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ヘルプデスク立ち上げの進め方|成長企業の情シスが押さえたい体制づくり

企業の成長に伴って従業員や利用するITツールが増えると、PCやアカウント、社内システムなどに関する問い合わせも増えていきます。

小規模なうちは情報システム部門(以下、情シス)や管理部門が個別に対応できていても、企業規模が大きくなるにつれて、「誰に問い合わせればよいか分からない」「特定の担当者に質問が集中する」といった課題が生じることがあります。

こうした状況に対応するには、単に問い合わせ窓口を設けるだけでなく、対応範囲や一次対応、エスカレーション、ナレッジの蓄積まで含めてヘルプデスクの体制を整える必要があります。

この記事では、企業の情シスに向けて、ヘルプデスクを立ち上げるタイミングや最初に決めたいこと、継続して運営するためのポイントを解説します。

目次[非表示]

  1. 1.ヘルプデスク立ち上げが必要になるタイミング
    1. 1.1.IT環境が広がり、役割分担を整理するとき
    2. 1.2.社内に問い合わせ対応のリソースを確保しにくいとき
    3. 1.3.情シスをIT企画やシステム改善に集中させたいとき
  2. 2.ヘルプデスク立ち上げで最初に決めること
    1. 2.1.問い合わせ窓口を一本化する
    2. 2.2.対応範囲と対象外の業務を明確にする
    3. 2.3.一次対応の範囲とエスカレーション先を決める
  3. 3.スムーズに運営するためのプロセス設計
    1. 3.1.問い合わせ内容を記録・分類する
    2. 3.2.FAQやマニュアルへ反映する
    3. 3.3.対応品質を定期的に見直す
  4. 4.ヘルプデスク立ち上げでつまずきやすい3つのポイント
    1. 4.1.①受付だけになり、結局情シスへ引き継がれる
    2. 4.2.②マニュアル不足で対応品質がばらつく
    3. 4.3.③社内周知が不十分で窓口の利用が定着しない
  5. 5.まとめ

ヘルプデスク立ち上げが必要になるタイミング

ヘルプデスクは、問い合わせ件数が増えてから設置すればよいとは限りません。社内で利用するIT環境が広がり、「誰が管理するのか」「誰が問い合わせに対応するのか」を整理する必要が出てきた段階も、体制を見直すタイミングの一つです。

IT環境が広がり、役割分担を整理するとき

企業の成長に伴い、PCやスマートフォン、Microsoft 365、業務システム、ネットワークなど、業務で利用するIT環境が広がることがあります。

利用するツールやシステムが増えると、「どの部門が管理するのか」「従業員からの問い合わせを誰が受けるのか」「障害時は誰に確認するのか」といった役割分担も整理する必要があります。

主管部門が決まっていても、問い合わせ対応まですべて担うと、システム改善や運用管理などに十分な時間を確保しにくくなる場合があります。

こうした場合は、社内に専任窓口を設けるほか、問い合わせ受付や一次対応を外部へ委託する方法も選択肢になります。

社内に問い合わせ対応のリソースを確保しにくいとき

成長過程の企業では、従業員数が増えていても、情シスの人員を同じペースで増やせるとは限りません。

専任のヘルプデスク担当者を配置できず、情シスや総務などが問い合わせ対応を兼任するケースも見られます。

窓口だけを設けても、対応する人員が不足していれば、特定の担当者へ問い合わせが集中する可能性があります。問い合わせ受付に加えて、操作案内や一次切り分け、アカウント関連の定型業務などを外部へ任せることで、社内で必要となる運用リソースを抑えることも可能です。

情シスをIT企画やシステム改善に集中させたいとき

ヘルプデスクを立ち上げる目的は、増えた問い合わせを処理することだけではありません。

問い合わせ受付や一次対応、手順書の確認、エスカレーション、アカウント管理などの定型業務を整理することで、情シスがIT企画やセキュリティ対策、システム改善といった業務に時間を振り向けやすくなります。

