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情報システム(情シス)部門の業務をITアウトソーシング(業務代行)する方法と依頼する際のポイント

※2024年3月27日更新

DX(Digital Transformation:デジタル・トランスフォーメーション)の推進やニューノーマルな働き方への対応など、情報システム(以下、情シス)部門が対応する業務範囲は拡大しており、運用の負担が増加しています。

また、中小企業や小規模事業者の場合、「情シス部門に人材を投入する余裕がない」「採用コストをかけられない」といった理由から、ひとりまたは兼任で情シス部門の業務に対応している職場もあります。

このような悩みを解決する方法の一つに、ITアウトソーシング(業務代行)の活用が挙げられます。

企業のIT関連業務に携わる管理者のなかには、「専門性の高いIT人材を確保したい」「情シス部門における業務の負担を軽減したい」とお考えの方もいるのではないでしょうか。

この記事では、情シス部門の業務をITアウトソーシングする方法や依頼できる業務、メリット、依頼する際のポイントなどについて解説します。

なお、情シス部門における専任の担当者がいない場合の対応については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。

目次[非表示]

  1. 1.情シス部門の業務をITアウトソーシングする2つの方法
    1. 1.1.①エンジニアの常駐
    2. 1.2.②外部への業務委託
  2. 2.ITアウトソーシングできる主な業務
    1. 2.1.IT資産管理
    2. 2.2.システム運用・保守管理
    3. 2.3.社内ヘルプデスク
    4. 2.4.ITインフラ構築
    5. 2.5.キッティング
    6. 2.6.システムのID管理
  3. 3.情シス部門の業務をITアウトソーシングする5つのメリット
    1. 3.1.業務負担の軽減
    2. 3.2.属人化の防止
    3. 3.3.人材不足の解消
    4. 3.4.採用コストの削減
  4. 4.ITアウトソーシングを依頼する事業者の選び方
  5. 5.ITアウトソーシングを依頼する際のポイント
    1. 5.1.①業務を棚卸して現状課題を把握する
    2. 5.2.②情報セキュリティポリシーを策定する
    3. 5.3.③ITアウトソーシング事業者と情報共有を行う
  6. 6.まとめ

情シス部門の業務をITアウトソーシングする2つの方法

情シス部門の業務をITアウトソーシングする方法は、エンジニアの常駐と外部への業務委託の大きく2つに分けられます。

①エンジニアの常駐

1つ目は、エンジニアの常駐支援サービスを活用して、自社のオフィスで情シス部門の業務を行ってもらう方法です。

現場に常駐して対応してもらえるため、実態に沿った業務支援が受けられることが特徴です。システム障害やセキュリティ上のトラブルなどに迅速に対応できるほか、機密情報の持ち出しリスクを防げます。

外部では対応できない業務がある場合や、社内で業務スペースを確保できる場合などに適しています。

なお、エンジニアの常駐支援サービスには、情シス部門における業務の代行だけでなく、運用体制の改善やシステム導入設計などのコンサルタントとしての役割を担うものもあります。

②外部への業務委託

2つ目は、社内で対応していた情シス部門の業務を外部のサービス事業者に委託する方法です。業務の一部を委託する形態と、一括委託するフルアウトソーシングの形態があります。

外部への業務委託は、社内のリソース状況に応じて委託する業務を選択できるため、柔軟な予算調整を行えることが特徴です。定型業務や負担が大きい業務を委託することで、情シス部門の担当者がコア業務に注力できるようになります。

現場での対応が不要な業務や、「社内の業務スペースを確保できない」「業務の重要度に応じてリソースを振り分けたい」といった場合に適しています。

ITアウトソーシングできる主な業務

ITアウトソーシングできる業務の内容は、サービス事業者によって異なります。情シス部門が委託できる業務の対象には、主に以下が挙げられます。

IT資産管理

IT資産管理とは、企業が保有するIT資産の状況を把握して管理することです。対象となるIT資産には、ハードディスクやソフトウェア、ライセンスなどが含まれます。

▼IT資産管理の領域と対象

領域

対象

ハードウェア

パソコン
スマートフォン
サーバ
USBメモリ
プリンター
スキャナー など

ソフトウェア

アプリケーションソフトウェア
OS

ライセンス

ソフトウェアを使用する権利

クラウドサービスの活用やテレワークの導入が広がるなか、企業が管理するIT資産の数・範囲は広がっています。ライセンス管理やセキュリティ対策、コスト管理などを適正に行うためにはITアウトソーシングの活用が有効です。

