情シス業務のあるある5選。よくある悩みやトラブルの解決策
情報システム部門(以下、情シス)は、社内におけるITインフラの構築や保守運用などを行い、業務を円滑に遂行できるようにIT基盤を支える役割を担います。
しかし、情シスが対応する業務は専門性が高く、任せられる範囲も多岐にわたることから、運用についてさまざまな悩みを抱えている担当者も少なくありません。
この記事では、情シスの担当者が「あるある」と共感できる悩みやトラブルの例を取り上げつつ、問題の解決策について解説します。
目次[非表示]
- 1.情シスで起こる悩み・トラブルのあるある
- 1.1.➀社内の問い合わせ対応に追われる
- 1.2.②突発的な障害対応で残業・休日出勤が発生する
- 1.3.③業務が属人化していて保守対応や改修ができない
- 1.4.④少人数で運用していて対応が遅くなる
- 1.5.⑤スキルアップが難しい
- 2.情シス担当者が抱える悩み・トラブルの解決策
- 2.1.ITツール・システムを導入する
- 2.2.IT資産をクラウド化する
- 2.3.ITアウトソーシング(業務代行)を活用する
- 3.まとめ
情シスで起こる悩み・トラブルのあるある
情シス担当者が「あるある」と感じやすいよくある悩み・トラブルには、業務内容や働き方に関する内容が挙げられます。
➀社内の問い合わせ対応に追われる
情シスには、従業員からシステムやIT機器に関する問い合わせが寄せられます。一日の多くを問い合わせ対応に費やしてしまい、ほかの業務に時間を充てられなくなったり、情シス担当者の業務負担が増加したりする悩みがあります。
▼従業員からの問い合わせ例
- IT機器の設定方法が分からない
- 業務システムのエラーが生じている
- 社内のネットワークにつながらない
- ID・パスワードを忘れた など
なかには情シスの対応範囲ではない問い合わせや従業員自身で解決が可能な簡易な質問などが寄せられるケースもあり、業務負担の増加を招いていることも考えられます。
社内ヘルプデスクの課題については、こちらの記事をご確認ください。
②突発的な障害対応で残業・休日出勤が発生する
ITインフラに突発的な障害が発生した場合には、情シスによる迅速な復旧対応が求められるため、残業や休日出勤が発生するケースも少なくありません。
社内のシステムやネットワークに障害が発生すると、従業員の業務がストップして事業の継続、取引先との連携などに影響が生じるおそれがあります。
情シス担当者が不在の場合にも、復旧のために出社が必要になることから時間外労働が発生しやすい労働環境といえます。
なお、障害対応のフローについてはこちらの記事で解説しています。
③業務が属人化していて保守対応や改修ができない
情シス業務が属人化していると、担当者が不在または退職した際にITインフラの保守対応や改修ができなくなることも悩みの一つです。
既存のシステム構成が複雑になっていたり、老朽化が進んだりしている場合には、特定の情シス担当者に運用を依存しやすくなり、システムのブラックボックス化を引き起こします。
社内のシステム構成を把握している情シス担当者が不在または退職すると、保守対応や改修が難しくなり運用に支障をきたすリスクが考えられます。
なお、情シス業務が属人化するリスクについては、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
④少人数で運用していて対応が遅くなる
情シスを少人数で運用している場合には、従業員からの問い合わせや障害時の復旧対応などが遅くなるといったトラブルが起こりやすくなります。
近年、多くの企業でIT人材が不足しており、情シスを担う人材の確保に課題を抱えています。加えて情シスではIT基盤を支える多岐にわたる業務が発生するため、少人数で運用していると対応に手が回らなくなるケースがあります。
情シスを少人数で運用する問題については、こちらの記事をご確認ください。
⑤スキルアップが難しい
情シスが抱えるよくある悩みとして、「スキルアップが難しい」ことが挙げられます。スキルアップが難しいとされる理由には、以下が考えられます。
▼情シス担当者のスキルアップが難しいとされる理由
- 専門的な技術・知識が求められるため、汎用的なスキルの習得が難しい
- 人手不足による業務過多が起こり、スキルアップを図る余裕がない など
情シス業務では専門的な技術・知識が求められるため、業務内容に応じて分業化している現場も少なくありません。担当者がほかの分野で活躍する機会を得られない場合には、汎用的かつ幅広いスキルの習得が難しくなります。
