情シス業務に役立つ国家資格8選。資格を取得するメリットとは
情報システム(以下、情シス)部門では、ITシステムの構築や保守運用、従業員への技術的なサポートなど、幅広い業務に対応します。
情シス部門の管理者のなかには「情シス担当者のスキル強化や業務の効率化を図るために資格を取得してもらいたい」とお考えの方もいるのではないでしょうか。
IT関連の資格にはさまざまな種類があり、分野や難易度も異なるため、担当する業務とスキルのレベルに応じた資格の取得を提案することが重要です。
この記事では、情シス担当者が資格を取得するメリットや、情シス業務に役立つ国家資格を難易度別に紹介します。
なお、IT人材に必要なスキルについてはこちらの記事で解説しています。
目次[非表示]
- 1.情シス担当者に資格を取得してもらうメリット
- 2.情シス向けの資格【初級編】
- 2.1.①基本情報技術者
- 2.2.②ITパスポート
- 2.3.③情報セキュリティマネジメント(SG)
- 3.情シス向けの資格【中級編】
- 3.1.①応用情報技術者
- 3.2.②情報処理安全確保支援士
- 4.情シス向けの資格【上級編】
- 4.1.①プロジェクトマネージャ
- 4.2.②ITサービスマネージャ
- 4.3.③ITストラテジスト
- 5.まとめ
情シス担当者に資格を取得してもらうメリット
情シス担当者による資格の取得を後押しするには、どのようなメリットがあるかを伝えておく必要があります。
▼情シス担当者のメリット
- 実務に役立てられる
- モチベーションの向上につながる
- 報酬アップを目指せる など
資格の取得を通して専門性の高い技術・知識の習得や既存スキルの強化を図ることで、情シス業務をより効率的に行えるようになります。苦手な分野を克服できれば、業務負担の軽減にもつながると考えられます。
また、資格を取得するという目標が生まれて、日々の学習によって成長度合いを実感できるようになると、仕事へのモチベーション向上が期待できます。企業が資格保有者への手当を支給する制度を導入すれば、報酬のアップを目指すことも可能です。
情シス部門の管理者には、情シス担当者の意欲を高めるために、手当の支給や学習のサポートを行うことが求められます。
なお、情シス部門のあるべき姿や求められる役割についてはこちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
情シス向けの資格【初級編】
情シス部門へ新たに配属された担当者や新入社員については、IT関連の基礎的な知識・技術を習得できる資格が役立ちます。
①基本情報技術者
基本情報技術者は、プログラミングに関する基礎的な技術を認定する国家資格です。ITエンジニアに求められる一定のITリテラシーを身につけられるため、システム開発や運用業務への参加が期待できます。
▼資格の取得によって習得できるスキル
- IT全般に関する基本的な知識・技術
- システム開発の上位者による指導に基づく実践的な活用の能力
②ITパスポート
ITパスポートは、ITに関する基礎的な知識の幅広い理解について認定する国家資格です。IT領域だけでなく、経営や法務、財務、マーケティングなど社内業務に役立つ総合的な知識が問われます。
▼資格の取得によって習得できるスキル
- セキュリティやネットワークなどのIT基礎知識
- AI・ビッグデータ・IoTなどの新しい知識
- アジャイル開発の概要
- 経営全般の知識
- プロジェクトマネジメントの知識 など
③情報セキュリティマネジメント(SG)
情報セキュリティマネジメント(SG)は、情報セキュリティの基本的なスキルを認定する国家資格です。
ITを用いた技術的なセキュリティ対策に加えて、情報管理や従業員の意識向上など、安全にITを利活用して組織を脅威から守るために必要なスキルが問われます。
▼資格の取得によって習得できるスキル
- 情報セキュリティの全般(機密性・完全性・可用性、脆弱性、脅威など)
- 情報セキュリティ管理(情報資産管理、インシデント管理など)
- 情報セキュリティ対策(マルウェア、不正アクセスなど)
- 情報セキュリティの関連法規
情シス向けの資格【中級編】
ITに関する基礎的な知識・技術を習得している情シス担当者は、スキルアップを目指すために中級レベルの資格に挑戦することがおすすめです。
①応用情報技術者