なお、IT資産管理についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

システム運用・保守管理

システム運用・保守管理とは、社内のシステムが不具合やトラブルによって停止・故障しないように稼働状況を管理したり、障害対応を行ったりすることです。

▼システム運用・保守管理の例

  • 稼働状況やスケジュールを踏まえた点検とメンテナンスの実施
  • アクセス状況やセキュリティリスクなどの監視
  • システム障害が発生した場合の復旧対応 など

システム運用・保守管理の領域は広く、専門的な知識・技術が求められます。対応できるIT人材を社内で確保するのが難しい場合は、ITアウトソーシングを活用することが有効です。

なお、システム運用管理や障害対応のフローについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

社内ヘルプデスク

社内ヘルプデスクとは、ITに関する社内の問い合わせに対応する業務のことです。

▼社内ヘルプデスクの主な業務内容

  • ITシステムやIT機器の操作に関する問い合わせ対応
  • ITシステムやIT機器の利用に関するマニュアルの作成
  • システムエラーやIT機器の不具合への復旧対応 など

社内ヘルプデスクをITアウトソーシングすると、情シス部門や管理部門の担当者がコア業務に注力しやすくなることが期待できます。

社内ヘルプデスクについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

ITインフラ構築

ITインフラ構築とは、事業活動や業務に必要なIT基盤を整備して運用することです。自社に必要なIT基盤の要件を定めたうえで、サーバやネットワーク、ハードウェアなどの設計・構築を行います。

▼ITインフラ構築の領域

ITインフラの種類


領域

サーバ

認証サーバ
ファイルサーバ
メールサーバ
Webサーバ
アプリケーションサーバ

ネットワーク
社内LAN(有線・無線)
拠点間ネットワーク
顧客間のネットワーク
ハードウェア
サーバ
パソコン
ルーター
ネットワーク関連機器
スマートフォン
プリンター

ソフトウェア

OS
アプリケーション
データベース

ITインフラは業務を継続するために欠かせない土台となることから、システム障害やセキュリティ上のインシデントを防ぐ対策が求められます。

ITアウトソーシングを活用することで、自社の事業環境とリスクを踏まえたうえで安定かつ快適に業務を行えるネットワーク構成やシステムの選定などを依頼できます。

なお、社内インフラの構築についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

キッティング

キッティングは、社内で使用するパソコンやスマートフォン、IT関連機器などを使用できる状態にセットアップする業務のことです。

▼キッティングの主な業務内容

  • パソコンやスマートフォン、ネットワーク接続の初期設定
  • 業務アプリケーションのインストール
  • IT機器の設置・動作検証
  • OSのインストールや移行作業 など

