ITインフラエンジニアの仕事内容とは。効率化するにはどうすればいい?
ITインフラとはIT分野の基盤となる設備や施設のことで、パソコンやサーバなどのハードウェアや、ネットワークを構築するソフトウェアを指します。世界規模でデジタル化が加速するなか、ITインフラは企業活動の発展のために欠かせないものとなっています。
ITインフラエンジニアは、ITインフラに関する業務を行う技術者です。
情報システム部門や管理部門の担当者のなかには、「ITインフラエンジニアの仕事内容を整理したい」「ITインフラエンジニアの仕事を効率化するにはどうすればよいのか」などとお考えの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、ITインフラエンジニアの種類や仕事内容、仕事を効率化するポイントについて解説します。
なお、ITインフラエンジニアの確保についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
ITインフラエンジニアの種類
ITインフラエンジニアは、対応する業務の領域によって主に5つの種類に分けられます。
▼ITインフラエンジニアの種類
種類 |
業務の領域 |
サーバエンジニア |
メールサーバやWebサーバ、ファイルサーバなどのサーバ全般を構築して運用・保守を行う |
ネットワークエンジニア |
社内ネットワークについて、設計からネットワーク機器の選定・接続、運用・保守までを行う |
データベースエンジニア |
ソフトウェアによるデータベースの構築や運用・管理を行う |
セキュリティエンジニア |
セキュリティ機器の導入や社内におけるサイバーセキュリティ対策を行う |
クラウドエンジニア |
クラウドについて設計や構築、運用、保守、セキュリティ対策を行う |
ITインフラエンジニアの種類によって、担当するインフラの領域や業務内容は異なります。ただし、どのITインフラも企業におけるIT分野の基盤として重要なものといえます。
ITインフラエンジニアの仕事内容
担当領域によって違いはあるものの、ITインフラエンジニアの仕事内容は基本的に要件定義・設計・構築・運用・保守から成り立ちます。
要件定義
ITインフラの設計・構築に向けて、社内に必要なITインフラの要件定義を行います。
社内やクライアントからのヒアリングによってニーズを把握したうえで、課題を解決するために必要な機能・仕様を定義します。自社に必要なITインフラの整備を的確に行うには、綿密な要件定義が欠かせません。
設計
定義した要件を満たすITインフラを設計します。設計の工程は、基本設計と詳細設計の二つに分けられます。
▼基本設計と詳細設計
設計の工程 |
概要 |
1.基本設計 |
機器・OS・メモリの選定や、要件を満たすための設計方針の策定などを行う |
2.詳細設計 |
ITインフラの構築に向けて、具体的なパラメータの設定や各要素の実装方法などを設計書として文書化する |
設計はITインフラの具体的な機能性を決定する重要な工程です。設計に不備があると、以降の工程でトラブルが生じる可能性もあります。
構築
設計書を基に、ITインフラの構築を行います。構築の工程において行う作業の例としては以下が挙げられます。
▼ITインフラの構築における作業の例
- ハードウェアの調達・配置
- ケーブルの接続
- システム・ネットワークの構築
- ソフトウェアのインストール など
構築作業が完了したら、動作テストを行って設計書との違いや不具合などがないかを確認します。
なお、ITインフラの構築についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
運用・保守
構築したITインフラを運用しながら、ITインフラが安定して稼働するための管理・監視を行います。また、定期的にメンテナンスを行って機能やセキュリティを維持することも重要です。
さらに、障害が発生した際には24時間365日いつでも対応できるようにしておく必要があります。
ITインフラエンジニアの仕事を効率化するポイント
ITインフラエンジニアの仕事を効率化するには、エンジニアへのサポートを行うほか、ITインフラの自動化やITアウトソーシングの活用などの方法が考えられます。
①スキルアップをサポートする
ITインフラエンジニアの仕事について効率化を図るには、スキルアップをサポートすることが有効です。
ITインフラエンジニアにはITに関する広範な知識をはじめ、さまざまな知識・スキルが求められます。また、進歩するIT技術についても勉強し続ける必要があります。
企業側でスキルアップのサポートを行うことで、ITインフラエンジニアが効率的に仕事を進められるようになると期待できます。
▼企業側で行えるスキルアップのサポート例
- 社内で勉強会やOJTを実施する
- 社外のセミナーを活用する
- IT情報の収集手段を社内で共有する など
なお、IT人材のスキルアップやIT情報の収集についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
②ITインフラの構築・運用業務を一部自動化する
IT技術を活用してITインフラの構築や運用、保守などの業務を一部自動化することで、ITインフラエンジニアの業務効率化につながると期待できます。近年では、AI(人工知能)を活用した自動化も進化しています。
▼ITインフラ自動化の例
- 設計書をコード化して実行することでインフラ構築を自動化する
- メンテナンス作業をツールによって自動化する
- システム障害への一次対応を自動化する など
ただし、対象となるIITインフラそのものを把握していなければ、自動化の設計はできません。ITインフラを自動化する際には、社内のITインフラエンジニアが対象となるITインフラ自体の知識のほか、プログラミング領域の知識・スキルを持っている必要があります。
③ITアウトソーシング(業務代行)を活用する
ITアウトソーシング(業務代行)とは、IT分野に関わる社内業務を外部に委託することです。
ITインフラエンジニアの仕事を委託することで、自社に必要な知識・スキルを持つ人材が不足している場合でもITインフラエンジニアの仕事を効率的に進められるようになると期待できます。
▼ITインフラエンジニアの委託業務例
- ネットワーク環境の設計・構築・移転
- サーバのシステム設計・構築
- ハードウェア・ソフトウェアの選定・調達
- パソコンやモバイル端末の導入・設置・キッティング
- 業務システムの導入 など
なお、ITアウトソーシングについてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
まとめ
この記事では、ITインフラエンジニアの仕事内容について、以下の内容を解説しました。
- ITインフラエンジニアの種類
- ITインフラエンジニアの仕事内容
- ITインフラエンジニアの仕事を効率化する方法
ITインフラエンジニアは、ITインフラの要件定義から設計、構築、運用、保守を行う技術者です。デジタル化の進展のなかで企業活動の発展を図るには、サーバ・ネットワーク・データベース・セキュリティ・クラウドなどさまざまなITインフラ領域を担当するITインフラエンジニアが欠かせません。
ITインフラエンジニアに対するスキルアップのサポートやITインフラの自動化、ITアウトソーシングの活用などを行うことで、ITインフラエンジニアの仕事を効率化できると考えられます。
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