応用情報技術者は、初級編で取り上げた“基本情報技術者”の応用版に当たる国家資格です。システム設計・開発・運用に必要な実践的なプログラミングのスキルが問われるため、ITエンジニアのスキル強化や高度IT人材の育成を図りたい場合に適しています。
▼資格の取得によって習得できるスキル
- ITを活用した経営戦略・IT戦略の立案と差異分析の実施
- システム開発に関する提案書の一部作成
- システムの企画・要件定義やアーキテクチャの設計に関する要求の整理
- プロジェクトマネージャの下における予算・工程・品質の管理
- システム開発上位者の方針に基づいた技術的問題の解決 など
②情報処理安全確保支援士
情報処理安全確保支援士は、サイバーセキュリティに関する専門的な知識・技術を活用してインシデント管理を行うスキルを認定する国家資格です。
サイバーセキュリティのリスクを分析・評価して、情報システムの安全を確保するための技術的な対策と組織のマネジメントを行う実践能力が問われます。
▼資格の取得によって習得できるスキル
- サイバーセキュリティのリスク分析・評価
- 情報セキュリティ対策の適用
- システム開発や品質管理に関するセキュリティ観点の指導・助言
- 情報セキュリティ方針や諸規定の作成、従業員への教育・訓練
- インシデント発生時の証拠収集や分析 など
情シス向けの資格【上級編】
上級レベルの資格は、各分野の専門的な知識・技術を習得して、高度なIT人材として活躍するために必要なスキルの強化に役立ちます。
①プロジェクトマネージャ
プロジェクトマネージャは、システム開発のプロジェクトに関わるチームのマネジメントに必要な能力を認定する国家資格です。
プロジェクトの目的を実現する責任を持ち、チームメンバーの指導やサポート、ステークホルダーによる要求の対応などを円滑に遂行するための実践的な能力が求められます。
▼資格の取得によって習得できるスキル
- システム構想・計画に基づくプロジェクト計画の作成
- チームメンバーへの指導や進行管理
- 問題への適切な対策の実施と柔軟な対応
- ステークホルダーとのコミュニケーションによる共創関係の構築
- プロジェクト実績の分析・評価とマネジメントの改善 など
②ITサービスマネージャ
ITサービスマネージャは、ITサービスの計画・設計・移行などを行い企業活動や資源を管理する実践的な能力を認定する国家資格です。
現場のニーズを踏まえたITサービスを導入・管理する主導者となり、IT投資効果を最大化するためのマネジメントスキルが求められます。
▼資格の取得によって習得できるスキル
- ITサービスマネジメントシステムの計画・運用
- 要求事項を踏まえたITサービスの導入・移行・カスタマイズ
- ITサービスのセットアップや保守運用
- ファシリティマネジメント など
③ITストラテジスト
ITストラテジストは、ITを高度に活用してIT戦略を計画・推進する専門的な人材を評価する国家資格です。
経営戦略を踏まえたIT戦略を策定して、事業や業務の改革、競争優位性を確保するサービスの創出などを企画する知識・実践的な能力が求められます。
▼資格の取得によって習得できるスキル
- 事業環境やIT動向、事業環境の分析を踏まえたIT戦略の策定
- IT戦略に基づくシステム計画の策定と実施結果の評価
- システム計画やセキュリティのリスクに関する分析と対策の実施 など
まとめ
この記事では、情シス業務に役立つ資格について以下の内容を解説しました。
- 情シス担当者に資格を取得してもらうメリット
- 情シス業務に役立つ国家資格
情シス業務に役立つ資格には、分野やスキルのレベルが異なるさまざまな種類があります。対応する業務内容やIT育成の目的を踏まえたうえで、段階的に知識・技術を習得できるように資格の取得を促すことが重要です。
また、資格の取得は情シス担当者にもメリットがあります。資格の取得を目指して意欲的に取り組めるように、資格保有者に対する手当の支給や学習のサポートを行うことも必要といえます。
なお、IT人材の育成には継続的な取り組みが求められます。現在の情シス業務について人員が不足している場合には、ITアウトソーシング(業務代行)を活用することも一つの方法です。
『FGLテクノソリューションズ』では、情シス部門が対応する幅広い業務の代行を承っております。IT業務の課題に応じた多角的なサービスにより、情シス部門の円滑な運用をサポートいたします。
サービスの詳細については、こちらから資料をダウンロードしていただけます。