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DXの進め方とは。具体的なステップとポイント

少子高齢化が進展するなかで持続可能な経営基盤を構築するには、生産性の向上や付加価値の創出を図り、競争力を強化することが不可欠といえます。

そのためには、デジタル技術の利活用を通じてビジネスモデルを変革させる“DX(デジタルトランスフォーメーション)”に取り組むことが重要です。

しかし、企業の情報システム部門・管理部門において「何から始めればよいか分からない」と悩む方も少なくありません。

この記事では、日本におけるDXの現状と具体的な進め方、実践のポイントについて解説します。

FGLテクノソリューションズでは、ITインフラの構築や運用管理のサポートサービスを提供しております。詳しくはこちらの資料をご覧ください。


目次[非表示]

  1. 1.日本におけるDXの現状
  2. 2.DXの進め方
    1. 2.1.ステップ1|経営ビジョンを策定にする
    2. 2.2.ステップ2|プロジェクトチームを設置する
    3. 2.3.ステップ3|現状とのギャップを分析して課題を把握する
    4. 2.4.ステップ4|DX戦略とロードマップを策定する
    5. 2.5.ステップ5|PDCAを回す
  3. 3.DX推進に取り組む際のポイント
    1. 3.1.➀ITツールの導入を最終目的にしない
    2. 3.2.②社内全体の行動変容を促す
    3. 3.3.③小さな成功体験を積み重ねながら進める
    4. 3.4.④ITアウトソーシング(業務代行)を活用する
  4. 4.まとめ


日本におけるDXの現状

日本では、企業規模によってDXの取り組み状況に差が生じています。

総務省の『令和6年版 情報通信白書』によると、日本は海外と比べてデジタル化の取り組みが遅れており、大企業では約25%、中小企業では約70%が「未実施」と回答しています。


▼各国におけるデジタル化の取り組み状況

各国におけるデジタル化の取り組み状況

画像引用元:総務省『令和6年版 情報通信白書


中小企業では、大企業と比較して予算や人員などのリソースに限りがあることから、DXの推進を足踏みする企業も少なくないと考えられます。

また、中小企業庁が作成している『2024年版 中小企業白書』では、DXを目標としたデジタル化の取り組みを4つの段階に分けて推進状況を確認しています。


▼DXを目標としたデジタル化の取り組み段階

DXを目標としたデジタル化の取り組み段階

画像引用元:中小企業庁『2024年版 中小企業白書 第7節 DX(デジタル・トランスフォーメーション)


この指標に基づいた調査によると、DXに取り組む中小企業は年々増加傾向にあるものの、段階1~2の初期フェーズにとどまる企業が約66%を占めています。


▼中小企業におけるDXの取り組み状況

中小企業におけるDXの取り組み状況

画像引用元:中小企業庁『2024年版 中小企業白書 第7節 DX(デジタル・トランスフォーメーション)


上記のうち、段階3については2019年の9.5%から2023年には26.9%まで増加しており着実に進展が見られています。しかし、段階4の“デジタル化を通じたビジネスモデルの変革や競争力の強化”まで達している企業はわずか6.9%となり、中小企業のDX推進はいまだ途上段階にあることが分かります。

なお、中小企業のDXが進まない理由についてはこちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。

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出典:総務省『令和6年版 情報通信白書』/中小企業庁『2024年版 中小企業白書 第7節 DX(デジタル・トランスフォーメーション)



DXの進め方

DXを推進するには、経営層の積極的な関与のもとで全社的に取り組む必要があります。現場の理解・協力を得ながら段階的なアプローチを実行して、小さな成功体験を積み重ねていくことで、着実に成果へとつなげられます。

DXを効果的に推進するためには、具体的な進め方を知ることが重要です。


ステップ1|経営ビジョンを策定にする

DXを推進する第一歩は、経営ビジョンを策定することです。

単なるデジタル化ではなく、「デジタル技術を活用してどのような価値を創出したいのか」「将来にどのような姿でありたいのか」といったゴールのイメージを描くことで、DXの目的が明らかになり具体的な戦略を立てられるようになります。


