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クラウド構築に関する基礎知識! 導入前に押さえておきたい手順と注意点

クラウド構築とは、業務で使用するアプリケーションや基幹システムなどをクラウド上に構築することです。

企業における業務のデジタル化が推進されるなか、クラウドサービスを利用している企業の割合は上昇傾向が続いています。総務省の『令和5年通信利用動向調査の結果』によると、約8割の企業がクラウドサービスを利用しているとされます。


▼クラウドサービスの利用状況

クラウドサービスの利用状況

画像引用元:総務省『令和5年通信利用動向調査の結果


情報システム部門や総務部門の担当者のなかには、「クラウド構築の手順を知りたい」「自社にクラウドサービスを導入する際に注意することはあるか」などと気になる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、クラウド構築について、実装モデルやサービスの種類、手順、注意点を解説します。

出典:総務省『令和5年通信利用動向調査の結果



目次[非表示]

  1. 1.クラウドの実装モデル
  2. 2.クラウドサービスの種類
  3. 3.クラウド構築の手順
    1. 3.1.①ネットワーク構成図を作成する
    2. 3.2.②リソースを作成・設定する
    3. 3.3.③クラウドサーバを起動する
  4. 4.クラウド構築時の注意点
    1. 4.1.責任共有モデルを理解する
    2. 4.2.支払い方式について理解する
  5. 5.まとめ


クラウドの実装モデル

クラウドには、複数の実装モデルがあります。主な実装モデルは以下のとおりです。


▼クラウドの主な実装モデル

実装モデル
概要
プライベートクラウド
特定のユーザーのみが利用できるクラウド
パブリッククラウド
不特定多数のユーザーに分割して提供されるクラウド
ハイブリッドクラウド
プライベートクラウドとパブリッククラウドを組み合わせた利用形態


プライベートクラウドでは、一つのクラウドサーバを一つの企業で占有して運用します。この際、自社サーバにクラウドを構築・運用するケースと、サービス事業者からクラウドサーバの提供を受けるケースがあります。

パブリッククラウドの場合は、サービス事業者が提供するクラウドサーバを不特定多数のユーザーが利用します。

また、プライベートクラウドとパブリッククラウドを用途に応じて使い分ける利用形態は、ハイブリットクラウドと呼ばれます。



クラウドサービスの種類

サービス事業者が提供するクラウドサービスは、以下の3種類に分けられます。


▼クラウドサービスの種類

種類
概要
SaaS
インターネット上で利用できるアプリケーションを提供するサービス
PaaS
アプリケーションの開発・実行のためのプラットフォームを提供するサービス
IaaS
サーバやネットワークなどのITインフラ基盤を提供するサービス


種類によって使用目的が異なるため、自社のニーズに合ったクラウドサービスを選ぶ必要があります。



クラウド構築の手順

クラウド構築を行う際は、ネットワーク構成図を作成したうえで、必要なリソースを作成・設定してクラウドサーバを起動します。


①ネットワーク構成図を作成する

ネットワーク構成図とは、ネットワークを構成する各要素の関係性を示した図のことで、物理構成図と論理構成図の2種類があります。


▼ネットワーク構成図の種類

種類
概要
物理構成図
端末・通信機器・ケーブルなどの配置を図式化したもの
論理構成図
目に見えない情報通信の経路を図式化したもの


ネットワーク構成図を作成すると、現状におけるITインフラ環境の全体像を把握できます。これにより、クラウドに必要なリソースを見積もりやすくなります。


②リソースを作成・設定する

ネットワーク構成図を基に自社に必要なリソースを確認したうえで、リソースの作成・設定を行います。

リソースの作成・設定を行う方法はサービスによって異なりますが、Web上のコントロールパネルから設定する方法が一般的です。


③クラウドサーバを起動する

リソースの作成・設定が完了したら、クラウドサーバにログインして起動します。

稼働状況を確認して、問題がなければ基幹システムやアプリケーションをクラウド上に移行します。

なお、社内システムをクラウド化するケースについてはこちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。

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クラウド構築時の注意点

クラウド構築を行う際は、責任共有モデルや支払い方式への理解が必要です。


責任共有モデルを理解する

クラウド構築時には、責任共有モデルへの理解が欠かせません。責任共有モデルとは、クラウドサービスにおける利用者とサービス事業者が運用責任を共有しているという考え方です。

利用者が責任を負う範囲についてはサービス事業者側では保証を行わないため、自社でバックアップやセキュリティ対策などを行う必要があります。

基本的な責任共有モデルの例は以下のとおりです。


▼責任共有モデルの例

責任共有モデルの例

画像引用元:内閣サイバーセキュリティセンター『クラウドを利用したシステム運用に関するガイダンス(詳細版)


ただし、責任共有モデルは事業者やサービスによって異なるため、自社が利用するサービスの責任共有モデルを把握しておくことが重要です。

なお、クラウドサービスのセキュリティ対策についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

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出典:内閣サイバーセキュリティセンター『クラウドを利用したシステム運用に関するガイダンス(詳細版)


支払い方式について理解する

海外のサービス事業者を利用する場合、支払いをどの通貨で支払う方式になっているかに注意する必要があります。

海外の通貨で支払う場合は為替相場の影響を受けるため、予期しないコストの高騰が起こるリスクも懸念されます。




まとめ

この記事では、クラウド構築について以下の内容を解説しました。


  • クラウドの実装モデル
  • クラウドサービスの種類
  • クラウド構築の手順
  • クラウド構築時の注意点


クラウドには、実装モデルやサービス内容によってさまざまな種類があります。クラウド構築を行う際は、ネットワーク構成図を作成したうえで、必要なリソースを洗い出すことで円滑に作業を進められます。

また、クラウド構築時には、責任共有モデルや支払い方式について理解しておくことが欠かせません。

FGLテクノソリューションズ』の社内システム運用管理サービスでは、クラウドサービスの選定やIT環境の構築、アカウントの管理などのさまざまな業務をサポートしています。オンプレミス環境からクラウド環境への移行もお任せください。

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山根 佐利
山根 佐利
1998年に入社し、インフラエンジニアとしてシステム導入から運用を担当しました。 2000年には社内情シス業務のアウトソーシングサービスを立ち上げ、現在はマーケティング兼プリセールスを担当し、サービス事業部と共に自社の社内情シス担当も兼務してノウハウを習得しています。

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