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システム運用管理の重要性。基本の業務内容と効率化を図るポイントとは

情報通信技術の急速な浸透によってデジタル化が進む今、企業のITインフラを構成する“システム”は円滑な事業活動のために欠かせない存在となっています。

社内に構築したシステムを安定稼働させて、不具合や障害などのトラブルを迅速に対応するためには、システム運用管理を行うことが重要です。

しかし、管理するシステムの領域が広域にわたることやIT人材の不足などを理由に、システム運用管理の負担が大きくなっている現場もあると考えられます。

企業の情報システム部門や管理部門では「システム運用管理の業務を見直したい」「担当者の業務負担が大きいため、効率化を図りたい」などとお考えの方もいるのではないでしょうか。

この記事では、システム運用管理の重要性や基本的な業務内容、効率化を図るポイントについて解説します。



目次[非表示]

  1. 1.システム運用管理とは
  2. 2.システム運用管理の重要性
  3. 3.システム運用管理の領域と業務内容
    1. 3.1.①ネットワーク管理
    2. 3.2.②サーバ管理
    3. 3.3.③業務運用管理
  4. 4.システム運用管理の効率化を図るポイント
    1. 4.1.①システムの状態を可視化する
    2. 4.2.②システム障害への一次対応を自動化する
    3. 4.3.③ツールを活用して属人化を解消する
    4. 4.4.④ITアウトソーシング(業務代行)を活用する
  5. 5.まとめ


システム運用管理とは

システム運用管理とは、社内に構築したシステムが不具合やトラブルなどによって停止・故障しないように稼働状況を管理することです。

主に以下のような対応を行い、システムが安定稼働するように継続的に運用・管理を行います。


▼システム運用管理の対応

  • 劣化状況やスケジュールを踏まえた点検とメンテナンスの実施
  • アクセス状況の増加やセキュリティリスクなどの監視
  • システム障害が発生した場合の復旧対応 など


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システム運用管理の重要性

システム運用管理は、ネットワークやサーバ、業務システム、アプリケーションなどを安定して稼働させるために重要な業務です。

社会全体でICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)の利活用が進むなか、企業でもデジタル化が進展しており、業務データの管理や関係者とのやり取りなどでさまざまなシステムが用いられるようになりました。

システムは事業活動の基盤となるITインフラの一部となるため、不具合や故障などによって正常に稼働しなくなると、業務の停止による労働生産性の損失や、関係者とのトラブルにつながるおそれがあります。

また、近年ではシステムやネットワークの脆弱性を狙ったセキュリティ上のインシデントも発生しています。顧客情報や機密情報が漏えいすると、企業イメージの失墜や損害賠償などの経営にまで大きな影響を及ぼすリスクがあります。


▼脆弱性を狙ったセキュリティ上のインシデント

脆弱性を狙ったセキュリティ上のインシデント

画像引用元:経済産業省『主なインシデント事例


このようなリスクを防いで円滑な事業活動を続けるために、システム運用管理を継続的に実施することが重要と考えられます。

なお、社内システムの運用課題と改善を図る方法については、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。

  社内システムの改善を図る方法とポイント! 運用における課題を踏まえて解説 安定かつ効率的に事業を運営するには、経営戦略に基づいた社内システムの運用が欠かせません。しかし、社内システム業務の範囲は広がっており、情シス部門の運用にさまざまな課題が生じるケースもあります。今回は、社内システム運用における課題を踏まえつつ、改善を図る方法とポイントについて解説します。 株式会社FGLテクノソリューションズ


出典:経済産業省『主なインシデント事例


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システム運用管理の領域と業務内容

システム運用管理の領域は、主にネットワーク管理・システム管理・業務運用管理の3つに分けられます。具体的な業務内容は、以下のとおりです。


①ネットワーク管理

ネットワークでは、社内にあるネットワーク関連設備の管理に加えて、障害対策やセキュリティ管理を行います。


▼ネットワーク管理の主な業務内容

業務内容
詳細
障害対策
障害の定義づけをして、ネットワーク障害の監視や復旧を行う
セキュリティ管理
パスワードやアクセス権限を管理してセキュリティ対策を行う
性能管理
ネットワークの性能を維持してシステムの稼働を安定させる
設備管理
電源や空調、配線の管理を行う