▼経営ビジョンを策定するポイント

  • 企業理念や存在意義(パーパス)を明確にする
  • 5年後・10年後に目指す企業の姿を具体化する
  • 経営戦略との整合性を確保する


経営ビジョンは、経営層のトップダウンによって全社に共有することが大切です。DXは組織全体で取り組む必要があるため、目的や目指す方向性を共有できていないと、各部門の協力を得られず推進が滞る原因となります。


ステップ2|プロジェクトチームを設置する

DXを効果的に推進するには、主体的に取り組むプロジェクトチームの設置が必要です。チームを構成する際は、幅広い知見を活用するために、IT関連部門だけでなく事業部門や経営企画部門などからもメンバーを集めることがポイントです。


▼プロジェクトチームを設置する際のポイント

  • チームを統括する専任のリーダーを置く
  • 経営層や事業部門と円滑に連携できる体制を整備する
  • 外部のコンサルタントやベンダーと調整を行う担当者を選定する


プロジェクトリーダーには、組織全体を見渡せる視野と強いリーダーシップが求められます。また、外部のコンサルタントやベンダーとの連携も必要になるため、プロジェクトマネジメントのスキルを持つ人材も必要です。


ステップ3|現状とのギャップを分析して課題を把握する

ステップ1で策定した経営ビジョンを踏まえたうえで、現状とのギャップを分析して課題を把握します。

“実現したい未来”の障壁となる課題を把握することで、「デジタル技術を活用してどのように解決していくのか」といった方向性を明確にできます。

既存の業務プロセスと社内システムの状況を詳細に分析して、非効率な部分や改善が必要な点を洗い出すことがポイントです。


▼現状課題の例

  • 部門間でデータが共有されていない
  • 手作業による入力ミスが多発している
  • レガシーシステムの保守コストが高額になっている
  • 顧客ニーズの変化や市場環境の変化に十分に対応できていない など


課題を洗い出す際には、現場へのヒアリングが欠かせません。従業員の声を聞くことで、表面的には見えない課題や改善のヒントが得られることがあります。


ステップ4|DX戦略とロードマップを策定する

経営ビジョンを達成するための課題を明らかにしたあとは、DX戦略と具体的な実行計画をまとめたロードマップを策定します。

DX戦略は、経営ビジョンと連動させて策定する必要があります。また、ロードマップを策定する際は、短期・中期・長期の目標と、それぞれの達成に必要な施策を時系列で整理することがポイントです。


▼DX推進におけるロードマップの例

計画進行
施策
第1フェーズ
基幹システムの刷新、業務プロセスの標準化
第2フェーズ
データ分析基盤の構築
第3フェーズ
新規サービスの開発


施策を決める際には、必要な予算・人材・技術などを明らかにして、実現可能性を十分に検討することが欠かせません。課題の優先度や投資の採算性なども踏まえて実行の判断を行うことが重要といえます。


ステップ5|PDCAを回す

DX推進は長期的な取り組みとなるため、ロードマップの実行段階において定期的な評価と改善のサイクル(PDCA)を確立することが重要です。検証と改善策を繰り返して計画のブラッシュアップを行うことで、DX推進の実効性を高められます。


▼PDCAを回してDXを推進するポイント

  • 設定した目標に対する進捗状況に応じて施策の見直しを行う
  • 現場の声を積極的に収集して問題点・改善点を把握する
  • 業務フローや権限の見直しを行い、システム・ツールを横断的に運用する




DX推進に取り組む際のポイント

DX推進に取り組む際は、社内全体を巻き込んでデジタル技術を活用した企業価値の向上を図ることが重要です。


➀ITツールの導入を最終目的にしない

DXの本質は、デジタル技術を活用して新たな価値を創出することです。しかし、ITツールの導入自体が目的化してしまい、本来の目的といえるビジネスモデルの変革や価値創造につながっていないケースも見られます。

ITツールの導入は、DXを推進する手段であって目的ではありません。「課題を解決するためにどのようなデジタル技術が必要なのか」「収集したデータを既存事業・新規事業にどう生かすのか」を検討してDXの戦略を立てることが重要です。


②社内全体の行動変容を促す

全社的なDXを推進するには、経営層はもちろん従業員一人ひとりが課題への認識を持ち、主体的に取り組むことが求められます。そのためには、従業員の考え方や行動の変容を促すことが重要といえます。

