情シス業務のITアウトソーシング(業務代行)にかかる費用相場。依頼する際のポイントとは
情報システム部門(以下、情シス)では、ITインフラの保守運用やIT資産管理、障害時の復旧対応など、対応する業務の範囲が多岐にわたります。
少人数で運用している場合には、情シス担当者の業務負担が増加したり、従業員からの問い合わせ対応に時間を要したりする可能性があります。情シスを円滑に運用するには、ITアウトソーシング(業務代行)を活用することも一つの方法です。
情シスを運用する管理者のなかには「ITアウトソーシングの費用はどれくらいかかるのか」「依頼する際に押さえておくポイントはあるか」など気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、情シス業務のITアウトソーシングにかかる費用の相場や依頼する際のポイントについて解説します。
目次[非表示]
- 1.ITアウトソーシングで依頼できる情シス業務
- 2.ITアウトソーシングを依頼する際の費用
- 2.1.料金体系
- 2.2.依頼内容別の費用相場
- 3.ITアウトソーシングを依頼する際のポイント
- 3.1.➀情シス業務の棚卸を行う
- 3.2.②目的に応じたサービスを選ぶ
- 3.3.③セキュリティに関する認証を確認する
- 4.まとめ
ITアウトソーシングで依頼できる情シス業務
ITアウトソーシングで依頼できる一般的な情シス業務には、以下が挙げられます。
▼ITアウトソーシングで依頼できる情シス業務
- IT資産管理
- システム運用・保守管理
- 社内ヘルプデスク
- ITインフラ構築
- キッティング
- システムのID管理 など
情シスでは、対応する業務が多岐にわたるほか、ITに関する専門的な知識・技術が求められます。限られた担当者で運用していると、業務負担が増加して長時間労働が発生したり、属人化を招いたりする可能性があります。
ITアウトソーシングで業務の一部を外部に委託することにより、担当者の負担を削減してより重要な業務に時間を充てられるようになります。また、特定の担当者に依存せず情シス業務を運用できるため、属人化を防止することが可能です。
なお、ITアウトソーシングで依頼できる業務の詳細やメリット・デメリットについては、こちらの記事をご確認ください。
ITアウトソーシングを依頼する際の費用
ITアウトソーシングにかかる費用は、委託する業務の内容や料金体系などによって異なります。一般的な料金体系と費用相場は、以下のとおりです。
料金体系
ITアウトソーシングの料金体系は、大きく2種類に分けられます。
▼ITアウトソーシングの料金体系
種類 |
概要 |
固定料金型 |
月または年に1回、一定の料金を支払う方法 |
従量課金型 |
委託する業務量に応じて料金を支払う方法 |
固定料金型では、月額または年額で決まった料金を支払う仕組みとなるため、予算を策定しやすくなります。ただし、契約内容の範囲を超える場合には、追加料金が発生します。特定の情シス業務を継続して依頼したい場合に適しています。
一方の従量課金型は、委託した業務の工数や対応した件数などによって料金が変動する形態です。委託する業務量が少ない場合には費用を抑えられますが、毎月の上限が定められていないため、業務量が多くなると高額になる可能性があります。
従業員の入社時期や事業拡大など、情シスが対応する業務量が変動しやすい場合に適しているといえます。
依頼内容別の費用相場
事業者によってITアウトソーシングの費用は異なりますが、目安となる相場は以下のとおりです。
▼依頼内容別の費用相場
依頼内容 |
費用相場 |
社内ヘルプデスク |
20~100万円/月 |
テクニカルサポート |
20~150万円/月 |
事業者のなかには、業務別ではなく委託する業務をいくつかに区分したプランごとに料金が設定されている場合もあります。
また、ITインフラの構築やシステムの保守運用、IT資産管理などについては、委託する規模・管理対象によって費用が大きく変動する可能性があるため、事業者に確認しておくことが重要です。
ITアウトソーシングを依頼する際のポイント
ITアウトソーシングを依頼する際は、事前に情シス業務を整理したうえで目的に合ったサービスを選ぶことがポイントです。
➀情シス業務の棚卸を行う
自社の情シス業務について棚卸を行い、「どこまでの業務を外部に委託するか」を検討します。情シス業務の棚卸を実施することにより、時間を要する作業や複雑なフローなどが明らかになり、委託する業務との切り分けがしやすくなります。
▼情シス業務の棚卸を行うポイント
- 情シスで対応している業務を内容別に区分する
- 業務別の作業内容・手順・担当者・所要時間・発生頻度を書き出す
- 運用の負担が大きい業務やフローを特定する
経営戦略やIT戦略に関わる重要な業務については、社内の情シスで対応することが望ましいといえます。反対に、一定の頻度で発生する定型業務や知識・技術の面で課題がある業務などは、外部に委託するほうが効率的です。
②目的に応じたサービスを選ぶ
ITアウトソーシングを依頼する目的に応じてサービスを選ぶことが重要です。委託する事業者によって対応できる情シス業務の内容や品質に差があります。
どのような目的で情シス業務を委託するのかを明確にすることで、自社に合ったサービスを選定でき、導入後のミスマッチを防止できます。
▼ITアウトソーシングを導入する目的例
- ノンコア業務の負担を減らしたい
- システムの企画・開発により業務改善を図りたい
- 保守運用の品質を高めて安定稼働を実現したい など
③セキュリティに関する認証を確認する
セキュリティに関する認証を確認しておくことも、ITアウトソーシングを依頼するポイントの一つです。
システムの保守運用やIT資産管理などを外部の事業者に委託する際には、自社が保有する情報資産の提供が必要になる場合があります。
情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際基準となる“ISO認証”を取得している事業者は、機密情報の取り扱いについて規定に基づいたセキュリティ管理が行われていると判断することが可能です。
なお、ISO認証についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
まとめ
この記事では、ITアウトソーシングについて以下の内容を解説しました。
- ITアウトソーシングで依頼できる情シス業務
- ITアウトソーシングを依頼する際の費用
- ITアウトソーシングを依頼する際のポイント
ITアウトソーシングを利用すると、情シスが対応していたITインフラの管理や保守運用、社内ヘルプデスクなどの業務を外部に任せられます。情シス担当者の業務負担が大きい現場や、ITに関する技術・知識に課題を持つ企業に有効といえます。
ただし、事業者や依頼する情シス業務の内容などによって、ITアウトソーシングの費用相場は異なります。
事前に情シス業務の棚卸を実施したうえで、目的に合ったサービスを選ぶことがポイントです。また、自社の情報資産を安全に管理できる事業者へ依頼するために、セキュリティに関する認証の有無を確認しておくことも欠かせません。
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