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中小企業のDXが進まない理由とは。推進する流れやコツを紹介

経済産業省が発表した2018年の『DXレポート』では、複雑化・老朽化・ブラックボックス化したレガシーシステムが残存した場合、2025年までに最大12兆円の経済損失が発生するという“2025年の崖”が提唱されました。

しかし、DX(デジタルトランスフォーメーション)の実現が求められてからおおよそ6年が経過した今、DXの必要性を「理解している」「ある程度理解している」と答えた中小企業は約半数にとどまっている状況です。

▼中小企業におけるDXに対する理解度

中小企業におけるDXに対する理解度

画像引用元:経済産業省『DX支援ガイダンス

企業でシステム開発・保守運用を担う部門においては「中小企業のDXが進まない原因には何があるのか」「どのようにDXを推進すればよいのか」と悩みを持つ方もいるのではないでしょうか。

この記事では、中小企業のDXが進まない原因や取り組みの流れ、DXを推進するコツについて解説します。

※市場の競争優位性を確保するために、デジタル技術やデータの利活用を通じて新たなビジネスモデルを創出すること。

出典:経済産業省『DXレポート』『DX支援ガイダンス

目次[非表示]

  1. 1.中小企業のDXが進まない原因
    1. 1.1.IT人材の不足
    2. 1.2.資金を確保できない
    3. 1.3.経営層がDXの必要性を感じていない
  2. 2.中小企業におけるDXの進め方
  3. 3.中小企業がDXを推進するコツ
    1. 3.1.➀経営層が主体となってDXを推進する体制をつくる
    2. 3.2.②スモールスタートする
    3. 3.3.③助成金・補助金を利用する
    4. 3.4.④外部の支援企業や専門家を活用する
  4. 4.まとめ

中小企業のDXが進まない原因

中小企業のDXが進まない原因には、IT人材や資金の確保に関する課題のほか、経営者による意識・理解の不足などが考えられます。

IT人材の不足

デジタル技術の進展に伴い、ITに関する高度な専門知識・技術を持つ人材の需要が高まる一方で、社内のIT人材が不足している中小企業も少なくありません。

経済産業省の『DX支援ガイダンス』によると、中小企業におけるDXの課題としてIT人材に関する回答が多く見られています。

▼DX推進におけるIT人材に関する課題

課題
回答した中小企業の割合
ITに関わる人材が足りない
28.1%
DX推進に関わる人材が足りない
27.2%

経済産業省『DX支援ガイダンス』を基に作成

また、IT人材の確保に関する課題の背景には、社内での採用・育成体制や、既存システムの運用・保守に関する問題が影響していると考えられます。

▼IT人材の確保に関する課題

  • IT人材を採用・育成する体制を整備できていない
  • 既存システムの開発を担当したIT人材が定年退職することにより、ノウハウが喪失する
  • 既存システムの運用・保守に人材が割かれており、DX推進のためのIT戦略にリソースを割り当てる余裕がない など

なお、IT人材の不足についてはこちらの記事でも解説しています。

出典:経済産業省『DX支援ガイダンス

資金を確保できない

経営資源が限られやすい中小企業では、DX推進に向けた資金の確保が難しく、積極的なIT投資が行えていない可能性があります。

国内企業におけるIT予算のうち、約8割が現行システムの維持管理に充てられているほか、レガシーシステムを抱えている場合はさらに保守運用のコストが増大すると考えられます。

DXを推進するには、新たな企業価値に直結する戦略に対して経営資源を集中させて、“攻めのIT”への投資を行うことが求められます。

なお、攻めのITやIT投資についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

出典:経済産業省『DXレポート

経営層がDXの必要性を感じていない

経営層によるDXの意識・理解が十分でなく、取り組みの必要性を感じていないことも原因の一つに挙げられます。これには経営層の姿勢や関与に関して問題があることが考えられます。

