社内ヘルプデスクの基礎知識! よくある課題と4つの解決方法
情報システム(以下、情シス)部門は、ITシステムを安定的に稼働させるために欠かせません。情シス担当者が行う社内ヘルプデスク業務も、業務を円滑に進められる環境を整備するために必要な業務のひとつです。
しかし、従業員からの問い合わせやトラブル対応など幅広い業務に対応する必要があるため、1人または少人数の体制で運用している場合には、さまざまな業務課題につながりやすくなります。
社内ヘルプデスクを効率的に対応するには、現状課題を踏まえつつ、改善につなげることが重要です。そのためには、運用体制の見直しやシステム・ツール・ITアウトソーシングサービスの導入などを図る必要があります。
この記事では、社内ヘルプデスクの基礎知識とよくある課題、課題の解決方法について解説します。
目次[非表示]
- 1.社内ヘルプデスクとは
- 2.社内ヘルプデスクの設置メリット
- 3.社内ヘルプデスクでよくある課題
- 3.1.コア業務に充てる時間が限られる
- 3.2.対応が属人化しやすい
- 3.3.IT関連以外の質問が寄せられる
- 4.社内ヘルプデスクの課題を解決する方法
- 4.1.①社内マニュアルを作成する
- 4.2.②社内ヘルプデスク担当者のナレッジ共有を行う
- 4.3.③ITツール・システムを導入する
- 4.4.④ITアウトソーシング(業務代行)を活用する
- 5.まとめ
社内ヘルプデスクとは
社内ヘルプデスクとは、従業員からの問い合わせに対応する業務のことです。
主にITインフラに関する技術的・専門的な対応を行うため、情報システム部門(以下、情シス)で対応することが一般的です。
社内ヘルプデスクの主な業務には、以下が挙げられます。
▼主な業務内容
- ITシステムやIT機器の操作に関する問い合わせ対応
- ITシステムやソフトウェアの利用に関するマニュアルの作成
- ネットワーク不具合やシステム障害などの復旧対応 など
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社内ヘルプデスクの設置メリット
業務の遂行や情報共有のためにITインフラが欠かせない企業においては、ITシステムを多数使用しているだけでなく、多くのIT機器をセッティングする必要があります。ITシステムや機器の母数が多いとトラブルの発生件数も増加するため、社内ヘルプデスクの円滑な運用が求められます。
社内ヘルプデスクを設置すると、以下のメリットが期待できます。
▼社内ヘルプデスクの設置メリット
- 生産性の向上
- 顧客トラブルの防止
- 従業員満足度の向上
ITシステム・IT機器の使い方に不明点があった際、社内ヘルプデスクに問い合わせることで迅速な解決を図れます。これにより、業務を効率的に進められるようになり、生産性の向上につながります。
また、システムやIT機器の不具合が発生すると、業務がストップしてしまい、顧客・取引先とのトラブルに発展する可能性があります。社内ヘルプデスクの担当者が不具合を迅速に復旧できれば、業務がストップする時間を最小限に抑えられ、トラブルを防止できます。
そのほか、円滑に業務を遂行できる職場環境は、従業員の仕事のしやすさや安心感につながるため、満足度の向上も期待できます。
社内ヘルプデスクでよくある課題
社内ヘルプデスクには、生産性の向上や顧客トラブルの防止、従業員満足度の向上などのメリットがある一方で、以下のような課題が生じるケースもあります。
なお、社内ヘルプデスクを効率化する方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
コア業務に充てる時間が限られる
1つ目の課題は、コア業務に充てられる時間が限られることです。
情シスが社内ヘルプデスク業務を担当する場合、従業員からの問い合わせ対応に加えて、社内システムの開発・運用やIT機器の管理、セキュリティ対策など幅広い業務に対応する必要があります。
社内ヘルプデスクへの問い合わせが多く、担当者の負担となっている場合には、コア業務に充てる時間が限られてしまい、安定した運用ができなくなる可能性があります。
対応が属人化しやすい
2つ目の課題は、社内ヘルプデスクの対応が属人化しやすいことです。
社内ヘルプデスクでは、業務システムの利用や不具合の解消方法などの専門的な知識が求められます。
対応できる担当者が限定されており、業務が属人化している場合は、回答までに時間を要したり、復旧作業が遅れたりするトラブルにつながる可能性があります。