また、少人数で情シスを運用している場合には、日々の保守運用や問い合わせ対応に追われてしまい、スキルアップに時間を充てられないことも悩みの一つです。
IT人材に必要なスキルについては、こちらの記事をご確認ください。
情シス担当者が抱える悩み・トラブルの解決策
情シス担当者が抱える悩み・トラブルを解決するには、ITツール・システムや外部のリソースを活用して業務の効率化を図ることが重要です。
ITツール・システムを導入する
ITツール・システムを導入すると、情シス業務の一部を省人化・自動化して担当者の業務負担を軽減したり、ナレッジの共有を促進したりできるようになります。
▼【課題別】ITツール・システムの活用例
課題 |
活用例 |
社内の問い合わせ対応に追われる |
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少人数で運用していて対応が遅くなる |
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スキルアップが難しい |
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社内FAQやチャットボットを活用すると、社内からのよくある質問に対する回答を登録して従業員による自己解決を促せます。
また、RPAは人の手で行ってきた定型的な作業を自動化できるツールです。社内システムの設定や障害検知、データ分析などを自動化することにより、情シス担当者の業務負担を削減できます。
さらに、ナレッジ共有ツールや社内wikiツールを活用すると、情シス業務のマニュアル、復旧対応の手順、各IT機器の設定方法などの情報を蓄積・共有できます。情シス担当者間で知識・ノウハウを共有できる仕組みを構築することで、スキルの習得、属人化の解消を図れます。
IT資産をクラウド化する
情シスでの残業・休日出勤や運用の属人化に関する問題を解決するには、社内のIT資産をクラウド化することも一つの方法です。
クラウド化とは、物理的な環境で管理しているシステムや情報資産をインターネット上の仮想サーバに移行して運用することを指します。IT資産をクラウド環境へ移行することにより、以下のメリットが期待できます。
▼IT資産をクラウド化するメリット
- 保守運用をクラウド事業者に任せられる
- インターネット経由でシステムや情報資産にアクセスできる
- ユーザーの増減やオプション追加を柔軟に行える など
クラウド化すると、情シス担当者がサーバの保守やシステムのアップデートなどを行う必要がなくなるため、情シス業務の属人化やシステムのブラックボックス化を防ぐことが可能です。
また、場所を問わない柔軟な働き方ができるほか、クラウドサービスの使用状況に応じてユーザー数や機能の拡張を行えることから、情シス業務の効率化につながります。
社内システムをクラウド化するメリット・デメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
ITアウトソーシング(業務代行)を活用する
情シス業務を省人化してコア業務に注力できる体制を整備するには、ITアウトソーシング(業務代行)を活用することが有効です。
▼ITアウトソーシングで依頼できる情シス業務の内容
- 社内ヘルプデスク
- ITインフラの構築
- ITインフラの保守運用
- IT資産管理
- 社内システムのID管理
- キッティング など
社内の問い合わせ対応を外部に委託することで、情シス担当者がほかの業務に時間を充てられるようになります。また、サーバ・ネットワークの稼働管理や障害対応などを依頼することにより、復旧対応のための残業・休日出勤も防止できます。
情シス業務が属人化している場合や、少人数で運用していて手が回らない場合などにも外部リソースの活用が有効です。
ITアウトソーシングの方法や事業者の選び方については、こちらの記事をご確認ください。
まとめ
この記事では、情シスの運用について以下の内容を解説しました。
- 情シスで起こる悩み・トラブルのあるある
- 情シス担当者が抱える悩み・トラブルの解決策
情シスでは、業務範囲の広さや専門性の高さ、人手不足などの課題によって運用に関する悩み・トラブルを抱えている現場も少なくありません。
円滑な運用体制を構築するには、ITツール・システムやクラウドを活用して業務の効率化・省人化を図ることが重要です。また、情シス担当者の業務負担を削減するには、ITアウトソーシングによってリソースを補うことも一つの方法です。
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