▼経営層による姿勢や関与に関する問題

  • 既存システムの刷新や新たなデジタル技術の活用を進めるメリットよりも、リスク・コストに目を向けてしまう
  • IT戦略に関して経営層の関与が低い など

DXを実現するには、経営層が新しい技術を受け入れる姿勢を示すとともに、組織が一体となって取り組もうとする企業文化・風土を醸成することが必要です。

中小企業におけるDXの進め方

中小企業がDXを推進する際は、「実現したい未来=経営ビジョン」を明確にしたうえで、現状課題をどのように解決していくか戦略を組み立てる必要があります。

経済産業省の『中堅・中小企業等向け デジタルガバナンス・コード実践の手引き2.1』では、DXの進め方を4段階のプロセスで示しています。

▼DXの進め方

プロセス
取り組み
1.意思決定
経営層による経営方針の提示
パーパス(存在意義)に基づいた経営ビジョンの策定
DX推進チームの設定・体制整備 など
2.全体構想・意識改革
DXに主体的に取り組む人材の育成・確保
DX推進チームと事業部門の協力体制の整備
アナログデータのデジタル化
企業文化・風土の醸成による社内全体の活発化 など
3.本格推進
デジタル技術を活用した業務プロセスの見直し
データの利活用を行えるシステムの構築 など
4.DXの拡大・実現
攻めのITへの投資・意思決定
顧客やサプライチェーンへの新たな価値提供 など

これらのプロセスは、中長期的な目線で継続的に取り組むことが求められます。DX推進を支える内部人材の育成や組織文化の醸成にも積極的な姿勢が必要です。

出典:経済産業省の『中堅・中小企業等向け デジタルガバナンス・コード実践の手引き2.1

中小企業がDXを推進するコツ

中小企業がDXを推進するには、経営層の関与を深めるとともに、外部の支援を活用して人材・資金・ノウハウを確保することがカギとなります。

➀経営層が主体となってDXを推進する体制をつくる

全社でDX推進に取り組むには、経営層が主体となって社内外の関係者を巻き込んでいく体制が求められます。そのためには、経営者がDXの本質的な目的や将来に目指す姿を明確に定義して、社内外の関係者に浸透させることが必要です。

将来ありたい姿を経営ビジョンとして描き、「実現のために解決する課題は何か」「課題解決のためにどのようにデジタル技術を活用していくか」を明確にすることで、戦略の軸が定まりDX実現に向けた具体的な施策を検討できます。

経営ビジョンに基づいたトップダウンによる意思決定を行える体制を構築することにより、DXという言葉だけが一人歩きして失敗する問題を避けられます。

②スモールスタートする

DXに取り組む際は、一斉に既存の業務フローやシステムを変えるのではなく、小規模の範囲から段階的にデジタル技術の導入を進めていくことがコツです。

▼スモールスタートの例

  1. アナログなデータをデジタル形式で管理・共有する
  2. バックオフィス業務をペーパーレス化する
  3. システムを活用して業務フローを自動化・省人化する
  4. データ分析による利活用の仕組みを構築する

小規模な取り組みで効果検証を行いながら、徐々にDXの範囲を拡大していくことで、大規模なIT投資によって失敗してしまうリスクを軽減できます。

③助成金・補助金を利用する

IT投資を積極的に行うために、助成金・補助金を活用することが有効です。

中小企業では、既存システムの刷新やIT人材の育成などに必要な資金を確保することが難しい場合があります。国や都道府県が運用する助成金・補助金を活用することで、IT投資の促進を図れます。

▼DXを対象とした主な補助金制度

  • IT導入補助金
  • 小規模事業者持続化補助金 など

④外部の支援企業や専門家を活用する

IT人材の採用または育成に課題があり、独力によるDXの推進が難しい場合には、外部の支援企業や専門家にサポートを依頼することも一つの方法です。

ITベンダーやコンサルタント、ITコーディネーターなどと協力関係をつくることで、DXのプロセスを効率的に進められます。

ITアウトソーシングのサービス形態の種類や活用方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

まとめ

この記事では、中小企業のDXについて以下の内容を解説しました。

  • 中小企業のDXが進まない原因
  • DXの進め方
  • 中小企業がDXを推進するコツ

中小企業がDXに取り組むにあたっては、人材・資金・ノウハウといった経営資源の不足や、経営層による関与の低さなどが課題といえます。

DXを実現するには、経営層が主体となって取り組む体制を構築するとともに、外部の支援を活用して人材・資金・ノウハウを確保することが重要です。

FGLテクノソリューションズ』では、約20年にわたって蓄積した経験とノウハウを基に、ITインフラの構築や運用管理のサポートを行っています。DXに向けたITインフラの見直しやデジタル活用などもお任せください。

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霜島 裕也
霜島 裕也
2022年にFTSへ入社。社内情シス業務アウトソーシングサービスのマーケティング兼プリセールスを担当している。最近は法務関連の事務局にも従事。IT関連資格としてPMP、ITコーディネータを保有し、現在も維持している。 入社前の1991年~2015年は総合電機メーカーにて、総務、販売企画、営業、SE、プロジェクトマネジメントなど幅広い業務を経験。

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