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中小企業の経営における課題とは。企業を成長させるための4つの対策

日本では全企業のうち、中小企業が約99.7%を占めています。中小企業における経常利益は長期的には上昇傾向にあるものの、大企業と比較して伸び悩み、差が拡大しています。


▼売上高・経常利益の推移

売上高・経常利益の推移

画像引用元:中小企業庁『2025年版中小企業白書・小規模企業白書の概要(案)


中小企業が経常利益を伸ばしていくためには、経営におけるさまざまな課題に取り組み、成長していくことが欠かせません。

この記事では、中小企業の経営における課題と、課題を解決するための対策について解説します。


出典:中小企業庁『2024年版 中小企業白書・小規模企業白書』『2025年版中小企業白書・小規模企業白書の概要(案)


目次[非表示]

  1. 1.中小企業の経営における課題
    1. 1.1.人手不足の解消
    2. 1.2.資金の調達
    3. 1.3.競争力の維持・強化
    4. 1.4.生産性の向上
  2. 2.中小企業の課題解決による成長に向けた4つの対策
    1. 2.1.ノンコア業務を外部に委託する
    2. 2.2.補助金を活用する
    3. 2.3.IT投資を実施する
    4. 2.4.バックオフィスを効率化する
  3. 3.まとめ


中小企業の経営における課題

中小企業の経営においては、人手不足の解消や資金の調達、競争力の維持・強化、生産性の向上などの課題があります。


人手不足の解消

中小企業においては、人手不足が深刻です。中小企業庁の『2024年版 中小企業白書・小規模企業白書』によると、中核人材が不足している中小企業は7割を超えており、業務人材についても6割以上の中小企業で不足が生じています。


▼中小企業における人材の過不足状況

中小企業における人材の過不足状況

画像引用元:中小企業庁『2024年版 中小企業白書・小規模企業白書


中小企業の成長のためには、人手不足の解消を図る必要があります。


出典:中小企業庁『2024年版 中小企業白書・小規模企業白書


資金の調達

資金の調達は、企業を経営するうえで避けられない課題です。中小企業・小規模事業者向けの支援機関におけるデータでは、事業者から相談される頻度が高い経営課題として“資金繰り改善”が多くを占めています。


▼事業者からの相談頻度が高い経営課題

事業者からの相談頻度が高い経営課題

画像引用元:中小企業庁『2025年版中小企業白書・小規模企業白書の概要(案)


中小企業は大企業と比べて資金面での余裕が限られていることから、資金の調達がより重要になりやすいといえます。


出典:中小企業庁『2025年版中小企業白書・小規模企業白書の概要(案)


競争力の維持・強化

中小企業が事業を継続して成長していくには、市場における競争力の維持・強化が欠かせません。競争力が低下すると、市場でのシェアを失って事業の撤退や倒産につながる可能性があります。

社会の変化や新技術の登場などの影響によって市場は常に変化するため、機会を逃さずに対応していくことが重要です。


生産性の向上

中小企業における課題として、生産性の向上が挙げられます。近年、大企業では生産性が上昇傾向にあるのに対して、中小企業の生産性は伸び悩んでいます。


▼企業規模別における生産性の推移

企業規模別における生産性の推移

画像引用元:中小企業庁『2025年版中小企業白書・小規模企業白書の概要(案)


慢性的な人手不足や働き方改革による長時間労働の是正のなかで中小企業が成長していくには、業務における生産性の向上が欠かせません。


出典:中小企業庁『2025年版中小企業白書・小規模企業白書の概要(案)



中小企業の課題解決による成長に向けた4つの対策

中小企業の課題を解決して成長につなげる対策としては、ノンコア業務の外部委託や補助金の活用、IT投資の実施、バックオフィスの効率化などが挙げられます。


ノンコア業務を外部に委託する

中小企業における人手不足を解消するには、企業の収益に直接つながらないノンコア業務を外部事業者に委託することが有効です。

ノンコア業務を委託することで、自社の従業員は収益に直接貢献するコア業務に集中できるようになり、人手不足の状態に対応しやすくなります。

例えば、特に人手が足りなくなりやすい情報システム部門(以下、情シス)におけるノンコア業務を、ITアウトソーシング(業務代行)する方法が考えられます。

なお、情シスのITアウトソーシングについてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

  情報システム(情シス)部門の業務をITアウトソーシング(業務代行)する方法と依頼する際のポイント 情シス部門の業務を外部に委託するメリットと方法を解説。業務負担の軽減や属人化の防止、人材不足の解消に役立つ具体的なアプローチを紹介し、IT戦略を見直すための情報を提供します。 株式会社FGLテクノソリューションズ


