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システム統合で組織の連携を強化! 3つの手法と実行する際のポイント

DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するには、各部門の業務プロセスやデータを連携して一元的に管理できる環境を構築する必要があります。

そのためにシステム統合を実施することで、部門間の連携が強化されて業務の効率化や維持管理コストの削減などの効果が期待されます。

情報システム部門(以下、情シス)や管理部門の担当者のなかには「システム統合でどのようなメリットがあるのか」「どのような手法で実行するのか」など気になる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、システム統合で得られるメリット・デメリットや実施の手法、実行する際のポイントについて解説します。

社内システム導入の失敗例と対策については、こちらの資料をご確認ください。

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※ITツールの導入やデータの利活用によってビジネスモデルを変革すること。


目次[非表示]

  1. 1.システム統合とは
  2. 2.システム統合で得られるメリット・デメリット
    1. 2.1.メリット
    2. 2.2.デメリット
  3. 3.システム統合を実施する主な手法
  4. 4.システム統合を実行する際のポイント
    1. 4.1.➀業務やデータを整理して統合要件を定義する
    2. 4.2.②テストを実施しながら段階的に統合する
    3. 4.3.③運用体制や障害対応フローを見直す
  5. 5.まとめ


システム統合とは

システム統合とは、各部門で運用されている複数の基幹システムを一つにまとめることです。部門ごとに異なる既存システムを運用している現場では、以下のような問題があります。


▼既存システムが抱える問題

  • 企業全体での円滑な情報共有やデータ利活用が難しい
  • システムが複雑化・ブラックボックス化しており、運用の属人化や維持管理コストの増加を招いている など


このような問題を解消するにも、システム統合が求められます。



システム統合で得られるメリット・デメリット

システム統合はDXを推進するうえで重要な取り組みの一つとなりますが、実施にあたってはいくつか注意点もあります。


メリット

システム統合によって得られるメリットには、以下が挙げられます。


▼メリット

  • 業務フローを効率化できる
  • 人的ミスの発生を防げる
  • 維持管理コストを削減できる
  • 経営データの利活用が進む など


システムを一つに統合することで部門間の連携や情報共有が円滑になり、業務フローを効率化できるほか、入力間違いや情報共有漏れなどの人的ミスも減らせます。

また、システムが一つにまとまることで、メンテナンスやアップデートなどの運用・保守管理がしやすくなり、業務負担や維持管理コストの削減が期待できます。

さらに、各部門が保有するデータを一元管理できると、多角的な視点で定量的な分析を行えるようになり、経営課題の把握や戦略の立案に役立てることが可能です。


デメリット

システム統合を実施すると、データの移行時やシステム障害が発生した際に問題が生じる可能性があります。


▼デメリット

  • データの損失リスクがある
  • システム障害時の影響が大きくなる可能性がある
  • よりよい機能が備わった他製品があっても導入しにくくなる など


既存システムにあるデータを移行するプロセスで不具合が発生すると、データが損失する可能性があります。

自然災害やサイバー攻撃によって障害が発生した際には、すべての部門でシステムを利用できなくなる可能性があり、業務が停止するリスクも懸念されます。

そのほか社内の基幹システムを一つにまとめると、特定の部門にとって使いやすい他製品があった場合に導入のハードルが高くなることもデメリットの一つです。



システム統合を実施する主な手法

システム統合を実施する手法には、主に以下の3つが考えられます。


▼システム統合の手法

手法
概要
1.既存システムへの集約
運用中の既存システムをそのまま利用して、ほかのシステム内にあるデータや機能を移行する
2.データの連携
既存システムを残したまま各部門が管理するデータを可視化・一元管理できるようにする
3.新たなシステムへの移行
新たにシステムを構築して、既存システムのデータや機能を移行させる


既存システムに集約する手法では、システム統合の初期費用を抑えられます。ただし、業務に必要な要件を満たせない場合は、別途改修や機能拡張が必要になるケースもあります。

データを連携する手法では、既存システムを維持することから、統合作業に伴う業務への影響を抑えられます。ただし、データの連携時の不具合が生じたり、システム構造が複雑化したりする可能性があります。システム間で直接連携することが難しい場合は、連携するためのデータベースを事前に準備する方法があります。この方法では、データベース内でデータを加工してから連携を行います。