業務に使用する端末数が多い場合や、リース切れのタイミングで大量の入替えが発生する場合には、キッティング作業の負担が増加しやすくなります。

ITアウトソーシングを活用すると、情シス部門の担当者への業務負担を削減できるほか、従業員の個別設定によるトラブルを防げます。

ITアウトソーシング事業者によっては、IT機器の調達やリース対応、端末の在庫管理なども含めて委託できる場合もあります。

キッティングの作業内容や手順などについては、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

システムのID管理

ID管理は、社内システムにログインする際のユーザー認証に必要なアカウント情報やアクセス権限を管理する業務です。

▼ID管理の主な業務内容

  • 入退職や人事異動に伴うアカウントの作成・削除
  • パスワードの付与や初期化
  • 職種や役職などに応じたアカウントの権限設定 など

利用しているシステム・サービスの数が多かったり、入退社・人事異動などが頻繁に発生したりする職場の場合、従業員のID管理が煩雑になることがあります。

ITアウトソーシングを行うとID管理のワークフローを一本化できるほか、タイムリーな設定変更・削除によってセキュリティリスクを防止することが可能です。

なお、社内システムのID管理についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

情シス部門の業務をITアウトソーシングする5つのメリット

ITアウトソーシングを活用することで、情シス部門の担当者への業務負担を軽減できるほか、ITに関する運用管理を円滑に行えるようになります。

業務負担の軽減

情シス部門が対応していた業務の一部を外部に委託することで、情シス部門の担当者への業務負担を軽減できます。

情シス部門では、IT資産管理やシステム運用・管理、社内ヘルプデスクなどのさまざまな業務に対応します。ひとりもしくは少人数で運用している場合、担当者の業務負担が増えて長時間労働につながったり、システム運用管理を円滑に行えず業務に支障をきたしたりする可能性があります。

ITアウトソーシングを利用すると、負担の大きい業務やノンコア業務を委託できるため、情シス部門の担当者はより重要なコア業務に専念することが可能です。

属人化の防止

ITアウトソーシングを行うと、情シス部門における業務の属人化を防止できます。

情シス部門の業務には、ITやセキュリティに関する専門的な知識・技術が必要です。社内で情シス部門の業務に対応できる従業員が限られており、特定の担当者に任せている場合には、業務が属人化しやすくなる課題があります。

属人化していると、情シス部門の担当者が不在または退職した際に対応できる人物がいなくなり、システムの運用管理やトラブル対応が行えなくなるリスクがあります。

ITアウトソーシングを活用すれば、特定の担当者に依存した運用をなくして業務の継続性を確保できるほか、業務内容やフローが共有されることで全容を把握しやすくなります。

人材不足の解消

情シス部門の人手不足を解消できることも、ITアウトソーシングを活用するメリットの一つです。
近年、多くの企業でIT人材が量・質ともに不足しており、今後もIT人材の不足数が拡大していくと見込まれています。情シス部門の業務に対応できる専門的な知識・技術を持つIT人材を自社で確保・育成できない企業も少なくありません。

ITアウトソーシングを活用すれば、ITや情報セキュリティなどの専門的な知識・技術、ノウハウを持った人材を補填して情シス部門の人手不足を解消できます。

採用コストの削減

情シス部門の業務をITアウトソーシングすると、採用コストの削減を図れます。

情シス部門の担当者を増員するためにIT人材を新たに採用するとなると、求人募集や選考、入社後の教育・研修などに労力とコストがかかります。

また、IT人材が不足している状況においては人材獲得競争も激しくなりやすく、広告費をかけて募集をしても自社が求める人材を採用できない可能性もあります。

ITアウトソーシングを活用して情シス部門の業務を委託すれば、自社で新たに人材採用や育成を行う必要がなくなりコストの削減につながります。

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ITアウトソーシングを依頼する事業者の選び方

ITアウトソーシングでは、委託する形態や事業者によって業務内容・運用方法が異なります。自社に合ったITアウトソーシング事業者を選ぶために確認しておく項目には、以下が挙げられます。

▼ITアウトソーシング事業者を選ぶ際に確認すること

  • 依頼できる業務の範囲・サービス内容
  • 過去の受託実績

ITアウトソーシングで委託できる分野は、主に運用管理・キッティング・ヘルプデスクの3つに分けられます。

委託する目的や業務内容に応じて、その分野を得意または専門とする事業者に依頼することが重要です。また、過去の受託実績を調べて、企業の規模・業種・業務内容などの実績を確認しておくことも欠かせません。

ITアウトソーシングを依頼する際のポイント

ITアウトソーシングを活用する際は、委託する業務内容と範囲を明確にするとともに、情報セキュリティのリスクを踏まえた対策、自社へのノウハウ蓄積についても考慮する必要があります。