外部委託には費用がかかるため、内製と外注のどちらが適しているかは、問い合わせ件数だけでなく、社内で確保できる人員や情シスに求める役割も踏まえて検討します。

ヘルプデスク立ち上げで最初に決めること

ヘルプデスクを立ち上げる際は、人員や問い合わせ管理ツールを検討する前に、まず運用の枠組みを整理します。具体的には、「どこで受けるか」「何を受けるか」「どこまで対応するか」の3点を明確にしておくことがポイントです。

問い合わせ窓口を一本化する

はじめに、従業員が問い合わせる窓口を決めます。

問い合わせ方法には、メール、チャット、フォーム、電話などがあります。複数の方法を用意する場合でも、受付後の情報が一つの管理先に集まるようにしておくと、対応状況を把握しやすくなります。一方、情シスへの個別チャットや口頭での質問が残っていると、正式な窓口を用意しても問い合わせが分散してしまいます。

「IT関連の質問はまずヘルプデスクへ連絡する」といった基本的な流れを定め、従業員へ共有しておくことが大切です。

対応範囲と対象外の業務を明確にする

次に、ヘルプデスクで受け付ける問い合わせの範囲を整理します。

例えば、次のような内容があります。

  • PCやスマートフォンの操作・不具合

  • アカウントやパスワードに関する問い合わせ

  • Microsoft 365の操作

  • 社内システムの利用方法

  • プリンタなどの周辺機器

  • ネットワーク接続に関する問い合わせ

すべてをヘルプデスクだけで解決する必要はありません。「問い合わせは受け付けるが、対応は専門部署へ引き継ぐ」「特定の業務システムは主管部門が直接対応する」など、対応しない範囲も含めて明確にしておくと、担当者が判断しやすくなります。

一次対応の範囲とエスカレーション先を決める

対応範囲とあわせてヘルプデスクがどこまで対応するのかも決めておきます。

例えば、FAQや手順書で回答できる質問はヘルプデスクで完結し、障害調査や権限変更など、専門的な判断が必要なものは情シスへ引き継ぐといった分担です。メーカーやシステムベンダーへの確認が必要になった場合に、誰が連絡するのかもあわせて整理します。

問い合わせが発生するたびに対応先を判断するのではなく、あらかじめエスカレーションの条件と連絡先を明確にしておくことで、担当者による判断のばらつきを抑えられます。

スムーズに運営するためのプロセス設計

ヘルプデスクは、問い合わせを受けて回答するだけでは、業務負荷を継続的に減らしにくいものです。対応内容を蓄積し、その情報をFAQやマニュアル、運用改善へ反映する流れまで設計しておくことがポイントです。

問い合わせ内容を記録・分類する

問い合わせを受けたら、内容と対応結果を記録します。記録する項目としては、問い合わせ日時、対象システム、問い合わせ内容、対応内容、解決状況、エスカレーション先などが挙げられます。

カテゴリをそろえて記録しておけば、「どのシステムに問い合わせが集中しているか」「どのようなトラブルが繰り返されているか」といった傾向も確認しやすくなります。

担当者の記憶だけに頼らず、過去の対応をほかの担当者も確認できる状態にしておくことで、属人化の防止にもつながります。

FAQやマニュアルへ反映する

問い合わせ履歴を蓄積したら、繰り返し発生している質問や対応内容を確認します。

同じ操作方法について何度も質問されている場合はFAQへ追加し、特定の作業でつまずく人が多い場合はマニュアルの説明を見直すといった対応が考えられます。また、問い合わせの多い内容を社内へ案内することで、従業員がヘルプデスクへ連絡する前に自己解決できるケースもあります。

