catch-img

社用携帯の管理はどのように行う? 安全で効率的な管理のポイント

外出が多い職種やリモートワークを導入している企業では、従業員同士・取引先・顧客などとのコミュニケーションをとる手段として社用携帯を貸与していることがあります。

従来の携帯電話では総務部門が管理することが一般的でしたが、スマートフォンを利用している場合には、企業が保有するIT資産としてコスト管理やセキュリティ管理が求められるようになっています。

情報システム(以下、情シス)部門・管理部門の担当者のなかには、「社用携帯の管理にはどのような課題があるのか」「安全に運用するためにはどうすればよいのか」と気になる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、社用携帯の基本的な管理業務や課題、安全かつ効率的に管理するポイントについて解説します。



目次[非表示]

  1. 1.社用携帯の管理業務とは
  2. 2.社用携帯の管理における課題
  3. 3.社用携帯を安全かつ効率的に管理するポイント
    1. 3.1.➀社用携帯の使用ルールを策定・周知する
    2. 3.2.②セキュリティ対策を実施する
    3. 3.3.③IT資産管理ツールを導入する
    4. 3.4.④定期的にデータのバックアップを行う
  4. 4.まとめ


社用携帯の管理業務とは

社用携帯としてスマートフォンを貸与する際には、情シス部門・管理部門が端末の管理を行います。主な管理業務には、以下が挙げられます。


▼社用携帯に関する主な管理業務

種別
業務内容
契約管理
  • 契約書の管理
  • 料金プランや通信量の管理
  • 新規契約または解約の手続き
  • 機種変更の手続き など
端末情報の管理
  • 初期設定
  • バージョン管理
  • アプリケーション管理
  • セキュリティポリシーの設定 など
ユーザー管理
  • ユーザー情報の管理(部門・担当者)
  • 紛失や故障時の対応
  • 問い合わせ対応 など


業務を円滑に遂行するには、ユーザーにとって必要な機能・性能を確保したスマートフォンを契約して貸与する必要があります。また、安全な利用環境を確保するために、端末のセキュリティ管理も求められます。



社用携帯の管理における課題

情シス部門・管理部門が社用携帯を管理する際には、以下の課題があることを理解しておくことが重要です。


▼社用携帯を管理するうえでの課題

  • シャドーITが発生するリスクがある
  • 端末を紛失する可能性がある
  • 利用状況によっては通信費が高くなる可能性がある など


シャドーITとは、企業が許可・認識していない端末やサービスなどを従業員が利用することを指します。社用携帯を使ってセキュリティに脆弱性のあるアプリケーションを利用したり、プライベートで使用するSNSを利用したりすると、サイバー攻撃や操作ミスなどによって社内のデータが漏えいする可能性があります。

従業員による端末の管理に不備があり紛失してしまった場合には、保存された重要なデータが流出して損害賠償を求められるケースも考えられます。

また、社用携帯で長時間の通話や大容量データのやり取り、Web会議などを行った場合には、通信費が高くなることがあります。そのほか、管理する端末の台数が多くなるほど、情シス部門・管理部門の業務負担と運用コストが大きくなることも課題の一つです。



社用携帯を安全かつ効率的に管理するポイント

社用携帯のセキュリティリスクを防ぎつつ効率的に運用するには、技術的な対策とともに、使用ルールの策定やツールの導入などを検討することが重要です。


➀社用携帯の使用ルールを策定・周知する

社用携帯を導入する際は、使用ルールを策定することがポイントです。ユーザー側の使用ルールを定めて周知することにより、シャドーITやサイバー攻撃による情報漏えいの防止につながります。


▼使用ルールの策定例

  • 企業が指定するアプリケーションやサービス以外は使用を禁止する
  • 社用携帯を複数人で共有しない
  • 社用携帯内にプライベートな情報を保存しない
  • 画面のロックを設定する
  • 業務に使用しない場合には施錠付きの場所に保管する
  • 無料のWi-Fiに接続しない など


現場の実態とかけ離れたルールを定めると、ユーザー側の利便性が低下してしまうため、部門や業務内容の特性を踏まえてルールを策定することが重要です。


②セキュリティ対策を実施する

サイバー攻撃やウイルスの感染、端末の紛失による情報漏えいなどのトラブルを防ぐために、セキュリティ対策を実施することが有効です。社用携帯のセキュリティ対策には、以下が挙げられます。


▼社用携帯のセキュリティ対策

セキュリティ対策
概要
MDMの導入
セキュリティポリシーの一括適用やアプリケーションの配布・制限、遠隔での端末ロック・データ削除などを行える
セキュリティ対策ソフトウェアの導入
不正アクセスやウイルスなどの脅威を検知・排除してデータを保護する
VPNの活用
外出先や自宅から社内へリモートアクセスする際に、データを暗号化して第三者による盗み見を防ぐ