①業務を棚卸して現状課題を把握する

ITアウトソーシングを依頼する前に自社の情シス部門における業務を棚卸して、現状課題を把握する必要があります。現状の情シス部門の業務に関する課題を洗い出すことで、ITアウトソーシングを依頼する業務内容や範囲を明確にできます。

▼情シス部門の業務における課題の例

  • 担当者の業務負担が大きく長時間労働が発生している
  • 特定の担当者に業務を任せており、属人化している
  • 業務に必要な知識・技術が自社に不足している

ITアウトソーシングのサービスによって対応できる業務の範囲は異なるため、自社のリソースや運用上の課題を踏まえて“何の業務をどこまで委託するか”を整理しておくことがポイントです。

②情報セキュリティポリシーを策定する

情報セキュリティポリシーを策定することも、情シス部門の業務をITアウトソーシングする際に欠かせない取り組みの一つです。情報セキュリティポリシーとは、企業・組織が実施する情報セキュリティ対策の方針・行動指針をまとめた規定のことです。

業務委託の形態で情シス部門の業務をITアウトソーシングするには、自社が保有する情報資産の一部を開示する必要があります。事業者側での情報漏えいを防ぐために、情報セキュリティポリシーを策定して、事業者のセキュリティ方針と合致しているかどうか確認することが重要です。

▼情報セキュリティポリシーを策定する際のポイント

  • 情シス部門の業務に必要な情報資産を洗い出して、リスクを確認する
  • 重要度別に情報資産を分類して、外部委託するかどうかを検討する
  • 情シス部門における業務の運用体制や作業手順などのルールを決める

なお、トラブルが起きた場合に備えて、個人情報漏えいに関する保険に加入している事業者を選ぶと、企業が被った損害の補償を受けられます。

出典:総務省『情報セキュリティポリシーの策定

③ITアウトソーシング事業者と情報共有を行う

ITアウトソーシングを依頼する際は、丸投げせずに事業者と情報共有を行うことがポイントです。

情シス部門の業務を事業者に任せきりにしてしまうと、社内にナレッジやノウハウが蓄積されなくなります。その結果、社内でのIT人材育成が進まなくなったり、現状課題が埋もれてしまい改善を図れなくなったりする可能性があります。

定期的な情報共有を行い「どのようなトラブルがあったのか」「どのような方法・フローで対応したのか」などを把握しておくことが重要です。

まとめ

この記事では、ITアウトソーシングについて以下の内容を解説しました。

  • 情シス部門の業務をITアウトソーシングする2つの方法
  • ITアウトソーシングできる主な業務
  • 情シス部門の業務をITアウトソーシングする5つのメリット
  • ITアウトソーシングを依頼する事業者の選び方
  • ITアウトソーシングを依頼する際のポイント

ITアウトソーシングを活用すると、情シス部門の担当者への業務負担を軽減できるほか、属人化の防止や人材不足の解消、採用コストの削減などのさまざまなメリットが期待できます。

ただし、委託できる業務や運用体制、サービスの内容などは事業者によって異なります。自社の目的や業務課題を踏まえて、委託する業務の内容と範囲を明確にする必要があります。

また、情報セキュリティポリシーを策定して情報漏えいの対策を行うこと、定期的な情報共有を行って自社にナレッジやノウハウが構築できる仕組みを構築することも重要です。

FGLテクノソリューションズ』の社内システム運用管理サービスでは、ITインフラの運用管理に関するさまざまな業務をサポートしています。システムの構築や保守運用、ヘルプデスクなど、情シス部門の課題に応じたきめ細かなサービスを用意しています。

サービスの詳細については、こちらの資料をご確認ください。

霜島 裕也
霜島 裕也
2022年にFTSへ入社。社内情シス業務アウトソーシングサービスのマーケティング兼プリセールスを担当している。最近は法務関連の事務局にも従事。IT関連資格としてPMP、ITコーディネータを保有し、現在も維持している。 入社前の1991年~2015年は総合電機メーカーにて、総務、販売企画、営業、SE、プロジェクトマネジメントなど幅広い業務を経験。

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