IT関連以外の質問が寄せられる
3つ目の課題は、IT関連以外の質問が寄せられることです。
業務部門の担当者が質問内容に応じた問い合わせ先を把握していないと、ITに関連のない質問でも、社内ヘルプデスクに寄せられることが考えられます。
このような状況では、ネットワークの不具合やIT機器の故障など、即時対応が必要な問い合わせに遅れが生じてしまうおそれがあります。
社内ヘルプデスクの課題を解決する方法
社内ヘルプデスクの課題を解決するには、問い合わせ対応を効率化したり、属人化を解消したりする取り組みが必要です。具体的な方法には、以下が挙げられます。
①社内マニュアルを作成する
ITシステムの操作方法やエラーの対処方法など、簡易的かつよくある質問についてまとめた社内マニュアルを作成することが有効です。
従業員は、社内マニュアルを参照して必要な情報を収集できるため、自己解決を促せます。これにより、社内ヘルプデスクへの問い合わせ数を減らすことができ、担当者がコア業務に時間を充てられるようになります。
②社内ヘルプデスク担当者のナレッジ共有を行う
社内ヘルプデスク担当者が持つナレッジを蓄積・共有できる仕組みをつくることも重要です。
過去の問い合わせ内容に対する回答内容や、トラブル時の対応フロー、解決方法などをまとめることで、社内ヘルプデスク対応が属人化してしまうのを防ぎます。
また、幅広い対応について知識・技術を共有すると、ほかの社内ヘルプデスク担当者へのフォローを行ったり、人材教育に役立てたりすることも可能です。
③ITツール・システムを導入する
ITツール・システムを導入して、社内ヘルプデスクの対応を自動化することも有効です。従業員からの問い合わせ対応を自動化することで、社内ヘルプデスク担当者が一人ひとりに個別対応する必要がなくなります。
同じ質問や簡単な質問に対して自己解決を促せるようになれば、即時対応または専門知識が必要な業務に対してリソースを充てられるようになります。
▼ヘルプデスク対応を自動化できるITツール・システムの例
ツール・システム |
主な機能 |
FAQシステム |
よくある質問とその回答を登録して、従業員が検索できるようにする |
チャットボット |
質問に対する回答を登録して、従業員が入力したメッセージの内容に沿ってAIが自動で回答する |
グループウェア |
スケジュール管理やタスク管理、ファイル共有などの機能があり、社内の情報共有を行う |
ナレッジ共有システム |
社内ヘルプデスク担当者が持つナレッジ・ノウハウを集約して一元管理する |
社内ヘルプデスクの導入手順やポイント については、こちらの記事で詳細を解説しています。併せてご確認ください。
④ITアウトソーシング(業務代行)を活用する
企業の規模が大きく、限られた担当者でヘルプデスクを運用するのが難しい場合には、ITアウトソーシングを活用することも一つの方法です。
ITアウトソーシングを活用すると、ヘルプデスク業務に社内のリソースを割く必要がなくなり、業務負担の軽減や運用の安定化を図れます。
また、これまで社内ヘルプデスクを運用していた担当者がコア業務に注力できるようになるため、生産性向上につながることも期待できます。
なお、社内ヘルプデスクをITアウトソーシングするメリットについてはこちらの記事で解説しています。併せてご覧ください。
まとめ
この記事では、社内ヘルプデスクについて以下の内容を解説しました。
- 社内ヘルプデスクの基礎知識
- 社内ヘルプデスクの設置メリット
- 社内ヘルプデスクでよくある課題
- 社内ヘルプデスクの課題を解決する方法
社内ヘルプデスクには、業務効率を高めて生産性を向上したり、迅速な対応によってトラブルを防止したり、従業員満足度に貢献したりする役割があります。
ただし、限られた担当者で運用する場合には、コア業務への時間が限られるほか、対応が属人化しやすくなります。また、社内ヘルプデスクの対応範囲があいまいな場合、IT関連以外の質問が多く寄せられることもあります。
スムーズかつ効率的に社内ヘルプデスクを運用するには、社内マニュアルを作成してナレッジを共有できる体制を構築することが求められます。ほかにも、ITツールやシステムを導入する、ITアウトソーシングを利用することがポイントです。
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