③IT資産管理ツールを導入する

社用携帯を効率的に管理するには、IT資産管理ツールを活用することも一つの方法です。紙媒体の管理台帳でIT資産を管理している場合には、情シス部門・管理部門による管理業務が煩雑化しやすくなります。

IT資産管理ツールを活用すれば、社用携帯を含むIT資産を一元管理して情報収集や各種設定の自動化を図れるため、業務効率化につながります。

また、社用携帯の契約料金・通信費を端末ごとに把握することで、利用状況に応じてプランの変更を検討できるようになり、コストの最適化を図れます。ただし、料金管理に関してはツールが独立しているため、キャリアからの料金通知を確認する必要があります。


▼IT資産管理ツールの主な機能

  • ハードウェアの契約管理
  • インベントリ情報の管理
  • ソフトウェアのライセンス管理
  • セキュリティパッチの配布
  • デバイスの接続制御
  • 操作ログの取得 など


なお、IT資産管理についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

  IT資産管理の必要性について。 管理対象や効率化するための方法とは IT資産管理とは、企業が保有するパソコンやソフトウェア、サーバなどのIT資産の状況を把握して管理することを指します。 ICT技術の進展によってクラウドサービスの活用やテレワークの導入が広がる今、企業が保有するIT資産の数・種類は増加しつつあります。安全な環境で円滑に業務を行うためには、「誰がどのような端末を使用しているのか」を適切に管理することが重要です。 企業の情報システム部門(以下、情シス)や管理部門では、「IT資産管理はなぜ必要なのか」「効率的に行うにはどうすればよいのか」などと疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。 この記事では、IT資産管理の必要性と管理対象、課題、効率化する方法などについて解説します。 株式会社FGLテクノソリューションズ


④定期的にデータのバックアップを行う

社用携帯のアプリケーションや端末内に保存されたデータの消失を防ぐために、定期的にバックアップを行うことがポイントです。


▼バックアップをとる方法

  • 自動バックアップ機能が備わったアプリケーションを利用する
  • 社内のファイルサーバーを構築して保存する
  • クラウドストレージを活用して端末内のデータを保存する など


クラウドストレージを活用すると、万が一社用携帯を紛失した場合や、災害時に社内のサーバーが使えなくなった場合でも必要な情報にアクセスできるようになり、業務を継続することが可能です。

サービスの詳細については、こちらから資料をダウンロードしていただけます。

  資料ダウンロード|社内システム運用管理サービス FGLテクノソリューションズのサービスに関する詳しい資料は当ページからダウンロードいただけます。情シス業務が多忙、一人情シス・体制強化が進まない、などでお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。 株式会社FGLテクノソリューションズ



まとめ

この記事では、社用携帯の管理について以下の内容を解説しました。


  • 社用携帯の主な管理業務
  • 社用携帯の管理における課題
  • 社用携帯を安全かつ効率的に管理するポイント


社用携帯は、外出先や自宅から円滑なコミュニケーションをとるために役立ちます。しかし、シャドーITによるセキュリティ上のリスクが伴うほか、端末の紛失、通信費の増大などの問題が起きる可能性もあります。

安全かつ効率的に社用携帯の管理を行うには、セキュリティに関する技術的な対策を講じるとともに、使用ルールの策定やツールの活用を行うことがポイントです。

また、社用携帯を含むIT資産の管理には、端末の契約管理や各種設定などのさまざまな業務が発生します。情シス部門・管理部門の負担が大きい場合には、ITアウトソーシング(業務代行)を活用することがおすすめです。

FGLテクノソリューションズ』の社内システム運用管理サービスでは、IT資産の管理やITインフラの構築・運用などをサポートしています。情シス部門・管理部門の負担軽減と安定したシステムの運用を実現します。

サービスの詳細については、こちらから資料をダウンロードしていただけます。

  資料ダウンロード|社内システム運用管理サービス FGLテクノソリューションズのサービスに関する詳しい資料は当ページからダウンロードいただけます。情シス業務が多忙、一人情シス・体制強化が進まない、などでお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。 株式会社FGLテクノソリューションズ


山根 佐利
山根 佐利
1998年に入社し、インフラエンジニアとしてシステム導入から運用を担当しました。 2000年には社内情シス業務のアウトソーシングサービスを立ち上げ、現在はマーケティング兼プリセールスを担当し、サービス事業部と共に自社の社内情シス担当も兼務してノウハウを習得しています。

人気記事ランキング

タグ一覧