問い合わせを一件ずつ処理して終わるのではなく、対応履歴を次の改善に活かすことで、ヘルプデスク全体の効率化につなげられます。

対応品質を定期的に見直す

ヘルプデスクを立ち上げたあとは、実際の運用状況を定期的に確認します。

問い合わせ件数や解決までの時間、一次対応で完結した件数、情シスへエスカレーションされた内容などを確認すると、改善が必要な部分を把握しやすくなります。

例えば、特定の問い合わせだけ情シスへの引き継ぎが多い場合は、ヘルプデスク側へ対応手順を追加することで、一次対応の範囲を広げられる可能性があります。運用状況を確認しながら改善を重ねることで、より効率的で安定したヘルプデスク運営につなげられます。

ヘルプデスク立ち上げでつまずきやすい3つのポイント

立ち上げ時に窓口だけを用意しても、期待したほど情シスの負担が減らない場合があります。ここでは、運用開始後に起こりやすい3つのケースを紹介します。

①受付だけになり、結局情シスへ引き継がれる

問い合わせ窓口を設置しても、受付内容をそのまま情シスへ転送するだけでは、情シス側の対応量は大きく変わりません。

従業員へ状況を聞き直す必要があれば、かえって連絡の工程が増えることもあります。立ち上げ時には、受付だけでなく、問い合わせ内容の確認やFAQに基づく回答、一次切り分けまで、どこで対応するのかを決めておきます。

外部へ委託する場合も、「受付件数」だけでなく、「どの範囲まで一次対応できるか」を確認することがポイントです。

②マニュアル不足で対応品質がばらつく

問い合わせへの回答方法や判断基準が整理されていないと、担当者によって対応内容に差が出やすくなります。

ベテラン担当者であればすぐに解決できる問い合わせでも、別の担当者では情シスへエスカレーションされるような状態では、安定した運用につながりにくくなります。

よくある問い合わせへの回答や確認項目、エスカレーションの条件をマニュアルへ反映し、対応履歴を基に随時更新していくことが大切です。

③社内周知が不十分で窓口の利用が定着しない

ヘルプデスクを立ち上げても、その存在や利用方法が十分に伝わっていなければ、従業員は従来と同じ方法で情シスへ問い合わせてしまいます。

運用開始時には、窓口の連絡先だけでなく、「どのような内容を相談できるのか」「これまでの問い合わせ先はどう変わるのか」まで案内します。

新入社員への案内や社内ポータルへの掲載など、立ち上げ後も利用方法を確認できる状態にしておくことで、問い合わせ窓口を一本化しやすくなります。

まとめ

この記事では、ヘルプデスク立ち上げについて、以下の内容を解説しました。

  • ヘルプデスク立ち上げが必要になるタイミング

  • ヘルプデスク立ち上げで最初に決めること

  • スムーズに運営するためのプロセス設計

  • ヘルプデスク立ち上げでつまずきやすい3つのポイント

ヘルプデスクを立ち上げる際は、窓口を設けるだけでなく、対応範囲や一次対応、エスカレーションの条件まで整理しておくことが大切です。あわせて、問い合わせ履歴を蓄積し、FAQやマニュアルへ反映する仕組みを整えることで、継続的な運用改善につなげやすくなります。

企業の成長に伴って問い合わせが増えると、情シスだけですべてを対応することが難しくなる場合もあります。社内で担う業務と外部へ任せる業務を分け、必要に応じてアウトソーシングを活用することも選択肢の一つです。

『FGLテクノソリューションズ』では、社内ヘルプデスクをはじめ、アカウント申請や機器管理、システム運用など、幅広い情シス業務を支援しています。対応範囲が固まっていない場合も、業務の整理や手順の可視化から相談できます。ヘルプデスクの立ち上げや運用体制に課題を感じている場合は、お気軽にご相談ください。

霜島 裕也
霜島 裕也
2022年にFTSへ入社。社内情シス業務アウトソーシングサービスのマーケティング兼プリセールスを担当している。最近は法務関連の事務局にも従事。IT関連資格としてPMP、ITコーディネータを保有し、現在も維持している。 入社前の1991年~2015年は総合電機メーカーにて、総務、販売企画、営業、SE、プロジェクトマネジメントなど幅広い業務を経験。

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