②サーバ管理

サーバ管理では、業務に使用するシステムが安定して稼働するようにIT機器やデータなどを管理します。


▼システム管理の主な業務内容

業務内容
詳細
基本運用
サーバや周辺機器の運用・管理を行う
バックアップ対応
サーバや周辺機器のデータを保存・管理する
資産管理
ハードウェアやソフトウェアの使用状況、コスト、ライセンスなどを管理する
備品管理
IT機器関連の備品や消耗品の管理を行う


③業務運用管理

業務運用管理では、ネットワーク管理とシステム管理の作業内容やスケジュールなどの業務そのものを管理します。


▼業務運用管理の主な業務内容

業務内容
詳細
スケジュール管理
メンテナンスや改修、点検などのスケジュールを管理する
バックアップ管理
バックアップが計画どおりに作成されているかを確認する
ユーザー管理
システムに登録されているユーザーの登録や削除を行う



システム運用管理の効率化を図るポイント

システム運用管理を効率化するには、障害発生時における各担当者の役割を明確にしたうえで、これまで人の手で行ってきた業務の自動化や属人化していた作業の標準化を図ることがポイントです。

各担当者の役割を明確にしていないと、トラブルが発生した際に調査漏れ(ポテンヒット)が発生する可能性があります。


①システムの状態を可視化する

システム運用管理で対応する業務の領域は多岐にわたります。業務の効率化を図るには、初めにシステムの状態を可視化する必要があります。

システムの状態を可視化すると、非効率な管理フローを見直したり、部門・担当者間での業務の切り分けを行ったりできるようになり、より効率的な管理体制へと改善を図れます。


▼システムの状態を可視化する方法

  • ネットワークの構成図を作成する
  • IT資産を棚卸する


②システム障害への一次対応を自動化する

システム運用管理の効率化を図るために、障害が発生した際の一次対応を自動化する方法があります。

日頃からシステムのメンテナンスや改修を行っていても、不具合・故障などによって突発的な障害が発生することがあります。システム運用管理の通常業務に加えて予測できないシステム障害に対応していると、工数が増加したり、初動が遅れたりする可能性が考えられます。

システム障害が発生した際の一次対応を自動化することで、担当者の工数を抑えつつ迅速な復旧対応につなげられます。


▼システム障害への一次対応を自動化する例

  • アラートメッセージを自動解析して、担当部署へ自動通知する
  • 外部から攻撃を受けた際にファイアウォール(※)で遮断する


なお、システム障害対応のフローについてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

  障害対応のフローはどうする? 併せて知りたい障害の発生リスクを防ぐための3つの対策 業務に使用している社内システムや機器に障害が発生した場合、業務の中断が発生したり、顧客へのサービスを提供できなくなったりして大きな影響が生じるリスクがあります。 障害による影響を最小限に抑えるためには、フローに沿った迅速な原因解明と復旧対応が求められます。また、障害は突発的に発生することもあるため、日頃から対策を講じることも重要です。 ITインフラの運用保守を担う情報システム部門(以下、情シス)や管理部門では、「障害対応の流れを把握して、マニュアル策定や役割分担に役立てたい」「障害のリスクを抑えるために対策をしておきたい」とお考えの方もいるのではないでしょうか。 この記事では、障害が発生したときの対応フローと、障害の発生リスクを抑えるための対策について解説します。 株式会社FGLテクノソリューションズ