プロジェクトチームでは、経営層が策定した経営ビジョンに基づいて、デジタル技術の活用に向けた従業員の行動指針を策定するとともに、新たなことに挑戦するマインドセットの醸成に取り組むことがポイントです。


▼プロジェクトチームが実施する施策例

  • DXに取り組む意義や目標を社内全体に周知する
  • 新しいITツールのトレーニングや業務マニュアルの作成を行う
  • ITリテラシー向上のための研修・教育プログラムを実施する


③小さな成功体験を積み重ねながら進める

DXを進める際は、小さな範囲からデジタル化を進めて、成功事例を積み重ねながら段階的にビジネスモデルの変革を進めていくことがポイントです。

部門をまたぐ大規模な範囲でいきなりデジタル化を行うと、従業員に抵抗感が生まれたり、現場のトラブルを招いたりする可能性があります。

まずは一部の部門や身近な業務からデジタル化に取り組み、検証と改善を繰り返して成功事例を得てからプロジェクトの範囲を広げることで実現性を高められます。


④ITアウトソーシング(業務代行)を活用する

ITアウトソーシングを活用することもポイントの一つです。

DXによってビジネスモデルや組織文化の変革を図るには、デジタル技術に関する知識・ノウハウが不可欠です。しかし、中小企業においてはIT人材の確保・育成に課題を持つケースも多く、自社のみでDXの推進が難しい場合があります。

外部の専門家やベンダーの支援を受けることにより、自社に不足している知識・ノウハウを確保できます。また、支援事業者が有する最新の技術とベストプラクティスを取り入れられるため、効果的・効率的にDXを推進することが可能です。


▼ITアウトソーシングを活用する際の注意点

  • 自社の経営ビジョンやDXの目的を支援事業者と共有する
  • 密な情報共有を行い、社内にノウハウを蓄積する仕組みを整備する
  • 自社が所有する情報資産を守るためのセキュリティ管理を行う など


なお、ITアウトソーシングについてはこちらの記事をご確認ください。

  ITアウトソーシング(業務代行)とは? サービス形態の種類と活用のメリット 人材不足が起きている、または従業員数が少ない企業では、社内システムの構築や運用などを担う情報システム部門(以下、情シス)の人員を十分に確保できないことがあります。そこで注目されているのが“ITアウトソーシング(業務代行)”です。 企業の情シスや管理部門においては「ITアウトソーシングにはどのような形態があるのか」「活用することでどのようなメリットがあるのか」などと疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。 この記事では、ITアウトソーシングにおけるサービス形態の種類と活用によるメリット・デメリット、委託先の企業を選ぶポイントについて解説します。 株式会社FGLテクノソリューションズ

また、ITアウトソーシングの業者を選ぶ際はこちらの資料も参考にしてみてください。

  資料ダウンロード|情シス業務こそアウトソーシングが重要!【失敗しない業者選びのポイントも解説】 本書では、情シス業務におけるアウトソーシングの重要性、メリットから実際に活用する際の業者選びのポイントまで解説します。 株式会社FGLテクノソリューションズ



まとめ

この記事では、DXについて以下の内容を解説しました。


  • 日本におけるDXの現状
  • DXの進め方
  • DX推進に取り組む際のポイント


DXは、企業の競争力を高めて持続的な経営を行うために欠かせない取り組みとなっています。経営層の積極的な関与のもとで、経営ビジョンに沿った全社的に取り組みを推進して、ビジネスモデルの変革や価値創出を目指すことが重要です。

また、デジタル技術に精通したIT人材が社内に不足している場合には、ITアウトソーシングを活用することもポイントです。

FGLテクノソリューションズ』では、約20年にわたって蓄積した経験とノウハウを基に、ITインフラの構築や運用管理のサポートを行っています。DXに向けたITインフラの見直しやデジタル活用などもお任せください。

詳しくは、こちらの資料をご確認ください。

山根 佐利
山根 佐利
1998年に入社し、インフラエンジニアとしてシステム導入から運用を担当しました。 2000年には社内情シス業務のアウトソーシングサービスを立ち上げ、現在はマーケティング兼プリセールスを担当し、サービス事業部と共に自社の社内情シス担当も兼務してノウハウを習得しています。

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