社内システムが「使いにくい!」といわれる3つの理由と解決策
DX(デジタルトランスフォーメーション)や働き方改革が推進されている今、業務の効率化、ペーパーレス化などを目的にあらゆる業種・職種で社内システムが導入されています。
しかし、従業員が使いにくい社内システムを運用している場合には、現場で使用されなくなり形骸化したり、ブラックボックス化したりして有効な活用につながらない可能性があります。
企業の情報システム部門(以下、情シス)や管理部門では、「現行の社内システムに不満の声が上がっており、解決策を模索している」という方もいるのではないでしょうか。この記事では、社内システムが使いにくいといわれる理由と解決策について解説します。
目次[非表示]
- 1.社内システムが使いにくいといわれる理由
- 1.1.①レガシー化している
- 1.2.②システムの種類が多い
- 1.3.③フォローができていない
- 2.社内システムを使いやすくするための解決策
- 3.まとめ
社内システムが使いにくいといわれる理由
社内システムが使いにくいといわれる理由には、システムの老朽化や煩雑化が進んでいること、現場へのフォローが十分にできていないことが考えられます。
①レガシー化している
1つ目の理由は、システムのレガシー化です。
導入してから長年経過している社内システムは、技術の老朽化が進んでおり実務での使い勝手が悪くなっていることが考えられます。
また、部分的な修正や改良を繰り返した結果、システムが複雑化・肥大化してしまい保守運用の負担が増えたり、ブラックボックス化が起きたりすることも考えられます。ブラックボックス化が起きると、情シス部門でも属人化が避けられず、ITと業務のモニタリングやコントロールが不能になるといった自体につながります。
このような老朽化によってブラックボックス化したシステムは“レガシーシステム”と呼ばれます。レガシーシステムは業務の支援が困難となり、ITサービスの利活用度が低下します。その結果、DXを推進する足かせになることが懸念されています。
②システムの種類が多い
2つ目の理由は、システムの種類が多いことです。
多種多様な社内システムを導入している場合、システムをまたいだ二重入力や転記、データ連携などの作業が発生して使いにくくなることがあります。また、ITガバナンスが効いていない状態で社内システムだけを増やすことで、適切なITの投資対効果を出すことができません。
ほかにも、システムの種類が増えると、ユーザーのアカウント数が増加してIDやパスワードの管理が煩雑になりがちです。
部門ごとに異なる社内システムを個別で導入していると、情報共有やコミュニケーションに労力がかかることも懸念されます。
以上のようなことから、結果としてその場しのぎのシステムを導入することとなり、社内システムの煩雑化をさらに加速させてしまいます。
なお、ID管理の課題についてはこちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
③フォローができていない
3つ目の理由は、従業員へのフォローが不十分なことです。
社内システムの機能や操作方法が複雑な場合、使いにくさを感じやすくなります。特に多機能かつ複雑な社内システムは、従業員のIT成熟度が上がらず、うまく使いこなせないこともあります。
また、社内システムの導入目的や利用シーンなどを共有していない場合、業務プロセスが変わることに抵抗感を覚える従業員もいるため、システムが利用されない可能性も考えられます。
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社内システムを使いやすくするための解決策
社内システムを使いやすくするには、組織の経営陣がIT利活用に関する改革意識をもつことが重要です。そのうえで、現行のシステムの見直しを図ったり、従業員へのトレーニングを行ったりする取り組みを行います。
この取り組みをより円滑に進めていくためには、経営陣も巻き込み、「IT経営の取り入れ」として社内システム見直しを進めていくことが求められます。
①マイグレーション・モダナイゼーションを実施する
レガシー化した社内システムの課題を解決する手段の一つに、マイグレーション・モダナイゼーションの実施が挙げられます。
▼マイグレーション・モダナイゼーションの意味
方法 |
意味 |
具体例 |
マイグレーション |
システムやデータを新しい環境に移行すること |
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モダナイゼーション |
現在使用しているシステムを最新のものに置き換えること |
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マイグレーション・モダナイゼーションを実施して、実務で使い勝手のよい利用環境を構築することで、部門横断的なシステム活用が促進されると期待できます。
なお、社内システムの改善を図るポイントについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
②社内システムの棚卸しを行い廃棄・刷新を検討する
社内システムの数が多く複雑化している場合には、現在稼働している社内システムの棚卸しを行ったうえで廃棄・刷新を検討する必要があります。
現在の業務内容・ワークフローを洗い出して、業種・職種の特性を踏まえながら必要なシステムと機能を洗い出します。IT資産管理を行うことで、社内システムの全体像を可視化できるようになり、廃棄・刷新の判断がしやすくなります。
また、最新のITシステムを求めるのではなく、業務内容に応じたITシステムやITサービスを選ぶことが重要です。
▼社内システムを廃棄・刷新する例
- 機能が重複しているシステムを廃棄して、ほかのシステムの機能で代用する
- システム統合を行い、部門ごとに管理されているシステムを一括管理する
- マイクロサービスを活用して、複数のサービスを組み合わせたアプリケーションを構築する
なお、IT資産管理についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
③従業員への情報共有とトレーニングを行う
社内システムのスムーズかつ積極的な活用を促すために、従業員への情報共有とトレーニングを行うことが必要です。
社内システムの導入目的や利用シーンなどの運用方針を従業員に共有することで、システム活用の意義を理解してもらい、現場の抵抗感を払拭しやすくなります。
また、以下のような方法でトレーニングを行い、機能の使い方や操作方法などを習得してもらうことで、ITに不慣れな従業員の利用を促せます。これと併せて、情シス部門も含めた従業員一人ひとりに対する、社内システムやITの成熟度がわかるモニタリングも必要です。
▼従業員へのトレーニング方法
- 社内システムの機能や使い方に関する研修を実施する
- 操作マニュアルを作成して従業員に共有する
社内FAQを作成して、社内システムの使い方や問題の解決方法などの情報を自分で収集できるようにすれば、情シス・管理部門によるヘルプデスク対応の負担を減らすことが可能です。
まとめ
この記事では、社内システムについて以下の内容を解説しました。
- 社内システムが使いにくいといわれる理由
- 社内システムを使いやすくするための解決策
社内システムがレガシー化していたり、システムの種類が多く煩雑化していたり、フォロー体制が不十分だったりする場合は、使いにくくなり有効活用されなくなる可能性があります。
使いやすい社内システムに改善を図るには、社内システムを改善する意識を経営陣にも持たせたうえで、マイグレーション・モダナイゼーションを実施する、社内システムの廃棄・刷新を行う、従業員への情報共有・トレーニングを行うことがポイントです。
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