新たなシステムを構築する手法では、ブラックボックス化の問題を解決することが可能です。ただし、初期費用や開発期間が必要になるため、十分なリソースの確保が求められます。

なお、社内システムのクラウド移行についてはこちらの記事をご確認ください。

  社内システムをクラウド化するメリット・デメリットと移行の流れを解説 社内システムのクラウド化を検討中の企業必見。クラウド化のメリット・デメリットや移行の流れを詳しく解説。業務効率化やコスト削減を実現するための具体的なステップを今すぐチェック。 株式会社FGLテクノソリューションズ



システム統合を実行する際のポイント

システム統合を実施する際は、綿密な要件定義を実施するとともに、テストの実施や運用体制の見直しを行うことがポイントです。


➀業務やデータを整理して統合要件を定義する

システム統合の準備を進める際は、各部門の業務やデータを整理して統合要件を定義することが重要です。


▼統合要件を定義する際のポイント

  • 既存システムの問題点や統合する目的を明確にする
  • 各部門の業務に必要な機能や仕様を検討する
  • 各部門が管理しているデータを洗い出す
  • システム統合後の業務フローを策定する など


既存システムの問題点や必要な機能を整理することで、業務フローの再設計やデータの移行・連携方法などを検討できるようになります。


②テストを実施しながら段階的に統合する

既存システムの機能やデータを移行または連携する際は、テストを実施しながら段階的に統合することがポイントです。

設定した要件に沿って問題なく統合できるか検証を行ってから範囲を拡大させることで、不具合によるデータの損失や統合後のトラブルを防げます。

また、統合時にデータの損失が起きた場合に備えて、事前にバックアップを取得しておくことも重要です。


③運用体制や障害対応フローを見直す

システム統合に伴い、社内の運用体制や障害対応のフローを見直すことが必要です。複数の既存システムを統合すると、ネットワークの負荷やCPU・メモリといったリソースの圧迫によってパフォーマンスが低下する可能性があります。

また、システム障害が発生した場合には、業務の停止によって企業全体に影響を及ぼしかねません。システム運用に対するセキュリティ対策を強化するとともに、異常の早期検知と迅速な復旧作業を行える体制づくりが求められます。


▼システムの運用体制や障害対応フローを見直す際のポイント

  • システムのパフォーマンスを監視しながらリソースを調整する
  • 稼働状況のリアルタイム監視や異常検知を行えるツールを導入する
  • インシデント発生時の影響範囲を確認して復旧対応の優先順位を定める など


情シス担当者が知っておきたい障害対応のフローについては、こちらの記事で解説しています。

  障害対応のフローはどうする? 実施のポイントや障害の発生リスクを防ぐための5つの対策 障害発生時の迅速な対応フローとリスク軽減策を解説。社内システムの安定運用を実現するための3つの対策やITアウトソーシングの活用法を紹介し、業務の継続性を確保する具体的な方法を今すぐチェック。 株式会社FGLテクノソリューションズ



まとめ

この記事では、システム統合について以下の内容を解説しました。


  • システム統合の概要
  • システム統合で得られるメリット・デメリット
  • システム統合を実施する主な手法
  • システム統合を実行する際のポイント


社内にある複数のシステムを一つに統合することで、部門間の連携や情報共有がスムーズになり、業務の効率化や維持管理コストの削減などの効果が期待されます。

自社に合った手法でシステム統合を進めるには、現状課題や業務の特性を踏まえて統合要件を定義することが重要です。また、システムの機能だけでなく、業務自体に対しても「従来のやり方が正しい」という固定観念にとらわれずに見直しすることが求められます。

FGLテクノソリューションズ』では、社内のシステム統合に向けたネットワークの環境設計や構築、運用管理に至るまでトータルサポートしています。貴社の要件に合わせたITインフラの整備を支援いたします。

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山根 佐利
山根 佐利
1998年に入社し、インフラエンジニアとしてシステム導入から運用を担当しました。 2000年には社内情シス業務のアウトソーシングサービスを立ち上げ、現在はマーケティング兼プリセールスを担当し、サービス事業部と共に自社の社内情シス担当も兼務してノウハウを習得しています。

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