材の確保に労力・費用がかかる可能性があります。


▼BPOが適しているケース

  • 専門的なIT知識・技術を取り入れたい
  • 情シス業務の大部分を委託して運用の安定化につなげたい
  • IT人材の採用・育成にかける労力・費用を抑えたい など


ITアウトソーシングが適しているケース

ITアウトソーシングでは、情シス部門の運用体制を大きく変更せずに、自社のニーズに応じて柔軟に業務を委託することや、自社の不足しているリソース・知識・経験などを補完することが可能です。

ただし、特定の業務が属人化してしまったり、業務プロセス間で委託先との連携が複雑になったりして、全体像を把握しにくくなる可能性があります。


▼ITアウトソーシングが適しているケース

  • 負担の大きい業務のみを委託して、コア業務に注力したい
  • 短期的・一時的な業務量の増加に対応したい
  • 委託したい業務の範囲・内容が明確になっている など


ITアウトソーシングを導入するポイントは、こちらの記事で解説しています。

  情報システム(情シス)部門の業務をITアウトソーシング(業務代行)する方法と依頼する際のポイント 情報システム部門が対応する業務範囲は日々拡大しており、運用の負担が増加しています。また、中小企業・小規模事業者では、ひとりまたは兼任で情シス部門の業務に対応するケースもあります。今回は、情シス部門の業務をITアウトソーシングする方法や依頼できる業務、メリットなどを解説します。 株式会社FGLテクノソリューションズ



まとめ

この記事では、BPOとアウトソーシングについて以下の内容を解説しました。


  • BPOとアウトソーシングの違い
  • BPOと混同されやすい用語
  • 情シス部門がBPOやアウトソーシングを活用する際の選び方


BPOは、専門的で幅広い業務をプロセス全体で一括委託できるため、業務改善を通して経営課題の解決を図りたい場合におすすめです。一方のアウトソーシングは、特定の業務を部分的に委託できることから、現場のリソースを補填したい場合に適しています。

それぞれのサービスによって適した活用方法が異なるため、情シス部門の現状課題や委託目的に合わせて選ぶことがポイントです。

FGLテクノソリューションズ』の社内システム運用管理サービスでは、情シス業務の外部委託によるアウトソーシングが可能です。アウトソーシングサービスでありながら、専任のITコンシェルジュによる課題解決やノウハウを活かした業務改善の提案など、BPOの側面も備えています。アウトソーシングとBPOの魅力を兼ね備えた『社内システム運用管理サービス』です。貴社の規模や状況に応じて必要なサービスを提供いたします。ヘルプデスクからインフラ構築、障害対応まであらゆる情シス業務を丸ごと委託できるため、お気軽にご相談ください。

業務負担の大きさに悩まれている情シスご担当者さまは、こちらの資料も併せてご確認ください。

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山根 佐利
山根 佐利
1998年に入社し、インフラエンジニアとしてシステム導入から運用を担当しました。 2000年には社内情シス業務のアウトソーシングサービスを立ち上げ、現在はマーケティング兼プリセールスを担当し、サービス事業部と共に自社の社内情シス担当も兼務してノウハウを習得しています。

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