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IT業界における働き方改革の課題。労働環境の改善に取り組む方法

近年、デジタル技術の進展やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に伴い、社会全体でのIT需要が拡大しています。一方で、デジタル技術に関する知識・技術を持つIT人材は不足しており、今後一層深刻化すると予測されています。

企業がIT人材の能力開発や定着率向上を図るためには、長時間労働の是正、ワークライフバランスを向上につなげる“働き方改革”に取り組むことが重要です。しかし、IT業界ではほかの産業と比べて長時間労働が慢性化しやすく、働き方改革を思うように進められないケースも少なくありません。

情報システム部門や管理部門の担当者のなかには「働き方改革の重要性は理解しているけれど、取り組み方が分からない」「特定のIT人材に依存しており、働き方改革が進まない」などと悩まれている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、IT業界における働き方改革の課題と労働環境の改善に取り組む方法について解説します。

なお、IT人材の人手不足に関する対策については、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。

目次[非表示]

  1. 1.IT業界における働き方改革の課題
  2. 2.IT業界で労働環境の改善に取り組む方法
    1. 2.1.①ITインフラをクラウド環境へ移行する
    2. 2.2.②ITツールを活用して業務の効率化を図る
    3. 2.3.③ナレッジを蓄積・共有できる仕組みをつくる
    4. 2.4.④ITアウトソーシング(業務代行)を活用する
  3. 3.まとめ

IT業界における働き方改革の課題

IT業界では、慢性的な人手不足によって長時間労働が見られており、働き方改革における重要な課題となっています。

▼IT業界における業種別の総実労働時間

IT業界における業種別の総実労働時間

画像引用元:厚生労働省『IT業界の長時間労働対策について

厚生労働省の『IT業界における働き方改革』によると、情報通信業はほかの産業と比較して、長時間労働による過重な業務の負荷を原因とした労働災害の発生が多いことが報告されています。

長時間労働が発生する要因には、IT業界での受発注の仕組みや現場業務の特性が関係していると考えられます。

▼長時間労働が発生しやすい要因

  • 社内のIT業務を担う人材が不足しており、属人化している
  • システム開発の多重下請け構造によって短い納期や急な仕様変更が発生する
  • 24時間体制でITインフラの監視や障害対応が必要になる
  • 社内のITインフラに依存しており、自宅での保守運用や作業が難しい

また、内閣官房が発表した『こども未来戦略方針』では、仕事と育児の両立のために、子どもが3歳までの期間についてテレワークの実施を努力義務とすることが検討されています。

しかし、社内にあるサーバやシステム、IT機器などに関する管理業務を担う情報システム部門または管理部門においては、テレワークの実施が難しくなります。

長時間労働を是正して働きやすい職場環境へと改善を図るには、情報システム部門やシステム開発部門、管理部門などにおいて、ITを活用した業務の効率化と場所にとらわれない作業環境を整備することが重要です。

出典:厚生労働省『IT業界における働き方改革』/内閣官房『こども未来戦略方針関連資料

IT業界で労働環境の改善に取り組む方法

IT業界の働き方改革を推進するには、ITの活用や業務体制の見直しなどを行い、労働環境の改善に取り組むことがポイントです。

①ITインフラをクラウド環境へ移行する

社内のオンプレミス環境で稼働しているサーバや業務システムなどをクラウド環境へ移行する方法があります。

物理的に管理していたITインフラをクラウド環境へ移行することで、クラウド事業者側で保守運用を行ってもらえます。

これにより、情報システム部門や管理部門が対応していたITインフラの管理・保守運用にかかるコストとリソースを抑えることが可能です。IT業務の負担が削減されると、長時間労働の是正につながります。

▼クラウド環境への移行例

  • 物理サーバをクラウドサーバへ移行する
  • 各パソコンにインストールしていた業務システムをクラウドシステムへ移行する
  • IT資産や保守管理のデータをクラウドストレージに保存して共有する
  • クラウドサービスを活用して、クラウド基盤のシステムやアプリケーションの開発を行う

業務システムまたはデータをクラウド環境へ移行する際は、外部のネットワークを利用する際のセキュリティ対策やオンプレミス環境との連携についても考慮する必要があります。