外部ネットワークからの攻撃や不正なアクセスからネットワーク・コンピュータを防御するためのシステム


③ツールを活用して属人化を解消する

情報システム部門や管理部門での対応が属人化している場合には、ツールを活用することも有効です。

システム運用管理には、幅広いシステムに対する専門的な知識・技術が求められるため、少ない人員で対応している場合には業務が属人化してしまうケースがあります。

ツールを活用して、システム運用管理で対応するさまざまな業務の標準化・自動化を図ることで、属人化が解消されて効率化につながります。


▼システム運用管理に役立つツールの例

ツールの種類
詳細
監視ツール
システムを構成するITインフラの稼働状況を遠隔地から監視して、不具合や故障を検知する
IT資産管理ツール
ネットワーク内のハードウェアやソフトウェア、サーバなどのIT資産の利用状況を一元管理する
統合運用管理ツール
社内のシステム・ネットワーク・ソフトウェアなどを一元管理して、ITインフラの構成や性能、セキュリティなどを総合的に管理する


④ITアウトソーシング(業務代行)を活用する

システム運用管理の領域は広く、専門的な知識・技術が求められます。社内で対応できるIT人材を確保するのが難しい場合には、ITアウトソーシング(業務代行)を活用することも一つの方法です。

ITアウトソーシングとは、IT分野に関わる社内業務を外部に委託することです。システム運用管理の定型的な業務を外部に委託することで、担当者の業務負担が削減されて、コア業務に注力できるようになります。

システム運用管理におけるITアウトソーシングの形態には、主に2つの種類が挙げられます。


▼ITアウトソーシングの形態

ITアウトソーシングの形態
詳細
オンサイト常駐型
お客様社内にアウトソーシング会社のスタッフが常駐し、業務を実施する。

対面対応ができる為、社員ヘルプデスク業務に対してはきめ細かいサポートが可能。

リモートサポート型
アウトソーシング会社の社内からリモートで業務を実施する。
固定のスタッフに依存しない為、業務の継続性が高い。


ITアウトソーシングの種類や活用メリットについては、こちらの記事で解説しています。

  ITアウトソーシング(業務代行)とは? サービス形態の種類と活用のメリット 人材不足が起きている、または従業員数が少ない企業では、社内システムの構築や運用などを担う情報システム部門(以下、情シス)の人員を十分に確保できないことがあります。そこで注目されているのが“ITアウトソーシング(業務代行)”です。 企業の情シスや管理部門においては「ITアウトソーシングにはどのような形態があるのか」「活用することでどのようなメリットがあるのか」などと疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。 この記事では、ITアウトソーシングにおけるサービス形態の種類と活用によるメリット・デメリット、委託先の企業を選ぶポイントについて解説します。 株式会社FGLテクノソリューションズ



まとめ

この記事では、システム運用管理について以下の内容を解説しました。


  • システム運用管理の概要
  • システム運用管理の重要性
  • システム運用管理の領域と業務内容
  • システム運用管理の効率化を図るポイント


社内のITインフラを正常に稼働させて安定した事業活動を継続するには、システム運用管理を実施して、定期的な点検・メンテナンスや監視、障害への迅速な対応を行うことが重要です。

システム運用管理の領域には、ネットワーク管理・システム管理・業務運用管理があり、対応する業務の内容も多岐にわたります。業務を効率化するには、人の手による作業の自動化や属人化の解消を図ることがポイントです。

また、システム運用管理に対応するリソースを社内で確保するのが難しい場合には、ITアウトソーシングを活用して定型的な業務を委託することも有効です。

FGLテクノソリューションズ』の社内システム運用サービスでは、ITインフラ管理のITアウトソーシングを承っております。ネットワークやサーバの管理、監視などを行い、事業活動の基盤となる社内システムの安定した稼働を実現します。


サービスの詳細については、こちらから資料をダウンロードしていただけます。

  資料ダウンロード|社内システム運用管理サービス FGLテクノソリューションズのサービスに関する詳しい資料は当ページからダウンロードいただけます。情シス業務が多忙、一人情シス・体制強化が進まない、などでお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。 株式会社FGLテクノソリューションズ


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