補助金を活用する

資金の調達においては、国や自治体による中小企業を支援するための補助金を活用する方法があります。


▼中小企業を支援する補助金の例

補助金の種類
概要
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
新製品・サービスの開発や生産プロセスの省力化のための設備投資などを支援する補助金
IT導入補助金
業務効率化やDX推進に向けたITツールの導入を支援する補助金
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者が経営計画を作成して販路開拓を行う取り組みを支援する補助金
事業再構築補助金
新分野展開や業態転換などをはじめとする事業の再構築に挑戦する中小企業を支援する補助金

中小企業庁『2024年度版中小企業施策利用ガイドブック』を基に作成


なお、IT導入に利用できる補助金についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

  中小企業がIT導入に使える補助金とは。2025年度に向けて準備しよう IT導入を後押しする補助金制度を詳しく解説。中小企業が活用できる補助金の種類や申請準備のポイントを紹介し、デジタル化を進めるための具体的な手法を提供します。業務効率を高めるヒントが満載です。 株式会社FGLテクノソリューションズ


出典:中小企業庁『2024年度版中小企業施策利用ガイドブック


IT投資を実施する

デジタル時代において企業の競争力を維持・強化するには、IT投資が欠かせません。IT投資とは、新たなデジタル技術を取り入れる目的で、ITシステムや施設環境の整備、人材の確保などに資金を投入する施策です。

IT投資を実施することで、デジタル技術を活用したビジネスモデルの変革が可能になり、新たな価値の創出による競争力の強化が期待できます。

なお、IT投資についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

  IT投資とは。効果的にデジタル技術を取り入れて企業競争力を高めるには IT投資を通じて企業競争力を強化する方法を解説。デジタル技術の導入や業務プロセスの自動化、2025年の崖への対応策を具体的に紹介し、成功するIT投資のポイントを提案します。 株式会社FGLテクノソリューションズ


バックオフィスを効率化する

人事・経理・総務・情シスなどのバックオフィス業務を効率化することで、生産性の向上が期待できます。

バックオフィスを効率化する方法としては、システムの導入による定型業務の自動化や、専門事業者に外部委託するBPOの活用などが有効です。

なお、バックオフィスのBPOについてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。

  バックオフィスをBPOするメリットとは。BPO事業者を選ぶポイント BPOを活用してバックオフィス業務を効率化する方法を解説。委託可能な業務やBPO事業者選びのポイントを紹介し、コスト削減と業務品質向上を実現するための具体的な戦略を提供します。 株式会社FGLテクノソリューションズ



まとめ

この記事では、中小企業について以下の内容を解説しました。


  • 中小企業の経営における課題
  • 中小企業の課題解決による成長に向けた4つの対策


中小企業の経営においては、人手不足の解消や資金の調達、競争力の維持・強化、生産性の向上などの課題があります。

中小企業がこれらの課題を解決して成長するには、ノンコア業務の外部委託や補助金の活用、IT投資の実施、バックオフィスの効率化などの対策が重要です。

FGLテクノソリューションズ』の社内システム運用管理サービスでは、情シス業務の外部委託によるITアウトソーシングが可能です。専任のITコンシェルジュによる課題解決の提案を行い、貴社の規模や状況に応じて必要なサービスのみをお任せいただけます。

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山根 佐利
山根 佐利
1998年に入社し、インフラエンジニアとしてシステム導入から運用を担当しました。 2000年には社内情シス業務のアウトソーシングサービスを立ち上げ、現在はマーケティング兼プリセールスを担当し、サービス事業部と共に自社の社内情シス担当も兼務してノウハウを習得しています。

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