なお、サーバのリプレイスについてはこちらの記事で解説しています。

②ITツールを活用して業務の効率化を図る

IT関連業務を担う担当者の負担を軽減して長時間労働を是正するには、ITツールの活用が有効です。

ITツールを活用すると、これまで人が行ってきた作業の自動化・省人化や情報共有の円滑化を図れるようになり、業務の効率化につなげられます。主に開発業務や保守運用などにITツールを活用できます。

▼ITツールの活用例

ITツール
活用例
ローコード・ノーコード開発のプラットフォーム
少ない記述量で効率的なシステム・アプリケーションの開発を行う
IT資産管理ツール
紙媒体またはMicrosoft Excelの台帳で管理していたライセンスの情報をオンライン上で一元管理する
ID管理システム
オンライン上でアカウントの作成・変更やパスワード管理、特権IDの付与などを行う
RPAツール
キッティング作業を自動化する
監視ツール
サーバ・システムなどの稼働状況を24時間体制で監視して、不具合やセキュリティ上のインシデントを自動検知する
生成AIツール
システムやソフトウェアの基礎を構築してから、開発者による調整・修正を行い、作業時間を短縮する

なお、ライセンス管理とID管理についてはこちらの記事をご確認ください。

生成AIをビジネスに活用する方法については、こちらの記事で解説しています。

※1…Microsoft Excel は、マイクロソフト グループの企業の商標です。

※2…“Robotic Process Automation”の略称。パソコンを用いた単純な繰り返し作業を自動化できるツールのこと。

③ナレッジを蓄積・共有できる仕組みをつくる

情報システム部門や管理部門が対応しているIT関連業務の属人化を解消するには、ナレッジを蓄積・共有できる仕組みを構築することが有効です。

社内でITに関するナレッジを蓄積・共有できると、担当者が不在の場合に業務が停滞したり、業務部門からの問い合わせ対応に時間・労力を要したりする問題の改善を図れます。

▼ナレッジの蓄積・共有する仕組み

  • ナレッジ管理ツールを導入して、業務マニュアルや復旧対応のフローを社内で共有する
  • 社内FAQやチャットボットを構築して、簡易的な疑問・トラブルに対して業務部門の担当者による自己解決を促す
  • 生成AIを活用してナレッジベースやヘルプデスクの運用を行い、情報検索の正確性とスピードの向上を図る

なお、情報システム部門や管理部門の業務を効率化する方法については、こちらの記事をご確認ください。

④ITアウトソーシング(業務代行)を活用する

ITインフラの整備や保守運用などに対応する人材が不足しており、業務負担も大きくなっている場合には、ITアウトソーシングを活用することも一つの方法です。

ITアウトソーシングとは、ITインフラの構築や保守運用、ヘルプデスク、キッティングなどの作業を外部の事業者に依頼できるサービスのことです。

情報システム部門や管理部門の担当者、エンジニアが行っていた業務の負担を軽減して長時間労働の是正を図れるほか、人手不足の解消にもつながります。

なお、ITアウトソーシングの方法には、主にエンジニアの常駐と外部への業務委託があります。詳しくは、こちらの記事をご確認ください。

まとめ

この記事では、IT業界の働き方改革について以下の内容を解説しました。

  • IT業界における働き方改革の課題
  • IT業界で労働環境の改善に取り組む方法

IT業界では、IT人材の人手不足をはじめ、慣習的な受発注の仕組み、現場に依存する業務の特性などから、長時間労働や業務負担が起こりやすくなっています。

働き方改革を推進するには、ITインフラのクラウド化やITツールの活用、ナレッジ共有ができる体制づくりなどに取り組み、業務の効率化と場所にとらわれない作業環境を整備することが重要です。

また、IT関連業務を担う人材のリソースが不足している場合には、ITアウトソーシングを活用して負担の大きい業務を外部に依頼することも有効といえます。

FGLテクノソリューションズ』の社内システム運用管理サービスでは、ITインフラの構築や保守運用、ヘルプデスク、キッティングなどの幅広いIT関連業務をサポートしております。

サービスの詳細については、こちらから資料をダウンロードしていただけます。


霜島 裕也
霜島 裕也
2022年にFTSへ入社。社内情シス業務アウトソーシングサービスのマーケティング兼プリセールスを担当している。最近は法務関連の事務局にも従事。IT関連資格としてPMP、ITコーディネータを保有し、現在も維持している。 入社前の1991年~2015年は総合電機メーカーにて、総務、販売企画、営業、SE、プロジェクトマネジメントなど幅広い業務を経験。

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